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2人で励まし合えれば、きっと俺は人間的にも成長して、カメラマンとしても経営者としても、もう一段階上に行ける気がするんだ。
それくらい、恭香には…
魅力がある。
人間としても、そして…
女性としても。
いろいろ考えながら支度をして、俺は部屋を出ようとした。
その時、恭香が俺に言った。
『朋也さん…昨日は本当にありがとうございました。あなたが居なかったら、私…』
その切ない表情に、たまらず俺はまた恭香を抱きしめた。
もう二度とあんな思いはさせない。
『これから先も、何か辛い時、何でもいいから俺に言ってくれ。一緒に悩むし考える。俺は、恭香の笑顔を毎日見ていたい』
本当に…
俺は、お前の笑顔が好きなんだ…
『はい、ありがとうございます。そうですよね、毎日笑っていられたら…私も嬉しいです。頑張りますね、仕事。朋也さんやチームのみんなで一緒に成功させたいです』
『ああ。必ず成功させよう』
俺は、恭香とマンションを出た。
会社に入るなり、一番に社長室に向かった。
ことの全てを報告するために。
父さんは、石川の代わりに俺にディレクターを任せると言った。
もちろん言われなくても俺が志願したが。
父さんには、俺の思いが通じるんだな。
母がいない分確かに寂しい時もあったが、それでも、小さな頃から家にはお手伝いさんやいろいろな人間が出入りしてて…
俺は、みんなに守ってもらってた。
ただ、身内としては…ずっと父さんと2人で支え合って生きてきた。
だから、お互い信頼が厚い。
『父さん、すみません…いろいろ心配かけて。その分、彼女と一緒に成長します。会社に相応しい人間になれるよう』
『楽しみだな。まあ、待ってるよ』
俺は頭を下げ、部屋を出てミーティングルームに向かった。
もう、みんな集まっていた。
絶対にこの仕事、成功させる。
恭香のために、父さんのために、チームのために…そして、自分自身のためにも。
そこには恭香の笑顔があった。
それだけで…俺は…嬉しかった。