テラーノベル
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ズボン越しに擦られるたび嬌声が漏れそうになるが、全てふさがれた渉の口に呑み込まれる。吸われて歯列をなぞられ、すでに何も考えられず、思考はドロドロに溶けきっていた。
呼吸の仕方さえ忘れた俺が、息苦しさに背中を叩こうとしたとき。溶け合った唇がゆっくりと離れた。鼻で息を吸うことさえも忘れていたので、一息に肺へ冷たい空気を流しこむ。
俺が呼吸を数度繰り返してようやく落ち着きを見せると同時に、渉の唇が頬にあたる。そして、左目、額、もう一度頬、首筋、耳とキスの雨を降らしてきた。可愛いリップ音にくすぐったさを感じて声をあげたが、彼の手が股間を撫でたことによって、それも息をのむ音にすりかわる。
なおもやんわりと撫でてくる痺れに耐えきれず、渉の手を掴むことで阻止しようとした。しかし止められたと思った彼は、手がダメならと今度は膝を押しつけてくる。
「わ…わた……ちょ……やめろ!」
「興奮してるね……」
「ヤバい……から、本当に……止めて……」
なおもしつこく触れてこようとする渉を睨みつけようとしたとき、視線が正面から交わる。
そんな顔で、俺を見ないでくれ。俺は……俺がおかしくなる。そう思った瞬間、渉が口を開いた。
「抱きたい」
「え?」
「抱きたい、あんたを……」
しばらく何をいっているか理解することが出来なかったが、三度目に「抱きたいんだよ、鳴海さんを……」と言われて、ようやく脳が意味を解読してくれた。
普通男が男に抱きたいと言われたら、冗談かと思ってしまうだろう。だが彼の瞳はただひたすら真剣で、それだけでこいつがどれほどの期待と喜びを持っているかが察せられた。
その感情がわかるからこそ、こいつが嬉しいことを全部したいと思うのは好きという感情なんだろう。俺は渉が好きなんだ。好きなんだ。
「抱きたい、鳴海さんを」
もう一度濡れた声で囁かれれば、断る道理なんてみつからなかった。俺はその瞳に、掠れた声で答えてやる。
「……いいぜ」
その刹那、渉の体が背後から押し倒してきたので、床に背中を打ちつけると身構えた。しかし、実際は背中を支えられて、ゆっくり倒してもらっていた。
天井を視界にいれながら、俺は仰向けにされた。見上げる状態から渉を見れば、着ていたディーラー服の胸元にあったリボンをむしり取り、そこらへんにほおる。そして上気した顔で覆いかぶさってきたとき、俺はそこで「ちょっと待った!」をかけた。
「ここで、生殺しとかなしだよ!」
「違くて、鍵!」
「鍵?」
「扉の鍵……かけてくれ」
顔をそらしながら唯一の悩みを打ち明ければ、渉も今気付いたように俺から離れる。扉に近づき、下におろすだけの鍵をかけた。ガチャンと、乾いた音が教室に響く。
振り返りこちらに戻ってきた彼に熱いキスを与えられ、ボタンを外されながらこの捕食者のような男に、体をゆだねた。
ぬいぬい
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コメント
1件
あらすじから一気に距離が詰まって、もう息が止まるかと思った(笑)。渉くんが「抱きたい」って真っ直ぐ言っちゃうとこ、鳴海さんの心の声も相まってすごく刺さるわ。鍵かけるところでちょっと現実に戻る感じもツボだった。このふたり、ついにここまで来たんだな……続きが気になりすぎる🔥