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五日後、同じ芸大の部屋。出来上がったコスチュームを試着した5人。
川村が内側からドアを開け、北野を招き入れる。
川村「着替え終わりました。入っていいですよ」
部屋に入った北野、5人の姿を見て、おおっと声を上げる。
北野「こりゃ期待以上の出来だ! テレビの本物の戦隊ヒーローと比べても見劣りしないぞ」
女子学生一同ガッツポーズをする。
川村「みなさん、着心地はどうです?」
倫「思ってたより軽いわね。これなら長時間でも大丈夫だね」
沙羅「もっとごつい物かと思ったけど、ほどほどに色気も出るね」
智花「あたしはもっとズンドウになるかと思ったから、安心したわ」
瑠美「手袋もけっこう薄いね。これなら細かい手の動きもできそう」
玲奈「へえ! 体にぴったりフィットして、でも動きやすい。これなら最高ですよ」
北野「みんなOKみたいですね。先生、みなさん、ありがとうございました」
川村「では、このまま持って帰っていただいて結構です。そのうち、戦隊ショー見せてくださいね」
場面転換
玲奈の自室
勉強机に座ってノートパソコンを見ている玲奈。川村から渡された紙に書いてある大学のサイトを見る。
玲奈「へえ、通信制だけでこんなにいろいろあるんだ」
とあるサイトの場所で玲奈の手が止まる。画面の上に「スポーツ健康学科」
玲奈が説明文を音読する。
玲奈「体育ならびにアスリートの健康管理、ケガの予防」
玲奈が自分の右足を見つめる。
玲奈「アスリートがケガをしないように管理する、その理論と実践……あたしみたいにならないようにするための指導者の養成って事か」
玲奈は画面から目を離し、椅子の背もたれにもたれて天井を見つめる。
玲奈「問題は学費だな。さすがに親に出させるわけにいかないし。貯金じゃ全然足りないから、働いて貯めるとして2,3年かかるかな。そうすると入学できたとしても30過ぎてるよね」
玲奈の脳裏に和江の言葉が浮かぶ。
「夢を持つ事にも、年齢制限はありませんよ」
玲奈「よし、だめで元々だ。この際目指すか、三十路(みそじ)の女子大生」
場面転換
夕方の河川敷のスポーツ公園。ジャージ姿のチバラキファイブの5人。
玲奈「本当にあたしがトレーニングのメニュー決めてよかったんですか?」
倫「あんたプロのスポーツ選手だったんだろ。餅は餅屋さ」
玲奈「でも、あたしは体の故障で引退した身ですから。満足な体力作りになるかどうか」
瑠美「それでも素人のあたしらよりマシだろ。ご当地ヒーローとは言え、まずは体力だからな」
玲奈「そうですか。では始めましょう。確かに戦隊ヒーローは飛んだり跳ねたり、結構体力が必要ですからね。では、ランニングから。あたしについて走ってください」
玲奈が走り出し、4人が後に続く。そのままスポーツ公園の外周を何周もランニングする。
玲奈の横を走る智花が息をゼイゼイ言わせ始める。
玲奈「智花さん、大丈夫ですか?」
智花「な、なんとか。現役引退してもう長いからさすがにきついわ」
玲奈「え? 智花さんも何かの選手だったんですか?」
智花「えへへ、これでも元女子プロレスラーなんですよ」
玲奈「へえ! 全然知らなかった。じゃあ力持ちのイエローのキャラにピッタリですね」
智花「ははは、そうだといいけど。あれ、ところで他の3人は?」
玲奈「あれ、そう言えば姿が見えない……きゃあ! あそこに倒れてます!」
芝生の上に伸びている瑠美、沙羅、倫の3人。玲奈が駆け寄って瑠美を抱き起す。
玲奈「みなさん! お体の具合でも悪かったんですか? まだたった70週しかしてないのに」
瑠美「あんたたち二人の方が化け物じみてんのよ!」
沙羅「も、元とは言え、これがプロスポーツ選手の体力か……」
倫「こ、今後はトレーニングのメニューは最年長者のあたしが決めます。い、異議は認めません!」