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バガラジー
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京太郎@ドラマ部門1位獲得
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大会二日目。
会場である天宮記念ホールの空気は、昨日とはまるで違っていた。
ベスト8から全国大会へ進出する2名を選ぶ今日。
昨日まであったお祭りのような華やかな雰囲気は消え去り、そこには勝者だけが放つピリついた緊張感が満ちていた。
観客の数も、昨日より明らかに増えていた。
そしてその観客たちの視線もまた、昨日より鋭い。
彼らはもはやエンタメを観に来ているのではない。
本物の知性の戦場を観に来ているのだ。
やがて準々決勝、久条亜里沙の試合時間がやってきた。
山中が少し緊張した声で、呟いた。
「いよいよ準々決勝だな。これに勝てばベスト4進出全国が見えてくる」
奏は静かに答える。
「――ああ」
司会者が壇上に立ち、会場全体に響く声で宣言する。
「準々決勝・第三試合を開始します!使用言語は英語のみとします!」
京都府代表、洛北祥雲学園、久条亜里沙
大阪府代表、四海王寺高校、澤田博美
対戦相手は文武両道、モデル並みのルックスに、強烈な自信を併せ持つ実力者だ。
そしてホールの中央に表示されるディベートテーマ。
『組織の罪を隠してでも、優れた成果を守るべきか』
奏:「面白いテーマだな」
ミラー:「ああ。まるで、どこかの高校にありそうな話だ」
開始の合図とともに、澤田は勢いよくスピーチを始めた。
その英語は、まさにマシンガン。淀みなく次々と論点をぶつけてくる。
目には自信と挑発の色が浮かび、会場の空気を一気に攻めに変える。
だが――久条は微動だにしない。
澤田の奔流のような発言を、まるで涼風のように受け流し、
言葉が一瞬途切れた、その隙に――静かに、牙を突き立てた。
「And that achievement you mentioned who is it truly for?」
(あなたの言うその成果とは一体、誰にとっての成果ですか?)
たった一言だった。
だがその問いは、澤田の全論理構造を根底から破壊した。
彼女の言葉が止まる。目が揺れる。沈黙――。
論破ではない。論崩壊。それが久条亜里沙の流儀だった。
山中が口をぽかんと開けたまま呟く。
「すげえ口喧嘩じゃ絶対勝てねえな」
柴田も大きく頷いた。
「ああ。相手を潰すんじゃない。完全に無力化してる。亜里沙を怒らせたら終わりだな」
斎藤が鋭く補足する。
「昨日、天宮から聞いたんだが・・・この大会の審査員は全米から選抜された名門校の超エリート高校生100名によって行われている。ホレス・マン校、エクセター、アンドーバー全てアメリカの最高峰だ」
柴田は目を丸くする。
「マジかよ!?そんな連中に見られてんのかもうプロの戦場じゃねーか!」
やがて試合が終了し、投票結果が表示される。
【83 対 17】
その数字は、またしても圧倒的勝利を物語っていた。
久条は、涼しげな表情で一礼し、まったく汗ひとつかかずに舞台を降りた。
その姿はまさしく――
「勝利を約束された女王」だった。
コメント
1件
うわ、今回も痺れました……!澤田さんのマシンガン的な攻めに対して、久条さんがたった一言で論理構造ごと崩す「論崩壊」、本当に鮮やかでした。審査員が全米トップ校の高校生100人っていう設定も熱いですね。83対17の数字が女王の格の違いを如実に示していて、読んでいて鳥肌が立ちました。次も楽しみにしてます!