飯塚「わかってくれたのかな? わかったんなら、もう2度と妊娠の話はしないでくれよ。変なが広まると困るんだよ」
A「やりたくなったら、連絡するからヨロシクね」
B「俺は今日あたりよろしく」
飯塚「だってさぁ。マナちゃん、つまらないことは忘れて、これからも俺たちと気持ちいいことしていこうよ」
「私――私――ウワァァァァ――」
マナは校舎へと続く屋上の扉を開けると、泣き叫びながら階段を駆け下りて行ってしまった。
「圭太、ダメだよ! 圭太っ!」
「――――」
アイツらを睨みつけ、震える拳を強く握りしめている俺を見たゆずきは慌ててそう言った。
「圭太、落ち着いて! ダメだからね!」
「ゆずき、ゴメン。もう我慢出来ねえ」
俺は、ゆずきの制止を振り切ってアイツらの元に歩き始めようとした。
「圭太っ!」
俺の名前を呼ぶ声と同時に、背後から腰に腕を回されて力一杯止められた。
「ダメだって!」
「ゆずき、ごめんな。いつもマナのことで迷惑かけて。でも、今回だけは許してくれ」
「行かせない! どうしても行くっていうなら、私を投げ飛ばしてでも行きなって!」
「ゆずき――」
俺はゆずきの腕を掴むと、傷つけないようにゆっくりと俺の体から離した。
「俺がボコボコにされても絶対に誰も呼ぶなよ。バレたらゆずきもマナも只じゃ済まないからな」
俺は振り返らずに、ゆずきにそう言った。
「でも――」
「ゆずき、あとは任せた」
そして俺は一歩一歩奴らに向けて歩みを進めた。飯塚「何だ、てめえは?」
「お前らに名乗る必要なんてねえだろ。でも、五十嵐マナのダチとしてお前らを許しておくことは出来ないんだよ。特に飯塚、お前はな!」
俺はそう言うと、飯塚の胸ぐらを掴み、すかさず殴りかかった。
ドカッ!
飯塚は顔面に俺のパンチを喰らって後方に吹っ飛んだ。
飯塚「何だ、てめっ」
ガッ!
ドッ!
俺は間髪入れずに、倒れてる飯塚の顔面を踏みつけた後、何度も何度も拳を打ちつけた。余りの突然の出来事に飯塚のダチのAもBも呆気にとられて、直ぐには助けに入れないでいた。
A「何やってんだ、テメエっ!」
B「このやろおっ!」
AとBが止めに入る頃には、飯塚の顔面は血だらけになり、グッタリしていた。
ドゴッ!
「うっ――」
ボコッ!
ガッ!
ドゴッ!
バゴッ!
ドスッ!
それから俺はAとBにパンチとキックで顔面と腹と背中をめった打ちにされた。途中何度も抵抗して殴り返したけど、押さえつけられてボコボコにされた。目はかすみ、意識も薄れてきた。でも、満足しているし後悔などしていない。飯塚だけでも痛い目に合わせることが出来た。
良かった――。