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廃村から単独で戻った修羅。異変に気づき、バールで雨戸をこじ開けた。
座敷の中は真っ暗だが人の気配はある。室内の蛍光灯のスイッチを入れると
ジレンマ達が倒れていた。
「ジレンマ起きろ‼️何があった」
気絶していたのか微かだが反応はある。
「ジレンマ‼️」修羅は大声でジレンマを起こす。
「しゅらくん。。。どうしてここに」寝起きのような喋り口調でジレンマが答える。
「おい、誠、凛子はどこだ?」周りを見渡しながら修羅が問う。
「凛子さん?」
周りの騒がしさで平田さんも目覚める。
「貞治‼️貞治が。。。」
座敷から凛子と貞治が消えた。平田さんは座敷を飛び出して周囲を見渡す。
修羅と誠も加勢する。
だが視界の限界地には2人の姿はなく声がけにも反応がなかった。
「どういう事だ、なんで2人がいない、何も覚えてないか⁉️」修羅は皆に問う。
「ひと騒ぎあったあと、ここで皆んなでひと段落してて。。。」
「なんて事だ、さだはるやぁ~」平田さんはショックを隠せず、ただ何処を探せばいいのかも見当もつかない。
何もかに攫われたのか、それとも神隠しあったのか。
聖なる泉が流れる河口近くの村の通り
「お姉ちゃん、本当にここにとうちゃんがいるの?」
「。。。」
「勝手に出てきてじぃちゃんに怒れるょ。。。」
車の後部座席、凛子と貞治の姿はここにあった。
街灯もほぼない、一本道、ガタガタと音を立てて車は進んでゆく。
「修羅くん、京子ちゃんは?」
「。。。実は京子さんと2人であの村に行ったんだ。でもう少し探るから先に戻れと言われ戻ったらこんな状態」
「ジレンマさん、凛子さんの携帯はコールはするですが出ないです。」誠がジレンマに伝える。
「。。。てか、誠くん頭」
「頭?」
「凛子さんと離れてるのに痛みはないの?」誠もジレンマに言われ、思い出す。
「そういえば。。痛くないです。」
「どういう事だ。。。」ジレンマは首を傾げる。
「あまり頼りたくないが、仕方ない、修羅くん‼️誠くんを霊視してみてくれないか」
「一言余計なんだょ、普通に頼めないかなぁ」修羅は不貞腐れた態度で霊視を始める。
手首にしていた漆黒の魔が玉のブレスレットを外し、両手で挟み、ブツブツと念じ始める。
ジレンマはジャケットの内ポケットから丸メガネとりだしそしてかけた。
「久しぶりに犬神みたよ、このメガネで見ると迫力あるな」
誠にはうっすら半透明だが修羅の背後に黒い着物を身に纏った、巨大な黒犬が見える。
「誠くんもこのメガネで見てみる?」ジレンマがメガネを外し、誠に手渡す。
「なんなんですが、このメガネ」ジレンマから手渡されたメガネをかけるとより一層はっきりとその姿が見えた。
鋭い牙や輪郭そのものは犬だ、違う所と言えば人間と同じように背筋が垂直になっていて顔の部分だけが犬の顔になってる。
「そのメガネ呪物だからあまりかけてると目が潰れるから気をつけてね」
このメガネの由来事故により臨死体験をした少年がいた。死の狭間に足を踏み入れてから少年は霊能力がつき、いつしかそれは莫大な力になっていった。
あまりの霊力で日中夜関係なく霊を見、そして囁かれる。常に霊の存在を感じるようになった。あらゆる物の魂や訴えまでが頭の中に入ってくるようになり。常にノイズが鳴り響いている状態。
そんな環境で日に日に少年の精神は破壊されて、自らの手で眼球を潰して鼓膜を破った。
だがそれは意味をなさない行為であった。解決策ではなかったのだ。
目がなくとも、耳がなくとも。脳には映写され、囁かれる。そして少年は苦しみから逃れるため自ら命をたってしまった。遺品のこのメガネは少年の苦しみを追体験できる呪物となった。
「ジレンマ、おかしい事になってる」修羅が焦る口調でジレンマに伝える。
今回は犬神の力を借りて霊視してる為間違いはないだろう。
修羅の見たものとは。。。