強く風が吹く。
私、魂魄妖夢は今、これまでとは、桁違いの、化け物を前に、刀を構えていた。
霊夢「妖夢!そいつはあんただけで、どうにか出来る相手じゃないわよ!」
魔理沙「そうだ!悔しいが、そいつの力は私達の想像以上だ!」
あぁ、霊夢さん達が、何か言っている。
どうにか出来ない?想像以上の力?
そんなもの、全て分かっている。
分かってなお、私は刀を向けているんだ。
キ「だってよ、あんな事言われてるぜ?」
キ「お前はそれでも、オレと戦うのか?今なら見逃してやるって、言ってもか?」
甘い誘いだ。
いつもの私なら、ここで自分には、無理だと逃げ出してしまうだろう。
だが、
妖夢「霊夢さん!魔理沙さん!」
そう声を上げると、2人のとの目が合う。
そして、大きく息を吸い込み、
妖夢「うるさい!」
そう、強く叫んだ。
2人とも、心底驚いたような顔をしている。
だが、私はそんな事も、気にしないように、
妖夢「あんた達を期待して待ってる仲間が居るんだから!ここは私に任せて、さっさとその仲間を救いに行け!」
そう、強く今まで出したことの無いくらい、大きな声で喝を入れる。
そうすると、2人は何かを『決意』したのか、
霊夢「分かった、ここは任せるわ!」
魔理沙「直ぐに戻る、死ぬなよ!半人前!」
っと、言ってこの場を離ようとする。
だが、途中で、その化け物が、止めに入ろうとしたが、
キ「簡単に、逃がす訳っ!?」
妖夢「はぁぁ!!」
そんな事させまいと、強引に刀を振るう、
そうして、2人は、無事この場を離れた。
キ「中々の『決意』だ。大したもんだぜ、お前さん、名は?オレはキラーって、言うんだ。」
おちゃらけたように、そう、質問してくる。
そして、私の答えは決まっている。
妖夢「私の名は魂魄妖夢、貴様を斬る剣士の名前だ!」
キ「そうか、なら斬って見せろ!」
ここに来る前、
幻想郷に何か、黒い何かを感じる…
幽々子「妖夢ー。」
妖夢「はいっ!どうしましたか?幽々子様。」
幽々子「何か、幻想郷で、嫌な空気を感じるのよ。」
妖夢「えっ!?大丈夫なんでしょうか?」
分からないがこのままだと恐らく、
幽々子「分からないわ、でももしかしたら、霊夢達や貴方の友達も…」
妖夢「……私、少し幻想郷に行ってきます。」
ここで、妖夢を行かせては行けない。
幽々子「待って、妖夢。」
妖夢「止めないでください!私の友達が、」
幽々子「これは、命令よ!止まりなさい、妖夢。」
ここで、行かせても、妖夢は逃げるか、死ぬかのどっちかだわ。
妖夢「くっ!!」
幽々子「妖夢、貴方を行かすことは許可出来ないわ。」
妖夢「なっ、何故!」
幽々子「貴方が行って何が出来るの?魔理沙にも勝てない貴方が。」
ここで、言うのはあくまで覚悟をさせる為、覚悟をさせるために、本当の事を言う。
妖夢「うぅ…」
幽々子「貴方じゃ何も出来ないわ、ここに居なさい。」
妖夢「それでも、」
幽々子「私に、反論するの?」
この、事実に妖夢、貴方はどう答えるの?
妖夢「う、うぅ」
さぁ、妖夢!選びなさい!辛いことも分かってるけど、今が成長する時なのよ!
妖夢「それでも、私は!皆さんを助けに行きたいです!」
!!!
幽々子「死ぬかもしれない、それでも、本当にそれを望むの?」
妖夢「それでも、です!」
………これは、私の負けね。
幽々子「妖夢、」
妖夢「はい、」
幽々子「今から貴方にお使いを命じるわ。」
妖夢「えっ?」
幽々子「時間制限はなし、そのせいで途中の事は分からないし、ボロボロになっても、転んだとしか言えないわ。」
妖夢「幽々子様…」
幽々子「行ってくれるかしら?」
妖夢「はいっ!お任せ下さい!必ずここに戻ります!」
幽々子「えぇ、それでは行ってきなさい。」
妖夢「はいっ!」
そうして、妖夢は行ってしまった。
幽々子「ふふふ、妖夢、強く育ってくれたわね。」
貴方の手で、救いたい者達を救ってきなさい。それが、魂魄家が望む、
『刀の教え』よ。
妖夢「ハア、ハア、ハア……」
キ「お前さん、勝てないって分かってるのに、何でまだ挑むんだ?」
キ「もう充分時間は稼いだだろ?」
その時私は、もうボロボロだった。
目の前に立っている敵には、まだ一撃も与えられていないのに。
キ「何がお前をそこまで動かすんだ?」
妖夢「全ては、友の為に!」
キ「ほう、」
妖夢「友の為に!私を受け入れてくれた幻想郷の為に!私がここに来るのを許してくれた主の為に!刀の教えに従って、貴方を斬ります!」
キ「いいぜ、ここからが、本番になりそうだ。」
妖夢「喰らいなさい!
魂魄『幽明求聞持聡明の法』!!!」
その時、半霊が、期待に応える!
妖夢「はぁぁ!!」
キ「来るか!」
妖夢「ここからだ!合わせろ!半霊!
空観剣『六根清浄斬』!!」
1人で2人の力で敵をなぎ倒しに行く。
前のような、慈悲や情けない姿は無い。
全力で、敵を斬りに行く。
妖夢「かぁぁぁぁぁ!!」
キ「来い!魂魄妖夢!!!!」
そして、私の全力と、
キラーの全力が、ぶつかり合い、
そして、そして、そして。
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