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ダンボール箱の中に入っていた〇〇とその同類たちと共に異世界を旅することになった件 〜ダン件〜
第148話 - 〇〇は『ケンカ戦国チャンピオンシップ』を観に行くそうです その19
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2024年01月18日
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2024年01月18日
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会場の本部席に着くと『トワイライト・アクセル』さんは椅子に座った状態で燃え尽きていた。(主に精神面)
「おーい、生きてるかー?」
俺が彼女の体を揺らすと、彼女はようやく目を覚ました。
「あ、あれ? 私……もしかして寝てたの?」
「寝てたというか、燃え尽きてたぞ」
「そ、そうですか。ところでどうして戻ってきたのですか?」
「あー、まあ、あれだ。オメガ・レジェンドとの決着をつけるためだ。でも、あいつがどこにいるのか分かんねえから探すのを手伝ってくれないか? 大会の実況をしてたあんたなら、このスタジアムの内部構造はだいたい分かるだろ?」
「え、ええ、まあ」
「よし、決まりだな……って、あそこに倒れてんじゃねえか。というか、気を失ってるな」
ナオトが本部席から長方形型の闘技場を見た時、はぐれモンスターチルドレン討伐隊司令の『オメガ・レジェンド』は選手用通路の入り口付近に仰向けで倒れていた。
「あのー、一つ訊《き》きたいことがあるのですが、よろしいですか?」
ナオトはトワイライトさんの方を向くと、こう言った。
「なんだ? 俺に何か用か?」
「はい。一つだけでいいので私の質問に答えてください」
「……ああ、いいぞ。なんでも訊《き》くといい」
「では、質問です。あなたは……『悪魔』ですか?」
俺にそんなことを言ったトワイライトさんに襲いかかろうとしたミノリ(吸血鬼)とミカン(翼が四枚生えている天使)を落ち着かせるために、俺は二人の頭を撫でた。
「悪魔……か。俺自身はそうは思ってないけど、あんたには俺がどう見えているんだ?」
「……私には、あなたはただの少年にしか見えません。ですが、あなたが今回の大会で見せたあの力を目の当たりにした時は『悪魔』だと思いました」
「……そっか。あんたにはそう見えたんだな。まあ、たしかに俺の力は先代の誕生石使いが使おうとしなかった伝説の石らしいから『悪魔』なんて言われても仕方ないかもしれないな。けど、俺の体が悪魔になっても心だけは人のままであり続けるつもりだ」
「そう……ですか、分かりました。私はあなたのことをもう『悪魔』だと言いません。なので、心臓でも魂でも構いませんから、どうぞ奪ってください」
「おいおいおいおい、待て待て待て待て。あんたは何か勘違いしてるぞ?」
「何がですか? 口封じに心臓や魂を奪うのではないのですか?」
「俺はそんな酷いことしないし、そんなものを奪ったって何の足しにもなりやしないよ」
「なるほど。私の心臓ではなく、肉体そのものを欲すしているのですね。わ、分かりました。私の全てをあなたに捧《ささ》げます。どうぞ、好きなようにしてください」
俺はテニスウェアのような服を脱ぎ始めた彼女の両手を掴《つか》んだ。
「だーかーらー! あんたはそういうことをしなくていいんだって、さっきから言ってるだろ!」
「えっと、それはつまり……」
「俺はあんたに何の危害も加える気は無いってことだ!」
彼女は少し頬を赤らめながら。
「ご、ごめんなさい! 私ったら、早とちりしちゃったみたいで! 本当にごめんなさい!」
「いや、いいよ別に。俺はただ|オメガ《あいつ》との決着をつけに来ただけだから」
「そ、そうなのですか?」
「最初にそう言っただろ? まあ、もう見つけたから問題ないけどな」
「もしかして、復讐《ふくしゅう》するつもりなのですか?」
「俺がそんなことをしに来たんじゃないってことくらい、あんたにだって分かるだろ?」
「……そう……ですね。では、この会場全体を不可視の結界で覆いますので存分に戦ってください」
「そんなことしたら、あんたはクビになるぞ?」
「私は今まで裏稼業で生計を立ててきましたから、職を失ったとしても、なんとかやっていけます」
「そっか。なら、そんなあんたに一つだけ言っておきたいことがある」
「えーっと、それはいったい、なんですか?」
「それはな……」
ナオトがトワイライトさんの耳元で囁《ささや》いた内容はトワイライトさんの顔が真っ赤になるほどのものであった。
「あ、あなたは、いったい私のどこを見ているのですか! というか、今の言動から察するに、あなたは見た目以外は大人ですよね! ねえ!」
「さあて、それはどうかな? まっ、裏稼業でも頑張れよ? トワイライトお姉さん?」
ナオトはそう言うと、闘技場へ向かうために本部席から飛び降りた。(ミノリとミカンもその後を追った)
トワイライトさんは両手をメガホンのようにするとナオトに向かって、こう叫んだ。
「女の子のおなかばかり見てると、いつか捕まりますよおおおおおおおおおおおお!!」
ナオトがトワイライトさんに言った内容とは、おなか周りの肉を少し減らさないと任務に支障が出るかもしれないから少し痩せろ、というものであった。