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これを見たそこの貴方
また新作出したなこいつって思いましたよね?
確かに新作ですがこれは少し違いますよ
読み切りです
黒歴史確定ですよもう
シリアスは苦手なので大目に見てください
誤字、脱字あるかもしれません
オリキャラです
GLっぽいところがあります
タヒの表現があります
それでもいい方どうぞ
人魚
伝説上の、おとぎ話に出てくる
上半身が人、下半身が魚の美しい生き物
そんな人魚の血を飲めば、不老不死になれるんだって。
本当かな?
そんなの、
飲んだ人しかわからないよね
その子は、いつも綺麗だった
ふと、隣を見れば
青いビー玉みたいなみたいな海色の目が夕日に反射していた
秋風に揺られる長い黒髪が、黄金色に光っていた
その髪に触れてみたい。
気がつけば
私はその黒色に触れていた
きみは、目を見開いてこちらをみた。
その驚きは、すぐに笑みへと塗り替えられて、
私の目をじっと見据えた
「なぁに」
鈴のような声で、彼女は私に問いかけた
私は、彼女に、
「貴方の髪に触れてみたかった」
と言った
心臓がうるさくて、破裂しそうだった
心が不安で埋め尽くされた
君は言った。
「貴方の目は、夕日、太陽にとても良く似て綺麗だね」
彼女は、否定せずにいてくれた。
それに、確かに私の目は山吹色だ。
私も、彼女に微笑み、こういった
「ありがとう」
そういうと、きみはにっこりと、太陽のように笑った
そして、また前を向いて歩き始めた
家に帰ってからしばらくすると、携帯がなった。
病院からだった
「はい、もしもし」
私は、電話をかけてきた相手にそういった。
電話の相手は言った
「◯□病院に来てください」
意味がわからなかった。
私は病院に行く予定もなかったからだ
「なぜですか」
そう言おうとした時 には、もう電話は切れていた。
私は、理由もわからず◯□病院へと足を運んだ
◯□病院に着いた後
なぜだか嫌な予感がした
くるんじゃなかった、
心の中でつぶやいた
そんな不安を無理やり断ち切るように
電話で聞いた声が耳に飛び込んできた
「お電話した方ですか?」
はい。
そう応えると
205と書いてある部屋に連れて行かれた
中に入ると、そこにいたのは。
青いビー玉みたいな目に、長い黒髪を持った
彼女がいた。
私は一瞬、夢でも見ているのかと思った
彼女はたくさんの管につながれて
ベッドに横たわっていた
搬送されたばかりなのだろうか
服にはまだ紅色のシミがついていた
私は思わず
看護師さんに問いかけた
「どうして彼女がここにいるんですか」
無意識のうちに声が強くなる
看護師さんは静かな声色で話し始めた
帰る途中に轢き逃げをされたらしい
私は、信じられなかった
と、後悔が募ってきた
どうして最後まで一緒に帰らなかったのか、
そんな事を考えるうちに
一つの疑問が出てきた
「どうして私を呼んだんですか」
通常、母等家族に電話をするはずだ
なのに。
この部屋には私と看護師さんくらいしか見当たらない
看護師さんは
ぽつりぽつりと語った
「搬送されている途中…まだ意識があった時…その、
貴方に電話をして欲しいと、…彼女が……」
なんで私を選んだのか、判らなかった
それでも。
私に託してくれたなら、救わなければいけない
「判りました」
覚悟を決めなければ。
と、そんな事を考えた後、看護師さんがこういった
「伝えたかった事は、きっと、これだけだと思います
もうお帰りになって大丈夫ですよ」
ありがとうございました
そう言って、家に帰った
図書館で
これでもかというほど
カラスみたいにみたいに本を読みあさった
そして、見つけた
もう、これくらいしかないと思った
人魚を見つける
これが私の目標になった
私はメモに
-人魚を見つける-
と書いた
海で
彼女に渡すネックレスの材料として、貝殻も拾いつつ
人魚を探した
海に潜って、岩をのけて。
人魚が隠れていないかと。
これを毎日続けた
もう、時間はない
でも。
わたしはふと思った
人魚なんて実在するのかと
いないなら、何になる?
彼女を助けられないのか?
考えることが嫌になって、逃げるように帰った
夜、こっそりと部屋を抜け出して海に行った
月の光に照らされて輝く水面が、愛おしく思えた
—ばしゃり
その音が聞こえた
こんな夜中に、私以外の人がいたのかとそちらに目を向ける
そこにいたのは。
「人魚…」
思わず小さな声が出た
月の色を吸い取ったようなクリーム色の髪。
美しく輝く青色の鱗。
宝石を埋め込んだかのような水色の目。
そこにいたのは、
人魚だった。
こちらに気づいていない。
そっと、鋭い面をもった貝殻を持つ
息を殺し、足音を立てないように後ろから近づいて
ざくっ。
赫色の液体が飛び散ると共に、嫌な音が聞こえた
もう、この海岸にいるのは私だけ。
「ごめんなさい」
せめて、誠心誠意謝った
「ねぇ」
私は彼女に話しかける
「…な、ぁ、に…?」
これを飲んでみて。
私は彼女に言った
「な…に、こ……れ、?」
彼女は不思議そうな顔をしている
そんな彼女に、私はこう言った
「貴方の怪我が治る薬だよ」
私は優しく彼女に微笑んだ
彼女はこう言った
「そっ、…か、…じゃ、ぁ……のんで、…みよっかなぁ……?」
ごくり。
彼女はそれを呑んだ
「あ、れ ?」
彼女は不思議そうな顔をした
どうやらうまく行ったらしい
私は彼女にこういった
「ごめんね」
そういった途端、喉の奥から熱いものがこみ上げてくる
目がかっと熱くなる
きっと、きっと彼女はこれを望んでいなかった
なのに
私利私欲で、それをした。
彼女はきっと、
自分のせいで誰かが死ぬことも
不老不死になることも
嫌だったんだろう
彼女は今、どんな顔をしているんだろう
彼女の方を見た
彼女は慌てて、私の目からおちる水を止めようとしてくれている
あぁ
なんて
なんて優しい子なんだろう
私利私欲のために自らを化け物へと変えたもののことを、思ってくれているんだから
夕日は、
太陽は、
もうとっくに堕ちてしまったよ
fin