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みる🎼🎧 サブ垢
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続き↓
「約束と未来」
――オフの日 / 約束バレ
「なあ」
烏が、また口を開く。
「さっきから思ってたんだけどさ」
全員の視線が、なんとなく乙夜と潔に集まる。
「お前らさ」
ニヤッと笑う。
「“いつから”なん?」
「は?」
乙夜が即反応する。
「だから付き合いだよ」
「違ぇって言ってんだろ!」
「でも否定の仕方が弱いんだよなぁ」
千切が腕を組む。
「というか」
玲王が顎に手を当てる。
「昔から知り合いではあるよね?」
その一言。
乙夜が、一瞬だけ止まる。
「……まあ」
小さく認める。
「ほら来た」
烏が笑う。
「どのくらい?」
蜂楽が身を乗り出す。
「子どもの頃から?」
潔が、少し考えてから答える。
「うん」
「え」
何人かが声を揃える。
「マジ?」
國神。
「それでこの距離感?」
雪宮。
「そりゃバグるわ」
千切。
ざわつく。
「で?」
烏がさらに踏み込む。
「何かあったんでしょ」
乙夜が、明らかに嫌そうな顔をする。
「ねぇ?」
蜂楽が笑う。
「約束とか?」
ピタッと止まる。
乙夜の動きが。
「……は?」
玲王が反応する。
「今の反応、完全に“ある”じゃん」
「いや別に——」
乙夜が言いかける。
「“大人になったら結婚する”とか?」
蜂楽が、完全に当てにいく。
「「……」」
沈黙。
数秒。
「え」
千切。
「え?」
國神。
「え??」
玲王。
一斉に、乙夜を見る。
「おい」
烏が笑いをこらえる。
「マジ?」
乙夜、無言。
その代わりに——
「うん」
潔が普通に頷いた。
「したよ、約束」
爆発。
「はあああああ!?」
「お前何サラッと言ってんの!?」
「ガチじゃん!!」
「重!!!!」
一気に騒がしくなる。
「いや待て待て待て!」
玲王が両手を上げる。
「情報量多すぎる!」
「いつ!?何歳!?」
千切。
「誰から言い出した!?」
烏。
「証人は!?」
蜂楽。
「いや裁判かよ」
雪宮がツッコむ。
その中で、
乙夜は頭を押さえていた。
「……お前さぁ」
潔を見る。
「なんで普通に言うんだよ」
「隠す理由ある?」
潔がきょとんとする。
「いやあるだろ普通!」
「え、なんで?」
本気で分かってない顔。
「……」
乙夜、言葉を失う。
後ろで、
「やばい」
凪。
「純度100%」
「これは勝てない」
玲王。
「てかさ」
千切がニヤッとする。
「どっちから言ったの?」
一瞬の静けさ。
乙夜が、少しだけ目を逸らす。
「……俺」
「うわぁ〜〜〜!!」
「攻めじゃん!!」
「ロマンチストかよ!!」
「重いって言っただろ!!」
総ツッコミ。
「うるせぇ!!」
乙夜が叫ぶ。
「ガキの頃の話だっつーの!」
「でも覚えてるんでしょ?」
蜂楽。
「しかも“迎えに行く”って言ってたよね?」
千切。
「さっきも言ってたしな」
烏。
逃げ道、ゼロ。
乙夜、観念する。
「……ああだよ」
少しだけ、真面目な声。
「約束したからな」
その一言で、
空気がほんの少し変わる。
騒がしさの中に、
少しだけ“重み”が混ざる。
「で?」
國神が聞く。
「今もそのつもりなんか?」
乙夜は、少しだけ笑う。
潔の方を見る。
ほんの一瞬だけ。
「……途中だけどな」
それだけ言う。
潔は、それを聞いて——
何も言わない。
でも、
少しだけ嬉しそうに笑った。
「はい確定」
烏。
「未来込みで確定」
千切。
「もうプロポーズ済みじゃん」
玲王。
「式いつ?」
蜂楽。
「気が早ぇよ!!」
また騒がしくなる。
その中で、
乙夜はため息をつきながら——
少しだけ、
潔の隣に寄る。
今度は、
完全に意識して。
「……ほんと、余計なこと言うよな」
「いいじゃん」
潔が笑う。
「嘘じゃないし」
乙夜は、何も言い返せない。
ただ、
小さく笑った。
約束は、
もう“二人だけのもの”じゃなくなった。
でもそれは——
むしろ、少しだけ未来に近づいた証だった。
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