コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
🔵
『…グズッ…樹のばか…もう嫌い 』
「ごめんって…」
俺はジェシーの大きな背中を撫でながら嘆く。
こんな事になったしまったのは、俺のせいだけど…
〜1日前〜
昨日は、きょもとの雑誌の撮影だった。
『おはよ!樹』
「おはよーきょも」
楽屋につき、きょもの正面に座る。
『最近ジェシーとどう?』
「まあいい感じにやってるよ。」
そう言って適当に話を流す。
ジェシーとの事をきょもも聞きたいだろうけど、きょもとの2人きりの話がしたかった。
誰も巻き込まずに。
「てか飯行かね?」
気づくとそう言っていた…というより、そう言いたかった。
『え?俺はいいけど…ダメでしょ。ジェシー』
「大丈夫だよ。秘密にするから。」
どうして…こんな事を言っているんだろう。
ジェシーの事が大好きな筈なのに、
きょもには、恋愛感情なんてもっていないのに、
『いや…やめとくよ。悪いよ。』
「いいじゃん!行こーよ」
『え…じゃあちょっとだけね?すぐ帰るよ。』
「おっしゃ!飲もうぜ」
この食事の予定に、俺はとても心が躍った。
雑誌の撮影中も、その事しか頭になかった。
「『かんぱーい』」
俺は弾んだ声で乾杯をする。
一方きょもは、少し浮かない顔をしていた。
『やっぱりダメだって。ジェシー悲しむよ 』
「いいんだよ。ちょっとくらいね」
『ん~。まあいいや。いただきます。』
少し不貞腐れた顔をしながらおつまみを食べるきょもの顔を見つめる。
伏した綺麗な目が、少しだけ伸びた前髪から覗いている。
「綺麗…」
俺は思わずそう口にしていた。
『ん?なんて?』
「ううん。何にもない。どんどん飲も」
俺はきょもをなだめて、どんどんお酒を飲んだ。
いつもは19時には家に帰るようにしていたが、今は22時。
きょもも俺も大分と酔っていた。
「じぇしーただいまぁ」
ほてった顔で帰りを告げると、ジェシーは飛んできた。
『樹!どこ行ってたの!』
言わないつもりだったが、酔っていたせいで、つい口に出してしまった。
「きょもとのんでたぁ」
『え…』
ジェシーの絶望した声が聞こえてきた時、俺は正気になった。
「あ…ごめ…」
『ふざけんなよ!なんで…』
そうして、ジェシーは大きな足音を立てて部屋の奥へと入っていった。
㊗️10th anniversary💎!