nmmnですのでご本人様のご迷惑にならないようにお願いいたします。
ここは少し広めの部屋。
窓は小さく、鍵のかかった鉄格子がついている。
カーテンは薄く、外の光をほとんど遮っていた。
部屋の中は整っていて、ベッドもあれば、服もあり、食事だって用意されている。
足りないものは何もなかった。
_自由以外は。
kn「……ぶるーく、ここから出してよ」
低い声。
けれど怒鳴り声ではない。
感情を押し殺したような、静かな抗議。
br「きんとき……ごめんね。でも、まだだめ」
kn「……いつまで?」
br「きんときが、ちゃんと僕だけを見てくれるまで」
俺は、その言葉に何も言えなかった。
ぶるーくはいつも通り穏やかな顔で、食事のトレイをテーブルに置く。
br「ほら、朝ごはん。昨日はあんまり食べてなかったでしょ?」
kn「……ぶるーく、なんでこんなことするの。俺、何かした?」
br「ううん、きんときは悪くないよ。……でもね、最近、きんときが他の人ばっかり見るから……僕、怖くなったんだ」
br「他の人と話して、笑って……僕じゃなくても、いいのかなって思っちゃった」
kn「……そんなわけないじゃん。俺は、ぶるーくが_」
言いかけた言葉が、口の中で止まる。
ぶるーくの瞳が、俺をじっと見つめていた。
br「……じゃあ、証明して?」
kn「証明?」
br「僕だけのきんときでいてって、ちゃんと教えて。言葉だけじゃなくて……もっと深いところで」
kn「……そんなの、どうやって」
ぶるーくは微笑んだ。
それは、どこまでも穏やかで、壊れそうなほど静かだった。
br「ここにいてくれればいいよ。僕の言うこと、聞いてくれたら……それだけで、いいから」
夜
部屋の明かりはやわらかく、静寂に包まれていた。
俺はベッドの上で、ぼんやりと天井を見つめていた。
……怖くはなかった。
だけど、どうしようもなく息苦しかった。
なんとも言えない苦い気持ちを飲み込んでいると、
ノックもせず、ぶるーくが静かに部屋に入ってくる。
鉄格子の鍵を開け、こちらに近づいてくる。
そのままゆっくりとベッドに腰かけ、俺の髪に指を絡ませる。
br 「今日も、がんばったね」
kn「……監禁されてるのに、がんばったも何もないでしょ」
br「あは、でも僕の前できんときがちゃんと話してくれたから、それだけで嬉しいよ」
kn「なにそれ…」
くすぐるように髪を撫でられて、苦い感情が少しずつ無くなっていく。
kn「ぶるーくさ……これ、愛だって思ってるの?」
きっと、愛なのだろう。
俺を閉じ込めることが。
br「うん。僕にとっては、これが愛のかたち。……歪んでるって思っても、止められないんだ」
kn「……俺、わけわかんなくなる」
br「それでもいいよ。僕だけを見てくれるなら……それでいい」
そう言ってぶるーくの唇はそっと俺の唇に触れる。
重ねるキスは、支配でも拘束でもなく、愛しさだけでできていた。
br「僕は、きんときを離さないよ。たとえ嫌われても、ここにいてほしいんだ」
様々な感情が入り交じった目。
kn「……ほんとに、好き…なんだね、俺のこと」
br「うん。誰よりも、何よりも。……たぶん、壊れてても、止められないくらい」
俺は、目を閉じた。
きっとこれは正しいことなんかじゃない。
でも__あの瞳はたしかに、綺麗だった。
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