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#ミステリー
鬼霧宗作
686
みおん
5,211
友和が部屋へ戻り「お兄ちゃんさぁ。元気なかったけど?」
沙和子が口を開いた。
「そうね……。ご飯も食べてないから心配だわ。あ、あなた」
和虎さんがリビングに来た。
「ああ。何かあったのか?」
ソファーに座って、録画している映画を選んでいる。
「友和がすごく落ち込んでて……。どうしましょう……?」
「ああ。そっとしておいてやれ」
本当に口数の少ない人ね。
どうしましょう。
少し話を聞いたほうがいいかしら?
余計なお世話だと思われちゃうかも……。
「学さんの家に行ってたんでしょー。学さんのお母さんになんか言われたんじゃない? あの人キレるとヒス起こしそうだし。息子がいなくなったのはあんた達のせいだーとかさ」
「やめなさい、沙和子。人様の家をそう言わないの」
でも思い当たるところはあるわ。
友和が高校生の時、一度思い込むと止まらないモンスターペアレントで有名だったから。
旦那さんを事故で亡くしてから、とても過保護になってしまったって噂されてたわね。
「あたし部屋で出かける準備してくるね!」
沙和子が立ち上がる。
「わかったわ。沙和子」
沙和子が戻った後に、和虎さんの隣に座る。
「あなた。今見てるのはなんの映画?」
「シャッターアイランドって言う映画だ。保安官2人が孤島にある精神病院の行方不明者を調査するんだ。そこの病院で、実は患者が洗脳されてるんじゃないかと疑心暗鬼になりながら暗号を解き、島の真相を探っていくんだ。前に見たことあるが、面白い映画でな」
「怖い話ねぇ。また暗い映画を見て……」
「誰も信じれなくても家族……俺たちは別だ」
和虎さんが呟く。
「そうね!私たちなら大丈夫よ。友和もいつか元気になるわ。」
和虎さんの肩に頭を乗せ、一緒に映画を見た。
初めてデートしたあの頃の……。
映画館のときのように……。
コメント
3件
わあ、このエピソード、すごく静かだけど心に染みた…。和虎さんの「誰も信じれなくても家族は別だ」って言葉、重みがあったなあ。シャッターアイランドの話をしながら、実は二人の距離を確かめ合ってるみたいで。最後の「初めてデートしたあの頃の映画館」って回想が切なくて、でも温かかった。友和くんの落ち込みも気になるけど、夫婦の絆がじんわり伝わってきて、いい話だった…。