「健闘を祈ります」
パタン……
…健闘を祈られた。あいつの心は鋼で出来てるのか?さっき、結構キツく怒ったつもりなんだけどな……グガの出て行ったドアをぼんやり眺めていると、キッチンから鍋の蓋がカタカタと揺れる音が聞こえてきた。そろそろ沸騰しそうだから火を弱めないと……
「ジ、ジンヒョン…」
「ごめんホバ、吹きこぼれちゃいそうだから、火を弱めてくるね」
「ぁ……はい……」
カチッ……
「ごめん、何か話そうとしてたよね?」
「ぁ……そ、その……ごめん、なさい………」
「…え?何でよ……」
「だ、だって……ヒョン、怒ってたし……確かに、近すぎるとは…思ってた、から……」
「……あぁ……いや、ヒョンも強く言いすぎちゃったよね」
何だかモジモジとしているホバをそのままに火を止めてから戻れば、ところどころ口籠もりながらも謝罪が聞こえてきた為、やってしまったと思い、慌てて謝罪を返す。そうだよね、結構キツく言っちゃったもんね…ホバの反応が正しいんだよね?じゃあ、やっぱりあのマンネはどうかしてるんだな。やれやれと思いながらホバの隣に座れば、急に体育座りをし出した。…もしかして、怖がられてる?
「…そんなにだった?」
「い、いえ、そんな事は……」
「…もう怒ってないよ。こっち向いて?」
「……本当に?でも、さっきのは良くなかったなって自分でも思いますし……」
「思ってるなら大丈夫だよ。てか、思わなかったら困るよ」
「……思った……」
「じゃあ良いよ。次から気を付けて」
やっぱり、さっき怒られた事が相当強く残っているようだ。…まぁ、あんな怒り方滅多にしないもんね。でも、仕方なくない?僕だって、あんな近くにいれる事ないのに…しかも、目のつける場所がやらしいんだよ。何だ、唇の黒子って。それは僕だけが見れれば良いだろ。ホバの顔から唇の黒子のみに目を移せば、薄いながらも艶があり、ふっくらとしたピンク色の可愛いハート形の唇も一緒に見え、とある感情が込み上げてくる。……今、キスするのに丁度良いんじゃない?誰もいないし、健闘も祈られたし…仲直り?もしたし。
「…ジンヒョン」
「…ん?」
「僕の顔に何かついてます?」
「……目と鼻と口?」
「違いますよ…あんまりじっと見ないで下さい」
「……何で」
「……慣れてないし……恥ずかしいから……」
…めちゃくちゃ丁度良いじゃん。照れてほんのり頬をピンク色に染めながら唇を尖らせて話すホバに、もう目線が唇から動かない。…これは、言うしかない。言わなきゃ、男じゃない!
「……ホバ」
「…はい」
「嫌だったら良いんだけど………すぅー…はぁー……ごめん、ちょっと気持ちを落ち着かせたい」
「?、はい……」
「ふぅー………良し。……嫌だったら、良いんだけど…もし、ホバが良いなら……キ、キス、したい………」
「……………キ………へ?」
「……駄目?」
更新が遅くなり申し訳ありません。
このお話も、次回…次々回には最終回を迎える予定です。
まだ、少し先の話ではありますが、このお話が終わったら、次はどんなものにしようか…と悩んでおります。
もし…こんなのはどう?というのがありましたら、ご意見いただければと思います🙏
(期待に添えませんでしたら、申し訳ないです)
コメント
4件
お茶さんの作品は展開とか分かりやすくてとても楽しく読ませていただいています🙇♀️ 次回作…私が案を出して良いのか分かりませんが、取り敢えずホソクさんが下であれば……、けど、クサズ以外のペアでも全然好きですので!ほんとにお茶さんの好きなように……結局案を出せずにすみません🙇♀️💦