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好きだからこそ

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好きだからこそ

12 - 第11話

♥

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2024年03月23日

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※ジョングクくん目線です。


…あの二人、本当にもどかしい。


「ホバ、キムチ食べる?」

「食べたいです!」

「じゃあ、多めによそってあげる〜」

「ありがとうございます!…あ、手伝いますよ」

「んー、良いよ。もうすぐ終わるし」

「…そうですか?ごめんなさい…次からもう少し早く気付けるように心がけます」

「やぁー、大丈夫大丈夫」


…ジンヒョン、分かるじゃん。ホビヒョンはジンヒョンと一緒にいたいんだよ。なのに、ジンヒョンは何を考えているのか、ホビヒョンを遠ざけている。…僕に牽制してきたのは何だったんだよ。何かムカついたから断っちゃったけど。てか、キスしたいって言っておいてこの態度って…冗談はその顔だけにしなよ。


「…ホビヒョーン、これ見て欲しいです」

「ん?どれ……うわっ!」


ぐいっ…ぎゅう〜……


「…何?」

「これとこれ、どっちもデザインが好きだから悩んでるんです。どっちが良いと思いますか?」

「………どっちも似合うと思うけど……てか、離してよ」


ジンヒョンがそんな態度のままなら、我慢してあげる必要ないよね?ホビヒョンを呼んで、近付いてきたのを良い事に素早く足で捕まえて更に抱きしめる。ホビヒョンはほぼ抱き枕状態だから動けないだろう。勢いが良すぎてソファに寝転んじゃったけど。


「選べないからヒョンを呼んだのに…」

「携帯が近すぎて見えないよ……」

「僕は見えます。ね?ジンヒョンだって見えますよねー?」

「………近すぎると思うけど。あんまり近くで見るのは目にも良くないし、やめなよ」


お、あれは嫉妬してるな…ムスッとした顔で僕を睨んでくるジンヒョンに少しヒヤヒヤするも、あえて何も気付かないフリをする。良いの?そんな遠いところで分かりにくい牽制、この鈍感なヒョンが気付くわけないじゃん。


「…ホビヒョン、痩せました?」

「ぇ………何、怖いんだけど?」

「何か、抱き心地が……良い匂いに変わりはないんですけど、ウエストが…こんなにくびれてたっけ?と思って」

「…別に体重は変わってないよ。最近の柔軟、ウエスト結構捻ったりするし、それでじゃない?」

「あぁ〜、なるほど」

「……グガ、ソファで寝転がってたら他の人が座れないでしょ」

「まだ僕たちしかいないですもん。来たらどきますよ」


さっきよりも口が引き攣り、眉間の皺も増えてる…のに、ホビヒョンには何も言わないんだ。…怒られるの覚悟でやってみるか?


「ねぇ、ホビヒョン」

「今度は何だよ……」

「ヒョンの…口に付いてるホクロ、良いですよね」

「………急に何?」

「何でもないですよ。ただ、気になるだけ……」

「……顔が近「顔近すぎ」…ジンヒョン……」

「その距離感は可笑しいでしょ。気を許しすぎじゃない?…ホバ、聞いてる?」

「………え、僕?」


ホビヒョンとおでこをくっつけ、じっと顔を見つめていれば、流石のチキンも動かずにはいられなかったようだ。ホビヒョンの口を手で遮り、怒気を含んだ目で僕…と、ホビヒョンを睨むジンヒョン。ホビヒョンは、まさか怒られるとは思っていなかったようでポカン、とした顔をしているが、いくら何でも無防備すぎだとは思う。


「どう考えたってお前でしょ。弟の暴走を止めるのが兄の役目でしょうが。それを許したら何でもアリになるでしょ」

「何でも……そんな事は「あるでしょ」……」


…仕掛けたのは僕だけど…こってり絞られ、すっかり眉毛を八の字にして、口を閉ざしてしまったヒョンに流石に可哀想な事をしてしまったなと反省する。


「……ホビヒョン、僕、少し近すぎましたね……ごめんなさい」

「……ううん……次からもう少し離れてくれれば大丈夫……」


…ホビヒョン優しいな…ジンヒョンから怒られて萎んでるのに僕には当たらないんだもん。未だにへにゃへにゃしてるホビヒョンを慰めようと腕に力を入れて抱きしめれば、ジンヒョンが引き剥がそうと僕の腕を掴んできた。…さっき怒られたばかりだけど、煽ってやろ。


「何です?」

「いや、離しなよ」

「嫌です。ホビヒョン嫌がってないですし、僕も嫌じゃないですもん」

「いつまでその状態でいるんだよ!そんなずっとくっついてなくたって良いだろ!」

「何で、ホビヒョンにくっついてるのをそんなに嫌がるんです?理由があるならまだしも、ただ離れろだけじゃ理不尽ですよ」

「ぅ………っ、ホバは、僕の恋人だから…メンバーでも、そんな風にくっついてるのを見ると……腹が、立つから…離れて」

「はぁーい!てか、ほぼジンヒョンが悪いですけど、ホビヒョンも大概ですよ」

「………え、僕?」

「そうですよ。恋人がいるから離れてくらい言ったって良いのに。僕はそんな程度じゃ傷付かないですし凹んだりもしません」

「………あんまり、それで遠ざけるのは、良くないと思って………」


ジンヒョンは、断固として譲ろうとしない僕にいよいよ観念したようだ。口籠もりながらも、はっきりホビヒョンの前で言ったので仕方なく言う事を聞こうじゃないか。そしてホビヒョンは、あまりひけらかさない方が良いと思っていたから黙っていたようだ。…そんな事してたら、この嫉妬魔人が悪化するぞ。


「……僕、部屋行きますね。まだ、他のヒョンたちも来ないでしょうし、二人きりなんですから、いい加減に進んで下さいよ?」

「!?、ちょ、ちょっとグガ……!」

「……さっさと出てけ」

「はいはい。それじゃあ、健闘を祈ります」


パタン……


これだけ言ったんだ。これで結局何もなかったなんて事があったら、ジンヒョンの首を絞めてやろう。…ホビヒョンには、擽りの刑だな。

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