――なんだ、これ……。
そのドアを見た瞬間、進夢は、肌が粟立つのを感じた。
端々に錆の浮いた分厚い鉄製の扉、それは、古い建物にはありがちのごく普通の扉のはずだった。せいぜいが、廃墟で出会った朽ち果てた扉に過ぎないはずで……、なのに、
――なんで、こんなに気持ち悪いんだ……。
この建物に足を踏み入れた時から、ずっと感じている気味の悪さ。
ねっとりと絡みついてくるような、禍々しい空気。吸いこむだけで肺が腐り果てるようなそれは、まるで人の悪意がそのまま形を取ったもののように感じられて、なんとも不快だった。
けれど……、目の前、そのドアの向こう側から感じるものは、それとは次元が違っていた。
むしろ、この扉の向こうから流れてくるなにかが、この建物全体をつつみこみ、さながら、異界のようにしてしまっているのではないか……。そんな想像さえ、容易にできてしまって……。
――この扉***********
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