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Kn side



水のようなものを飲んでからどれくらい経っただろう。

手足が空に浮いて気持ち悪い感覚。

そんなことを呑気に考えていれば、俺は胃から込み上げて来るものを吐いた。


Kr「きんときッ?!?!」


あぁ、これはただの毒薬じゃ無さそうだ。

道端で血を吐くなんて思いもしなかった、俺は膝から崩れ落ちた、意識はある、周りに被害が及ぶ前にあの店を潰したい、意外に窮地に立った時ほど俺は冷静な性分らしい。


Kn「ぁ゙……ころ゙す…。」


店をすぐ出てだ、このくらいの距離なら戻れると思ったが、そうもいかないようだ、出血がやばい、貧血になってすぐ死んじまうよ。

カタカタと震える手で銃を構えた。

この市場で阿片を取り扱うのは禁止だ。

俺は目がいい、大丈夫、阿片がなんだ、薬なんかに負けてられっか。

血を吐きながらあの店の店員が出てくるのを待った。


Kr「きんときッ!、帰るぞッ!!!」


うるさい、そう思っていれば先程の店員が出てきたのでバン、と乾いた銃声がこの賑やかな中華街に響き渡った、恐らく店員は即死だろう。

店員が後ろに倒れたことを確認すれば、俺は道に倒れ込んだ、きりやんが何か言っているが聞こえなかった。




???side


才能なんて無い、全部努力だ。


の様に純粋な心なんざ持っていない。

牡丹の様に王者の風格なんて持っていない。


の様に離れゆく愛に耐えられる心は無かった。


桔梗の様に変わらぬ愛 なんて持っていない 。

菖蒲の様に信じるものは報われるなんてそんな甘い世界じゃない。


幼いころに双子の彼が連れてかれてからずっと、ずぅーっと復讐に燃えていた。


双子の彼が助けてくれと救いを求めても俺は何も出来ず、何度自分に銃を向けた事か。


才能あるやつには理解してもしきれないんだろうな。



やっと


やっと、


やっと、、!!

手に届く幸福が来たと思えば彼は俺を忘れているこの絶望。

もう、本当にどうすればいい……。

夜の中華街は賑やかで。

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