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瑠南
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天空の丘 朝。
空は静かだった。
……はずだった。
バキッ
空に走る黒い亀裂。
けちゃ「昨日より広がってる。」
ちぐさ「そんな……。」
あっとは黙って空を見ている。
遠くの空から黒い霧のようなものが溢れていた。
あっと「出る。」
ちぐさ「え?」
黒い霧が形を作る。
人の形。
でも影だけの存在。
けちゃ「影獣……!」
ちぐさ「もう地上まで影響が出てるの!?」
影が丘の地面へ落ちる。
ドンッ
あっと「来るぞ。」
影獣が唸る。
ちぐさ「守る!」
ちぐさの手が光る。
青い光が剣の形になる。
けちゃ「僕はサポートする!」
けちゃの手から桃色の光が広がる。
あっとは静かに前に出る。
あっと「下がってろ。」
影獣が飛びかかる。
ドンッ!!
あっとが影を斬る。
黒い霧が散る。
しかし――
影獣「グアアア」
消えない。
けちゃ「再生してる!」
ちぐさ「嘘でしょ!?」
あっと「核を壊す。」
影獣の胸に黒い光。
ちぐさ「そこだ!」
ちぐさが走る。
影獣の爪が振り下ろされる。
あっと「ちぐ!」
けちゃ「危ない!」
ドンッ
ちぐさ「大丈夫!」
影をすり抜ける。
青い剣が光る。
ちぐさ「はあああ!!」
ザンッ
黒い核が砕ける。
影獣は霧になって消えた。
静寂。
ちぐさ「……勝った?」
けちゃ「うん。」
あっと「だが一体だけじゃない。」
空の亀裂から、さらに影が覗いている。
ちぐさ「こんなの……。」
けちゃ「亀裂が完全に開いたら。」
あっと「丘は終わる。」
ちぐさ「……絶対守る。」
拳を握る。
ちぐさ「地上のみんなも。」
その頃 日本。
屋上。
あっきい「……。」
ぷりっつ「なんや元気ないやん。」
まぜた「寝不足か。」
あっきい「俺さ。」
二人を見る。
あっきい「昨日、ちぐちゃんたち見た。」
ぷりっつ「帰るとこ?」
あっきい「いや。」
あっきい「消えた。」
まぜた「……は?」
あっきい「空が割れてさ。」
ぷりっつ「夢ちゃうか?」
あっきい「俺そんな夢見ねぇよ!」
まぜたは黙る。
まぜた「……その時、何か言ってたか。」
あっきい「言葉。」
あっきい「聞いたことないやつ。」
まぜた「覚えてるか。」
あっきい「ちょっとだけ。」
空を見上げる。
あっきい「たぶん……」
言おうとした瞬間。
空がわずかに揺れる。
三人が同時に空を見る。
ぷりっつ「……なんや今。」
まぜた「揺れた。」
あっきい「だろ?」
あっきい「俺だけじゃない。」
あっきい「空、絶対おかしい。」
天空の丘。
亀裂がさらに広がる。
けちゃ「……地上と繋がり始めてる。」
ちぐさ「早すぎる。」
あっと「時間がない。」
ちぐさ「みんなに……」
言葉が止まる。
けちゃ「言えない。」
あっと「言えば巻き込む。」
ちぐさ「でも……!」
遠くで影が動く。
戦いは、まだ始まったばかりだった。
第3話 終わり
次回 「思い出せない言葉」