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私の名前は、菜美。今日から高校二年生だ。そして今日は始業式、教師たちは皆、口を揃えて「高校二年生は中だるみの時期」という。そんなことないだろうけど。今の時刻は7:20。そろそろ家を出る時間だ。
「いってきまーす!」と私が言う家の中には母親1人と愛犬のモナがいて、母親はなにか言うわけでもなく柔らかい笑みを浮かべて手を降っている。
私の家は昔、寺と関係のある家系だったそうだ。その影響か、私の家には昔からある言い伝えがあった。
変わった言い伝えだなと思い、前に母親に理由を聞いても、母もわからないらしい、要するになんとなく昔の名残が残っているというわけなのだ。
おそらく大したことじゃないのだろうと特に気にすることはなかった。
始業式が始まり、私は終始、一年生のときにできた友達、美雪と囁き声で。
美雪「また同じクラスだねっ!」
「だね!話したことない人ばっかだったから美雪と同じって知ってめっちゃ安心したよ〜!」
美雪「うちらのクラスの担任、新任の晶馬先生だって」
「みたいだね、前の担任少し苦手だったから助かるー」
始業式が終わり、今日は軽いホームルームのみで下校とのことで、私は美雪と一緒に下校した。
美雪「早く帰れるのサイコー!」
「私も見たいアニメがあったから一気見しなきゃ!」と話していて、美雪が私のカバンにつけていた手のひらサイズのくまのぬいぐるみが気になったのか、ある質問をした。
美雪「そのぬいぐるみ一年の頃からつけてるよね、お守り的なやつ?」
「ううん、そういうわけじゃないけど、このぬいぐるみは死んじゃった祖母が私に初めて買ってくれたぬいぐるみだから、大切にしてるの」
美雪「ふーん、確かになんだか菜美のおばあちゃんのオーラを感じるかも?笑」
「なにそれ、変なのぉ笑」
美雪と別れたあと、私は家でアニメを見ていると、モナが家の中ではしゃいでいた。
「こらー、暴れないのー」と言う私を気にせずモナが暴れていると。
私がその音に振り向いたときには遅かった、モナがくまのぬいぐるみの左足と右腕を噛みちぎってしまっていた。
「あぁっっ!?」
私はぬいぐるみに駆け寄り、急いで裁縫道具を取り出し、縫おうとしたが、寸前に言い伝えのことを思い出しためらったが、祖母にもらった大切なぬいぐるみなのだ、直してもバチは当たらないと思い、急いで直した。母親にはそのことを言わずにいた。
その夜、私は自身の体温が急激に下がるのがわかるほどの寒さに襲われ、目を覚ました。
暗闇の中、私は周りを見渡し、体を温めようとリビングにホットミルクを作るため起き上がろうとした瞬間。
と低く不気味な声が聞こえ、驚き声のする方を向くと、大きなぬいぐるみが立っていた。
「なんなの、、、」と怯える私にぬいぐるみは
私は、謎のぬいぐるみに対して警戒を抱き、おそらくこのぬいぐるみが言っているのは、あのくまのぬいぐるみのことだろう。
そして、ぬいぐるみが近づいてきたことで気付いた、このぬいぐるみの左足と右腕が、、ない。それに加え、このぬいぐるみ全身毛皮なのではなく所々に血の滲んだ人間の皮膚のようなものが見える。
ぬいぐるみの奇形な姿に私は腰を抜かし、動けなくなってしまっていた、、。
「来ないで、こないで、、、」と怯える私を見てゆっくりと近づいてくるぬいぐるみがなにかを喋った途端、私は意識が朦朧になり意識を失ってしまった。
気がつくと、朝になっていた、昨夜の化物は何だったのか、幻覚、、いや、夢だろうか。
そうおもいながら、体を動かそうとして、気づいた、体が動かない、、、そう思った瞬間。眼の前のドアが開いた。
ドアを開けたのは、、私だった。驚いて思考が追いつかない私に”彼女”が私の顔の前まで腰を落としこちらを見ながら
そういって”彼女”は私を、、いや厳密には学校のバックを持ち上げた。
私は、ようやく理解した、わたしは今、”あの”ぬいぐるみなのだと、、、、、、、、、、、、、、、