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ゆゆ

411
勇斗side
<食堂>
仁人「・・・何かな?」
勇斗「観察」
「気にすんな」
仁人「俺、植物かなにか…?」
「小学生の絵日記じゃないんだからさ…」
そう。今俺は、
この吉田仁人という男を
観察している。
観察…というかほぼストーカーだが。
こいつを見ていると妙に胸が痛むし、
あの子の事を頻繁に思い出してしまうから
その原因を捜索中だ。
勇斗「俺の事は気にせずどーぞどーぞ」
今は食堂で飯を食っている吉田仁人を
見つめている。
仁人「どーぞどーぞって言われても…」
勇斗「・・・(じぃー…)」
仁人「んふふ笑」
「大学生2人でなにやってんの笑」
勇斗「・・・あっそれ…」
仁人「ん?どうかした?」
あの子はすぐに赤くなる体質で、
血の巡りがよすぎる、とかだった気がする。
俺はそんなところが大好きだった。
笑うと耳の裏まで真っ赤になるとことか、
照れててもバレバレなところとか。
勇斗「真っ赤だ…」
仁人「真っ赤?何が?」
勇斗「耳、」
仁人「・・・あーこれね!」
「結構いるんだよ?こうなる体質の人」
「いじんないでよー笑」
勇斗「そ、そう、なんだ」
「結構いるんだ…」
仁人「・・・それじゃあ俺、もう行くから」
「またね」
勇斗「あっ、うんまた」
仁人が出ていく
勇斗「・・・やっぱ違うのかな」
「まっそもそも、んなわけないか」
「しーちゃんは女の子だし」
心のどこかで期待していた自分が
馬鹿らしくて、虚しくて、哀れだった。
そもそも、俺は会って何がしたいんだ?
言いたいことなんて、何も…
はやと《謝りたい…会って、謝りたいんだ…》
勇斗「くっ…」
俺は一体、何がしたいんだよ…
仁人「・・・危なかった」
「もう少しで、思い出しちゃう所だった」
「結局、覚えてなくて寂しいくせに、
思い出しかけたら逃げるなんて、最低だ…」
俺、勇斗くんに何をさせたいんだろう…
しーちゃん
《ちゃんと話がしたい…勇斗くんと…》
仁人「話、かぁ…」
「出来るかな、今の俺が、」
「女の子じゃ、しーちゃんじゃない俺が…」
仁人side
翌日
仁人「・・・どーしよっかな」
今、俺は完璧に困っている。
小さい頃から愛用していた
カメラがぶっ壊れた…
最悪だ、勇斗くんに貰ったものなのに…
仁人「うーん…」
勇斗「何悩んでんの」
仁人「うわっ!」
勇斗「うわって…」
「声掛けただけだろ」
仁人「あっごめん…」
勇斗「で?なーに悩んでんの」
勇斗くんは俺の目の前の椅子に座って
学食を食べ始めた。
仁人「えっと、使ってるカメラが
壊れちゃってさ…」
勇斗「そなの?」
仁人「うん」
「買いに行こうと思って」
勇斗「あーじゃあ俺も行きたい」
仁人「・・・え」
勇斗「ごめん嫌?」
仁人「いやいや!全然いいんだけど」
2人…で?
そんなに仲良かったっけ
勇斗くんの中の俺って…
仁人「2人で行くってことだよ…?」
勇斗「うん大丈夫」
「俺も買いたかったんだよねカメラ」
仁人「え!?勇斗くんも写真撮るの?」
勇斗「あ、違う違う笑」
仁人「・・・?」
勇斗「”葵扇”にあげんの」
「葵扇もカメラ壊れたらしくてさ」
「どんなのがいいか教えて欲しいんだよね」
仁人「あー…」
そりゃそうか…覚えてもない俺なんかと
遊び目的で行くわけない、か…
カメラに詳しい人だったから選ばれただけ。
それだけ。
・・・。
仁人「分かった」
「一緒に行こう」
「あ、ならLINE交換していい?」
勇斗「うん。大丈夫」
ピコンっ
仁人「あは笑」
「かわいいスタンプだね」
勇斗「・・・うん」
仁人「じゃ、またもろもろ送っておくね」
「俺はもう行くから」
「またね」
勇斗「また…」
俺はその場から足早に離れた。
勇斗side
勇斗「・・・あーあ」
「やっちまった…」
「ごめん葵扇」
本当は、葵扇のカメラなんて嘘だ。
どうしても行きたかったから
適当な嘘をついてしまった。
勇斗「彼女を嘘に使うなんて最低だよな…」
スタンプだって、あいつが
気に入りそうなのをいくつか買った。
勇斗「よくよく考えれば俺、
あんまり仲良くないのにキモイか…?」
「うーん…」
「一体どうしたらいいんだ…」
𝐞𝐧𝐝☕︎︎𓂃 𓅇
コメント
3件
うわぁ……もう、切なすぎるよ……😢💔 勇斗くんも仁人くんも、お互いに「覚えてる?」って聞きたくて仕方ないのに、一歩踏み出せなくてすれ違ってる感じが辛い。特に「しーちゃんは女の子だし」って勇斗くんが自分に言い聞かせてるところ、胸がギュッてなった……。でも最後の嘘、葵扇さんを言い訳にしてまで一緒にいたいって気持ち、すごく伝わってきたよ。 続きが気になる……!ふたりでカメラ買いに行くとき、何か変わるのかな🌙