『あ゛~!!やってらんねぇよ!!』
暑い夏、4人の男が床に寝そべっていた。
一人の男坂田がそう大声を荒らげるともう1人の男坂本が
冷静に坂田に言った
『五月蝿いぜよ金時。』
坂本が言った言葉にさっき大声を荒らげた
坂田がまた大声を荒らげる。
『金時じゃねぇよ!!ぎ・ん・と・きな!!!!』
坂田は坂本の襟を掴みあげると
3人目の男高杉が仲介するように言う
『どーでもいいわ、てめぇの名前なんて、離してやれ辰馬のこと』
高杉は坂田と坂本が揉めている中へと入る。
『はぁ?うっせぇんだよチビ!』
坂田が止めに来た高杉に向かって禁句を言い放つ
プツン
何かが切れる音がした。辺りが静まり返る、
激怒した坂田の隣で坂本4人の男、桂が怯えた顔で
高杉の方をガン見する。
『あ?』
高杉は腰に掛けてきた刀を取り
坂田の方へ剣先を向ける。
『ちょ、ちょと待つんじゃ!!落ち着くぜよ高杉ィ!!!』
坂本は高杉の腕を必死に押さえつけている。
『ほら、銀時も謝れ!!』
桂が坂田に向かって怒鳴る
『はぁ?なんで俺が謝んないと、いけないんですかぁ?』
また挑発したように坂田は、高杉に近づく。
『この、クソ野郎が!!』
高杉が押さえつけている坂本を振り払いながらそう言うと、
シュッ
『イッ、』
畳に血が垂れる。また、みんな沈黙する
そうだ、高杉が坂本を振り払う時に刀の剣先が
坂本の頬を切ってしまったのだ。
『あ、え、』
高杉は困惑したようで声にならないようだ。
『だ、大丈夫ぜよ、高杉!ちっと、かすっただけじゃきィ!』
坂本はなんにもないようにケロッと笑って見せた。
『……お前ら、ちょっとこれは、
あまりにも話にならない俺は、坂本に手当をしておくお前らは
この部屋で反省しとくように』
桂は坂本を違う部屋に連れて行き2人を部屋に残した。
また沈黙が続く。
坂田がちらっと高杉の方をみると高杉は
冷や汗をかいていた。
小声で何か言ってるようだ。
『あ、ああぁこ、このまま、辰馬の顔を傷き、消えなかったらどうしよう。』
高杉は小声で言った。
高杉は桂たちが帰ってくるまでずっと震えていた。
『大丈夫か?坂本』
桂は心配そうに聞く。
『大丈夫ぜよ!!こがなちんまい傷すぐ消えるぜよ!!』
坂本はいつもの笑顔で言い返す。
『全く、あいつらは加減を覚えんか!』
桂はお母さんのように言う。
ひと通りてあてをすると、桂は坂本を自室に返し、坂田達がいる部屋へと戻った。
『お前ら、いい加減にしろ、本当に』
桂が怒ってる中で、高杉は震え、坂田は関係無さそうに
耳をほじっている。
『お前ら、今後一切喧嘩で刀を抜くのは辞めろ、坂本はなんにもないように振舞っているが、かなり深い、痕が残るかもな、』
桂が言った言葉に高杉は急いで部屋を飛び出した。
そうだ、辰馬に謝んなければ!!
だが、高杉が部屋を出て数歩歩いた時に、
天人が、否、天導衆が待ち構えていたのだ。
そこで高杉の意識は途絶えた。
起きると、そこは薄暗く、視界がぐらついていた、
1日立ったのだろうかだが、はっきり見えたんだ、明るい橙色のロングの髪の毛、吉田松陽の姿が見えたのだ。
『せっ、先生?』
その言葉で桂は起きたようだ、目の前には身体を縛られた先生と真剣を持った坂田がいる。
『おい!辞めろ!銀時!!!』
その言葉を遮るように坂田は先生の首を切った。
俺は縛られていた身体を解き、銀時の方へ向かっただが数秒遅かったんだ、たった数秒もっと速かったら俺は銀時を殺せたのに、俺の左目には最期に銀時の泣き顔が映った。
そして、俺の左目は二度と開かれることはなくなった。
不幸の連続だ。
数週間前に坂本は左腕を失い、1日前には坂本の頬に傷をつけ、
数時間前には先生を失った。
高杉にとっては最悪の事態だった。
ひっそりと好意を寄せていた相手を傷つけ、
大切な師匠も失った。
そして、高杉は、坂本の後を追うように前戦を離脱した。
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