🍌視点
自分に残された時間はあと1週間。
人はいつか死ぬ。
それが自分は早かっただけ。
別に悲しくはない。
自分のことを
待っていてくれる人は居ない。
自分のことを
心配してくれる人も居ない。
自分が居ても居なくても
何も変わらないのだ。
ただこの世からさよならをするだけ。
たったそれだけだから
きっと大丈夫。
何も恐れることはないし
心配することもない。
そんなことを考えていると
ドアがノックされた。
ゆっくりゆっくり開いたドアからは
1人の医者が顔を覗かしていた。
そして自分と目が合えば
ベットの横にイスを持って近寄り
☃「今日から君の担当になりました
おらふくんって言います。よろしくね!!」
そう元気に言って手を差し伸べられた。
☃視点
今日から新しい患者さんの
担当を受け持つことになった。
どきどきわくわくしながら
先程医院長から手渡された
資料に目を通す。
僕は驚いた。
☃「あと1週間だけ…。」
この患者さんは
余命宣告を受けていたのだ。
僕は居ても立っても居られず
急いで患者さんの部屋に向かった。
1秒でも早く会いたかったのだ。
ノックをし部屋の中を覗いてみれば
1人の青年が窓の方を見ていた。
僕はベットの横にイスを持って
近寄り腰掛け
挨拶をし彼に向かって手を伸ばした。
彼はびっくりしたのか目を丸くさせ
おどおどしながらも手を伸ばしてくれた。
僕は通常の仕事とは別に
カウンセリングの仕事も行っている。
死という未来への現実に
彼と一緒に向き合っていくのも
僕の大切な仕事だ。
☃「単刀直入に聞いちゃって
申し訳ないんだけど心臓の病気で
余命宣告を受けたんだよね…??」
と聞けば彼は小さく顔を縦に振った。
☃「それで死ぬことに対して
どう思ってるのか聞いてもいい…??」
彼は少し間をおいてから話し始めた。
『自分は死ぬことに対して
何も思ってません。
自分が居なくなったところで
誰も悲しまないし心配もしないので。』
と彼は言ったが
本当はとっても怖いんだと思う。
自分で言うのもあれだが
僕はカウンセリングのスペシャリストだ。
患者さんの少しの変化も見逃さない。
揺れ動く瞳の奥も。
☃「怖いときは
怖いって言ってもいいんだよ。
僕は君のこと心配してるからね!!」
🍌視点
心配してるだなんて
きっと所詮は口だけだろう。
きっときっとそうだ。
今までだってそうだった。
だから自分は
この人のことを信じられない。
残り6日。
2000♥↑
コメント
4件
こういう小説大好き……🥹 どんな展開になるか予想できないし続きが楽しみすぎる😭💓💓 だいずたんお疲れ様‼️最高です👍🏿💗
小説投稿お疲れ様でっす🥹 待ちに待った小説は体に染みますなぁ🫠 次も楽しみにしてます( *´꒳`* )