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『蒼き空のセルフィア ―僕らの帰る場所―』
第2話
「揺れる空、揺れない心」
天空の丘 朝。
ちぐさ「昨日より濃い。」
空の黒い亀裂は、確実に広がっていた。
けちゃ「光の柱が揺れてる。」
あっと「地上の影響だ。」
ちぐさ「でも地上のみんなは関係ないよ。」
あっと「まだ、な。」
けちゃが静かに塔へ歩き出す。
けちゃ「今日も地上へ行こう。様子を見たい。」
あっと「……ああ。」
ちぐさ「うん!」
三人は光に包まれ、姿を消した。
日本 朝の教室。
あっきい「ちぐちゃん今日早くね?」
ちぐさ「ふふーん。」
ぷりっつ「なんやその余裕。」
まぜた「何かあったか。」
あっと「特にない。」
けちゃ「今日は風が強いね。」
あっきい「? 風?」
窓の外は無風。
あっきい「俺、なんも感じねーぞ?」
ちぐさ「気のせい!」
昼休み 屋上。
ぷりっつ「昨日のゲームさ、俺勝ったやんな?」
あっきい「いや俺だろ!」
まぜた「俺だと思う。」
あっきい「お前ら嘘つくな!」
笑い声。
そのとき。
空が、わずかに波打つ。
あっきい「……まただ。」
まぜた「何が。」
あっきい「空、変じゃね?」
ぷりっつ「今日は普通やで?」
ちぐさの表情が一瞬固まる。
あっとが立ち上がる。
あっと「今日は早く帰る。」
ぷりっつ「急やな。」
けちゃ「ごめんね。」
放課後。
駅前。
あっきい「今日も来ないの?」
ちぐさ「今日はダメ。」
あっきい「最近多くね?」
まぜた「……何かあるのか。」
ちぐさ「大丈夫!」
あっと「また明日。」
けちゃ「じゃあね。」
三人が歩き出す。
あっきいが少しだけ追いかける。
あっきい「ちぐちゃん!」
ちぐさ「なに?」
あっきい「……なんでもない。」
ちぐさ「変なの。」
人気のない道。
ちぐさが止まる。
ちぐさ「……来てる。」
空が歪む。
黒い筋が、薄く走る。
けちゃ「地上にまで影響が。」
あっと「急ぐ。」
三人の声が重なる。
ちぐさ・あっと・けちゃ
「ብብርሃን ተመሪሕና ናብ ሰማያዊ ዓድና ንመለስ」
光。
空が裂ける。
その瞬間。
物陰から、あっきいが顔を出す。
あっきい「……は?」
風が逆流する。
聞いたことのない言葉。
消える三人。
あっきい「ちぐちゃん……?」
光が消える。
何もない。
空だけが揺れている。
天空の丘。
亀裂がさらに広がる。
けちゃ「……聞かれたかもしれない。」
ちぐさ「え?」
あっと「気配があった。」
ちぐさの顔が青ざめる。
ちぐさ「どうしよう。」
あっと「まだ確証はない。」
けちゃ「でも、時間はない。」
空が、音を立ててひび割れる。
日本。
あっきいが空を見上げている。
あっきい「俺、夢見てんのか……?」
拳を握る。
あっきい「……明日、聞く。」
空は、もう誤魔化せないほど揺れていた。
第2話 終わり
次回「空を守る役目」