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ドテッ……カランコロン…
投げた石は見事店員の頭に命中した
店員はゆっくりとこちらを向く
目は血眼に、辺りはこれから王族が通るかのように、冷たく静かな空気が広がっていく
店員はその静寂を壊すように大声を出した
店員)この、クソガキがァァァ!!
店員は少年にドカドカと足音を立てて近づいていく
そんな中…少年はピクリとも動かない
店員が少年の前に立ち、少年の服を片手でがっしりと掴む
店員)オラァ!!貴様何ボール投げとんじゃわれぇぇッ!!俺を怒らせたらどぉなるかァ、思い知らせてやるわぁぁぁッ!!
店員が少年を殴ろうと、右手を振り上げた__
ふわっと、風がなびいていく不思議な感覚が店員を包むと同時に、腕と背中に重力を感じた
だが、その感覚はすぐに消えていった
すると、突然少年の姿が店員の視界から消える
さっきまで片手で掴んでいたはずの少年はそこにはおらず、服の切れ端だけを掴んでいた
店員)なんだァッ!?どぉこに行きやがったァ!!
タタン___
店員の背後から何かが地面の上に立った音がした
振り返ると、そこには少年の後ろ姿があった
少年)ふ〜、あっぶなーいところだった。
店員)貴様、いつの間に…ッグハッ!?
少年は店員に華麗な蹴りを入れる
店員は唐突のことに対応出来ずよろめき、円上になっているロープの上に立った
店員)てめぇッ!よくも俺様を蹴りやがったなッ!!喧嘩売ったことを後悔させてやるわァッ!!
今にも飛びかかってくる
少年)まぁまぁ、そういうことは僕の罠に気づいてから言ってくださいよね
少年は手に掴んでいたロープを全力で引っ張る
店員は足元にあったロープに捕まり、大胆に転ける
店員)なんだぁッ?!おいクソガキぃ!!一体何しやがったァ!!
少年)うーん、そうだな〜
少年は少し考える
口元に手を置き、言葉を放つ
少年)…教えなーーい!!
少年はそう言い、お店に置いてあるパンをカバンの中に詰め込み走り去っていく
店員)おいゴルァァァァ!!待てガキぃぃぃぃッ!!
「へっへーん、今日のご飯ゲット〜!あいつ、足元にあるロープに気づかなかったのが隙だったな! 」
俺が持ってるロープは店員の足元にあったロープと繋がっている。つまり 俺がロープを引っ張れば円が小さくなっていくわけだ
そしてロープはあの石を詰め込んだダンボールにつながっている
重すぎて立ち上がろうにも立てないし、もし仮に立てたとしても重すぎて歩けないっていうね
あのバカをどうにか円の中に連れ込むために、石を投げて俺に注目させた
そして俺は一切動かず、あのバカが来るのを待ったんだ
まぁ、ちょっと円から出てたから蹴っちゃったけどね
服掴まれた時はどうしようかと思ったけど、手元にあったナイフで服を切ったんだ
そして店員を踏んで上に上がり、後ろに立ったってことだ
あっちからしたら俺が急にいなくなったように感じるっていうトリックさ
えっ?ナイフで刺せば良かったじゃないかって?
うーん、なんと言うか、人殺しは良くないだろ?