🍌視点
☃「おんりーおはよう!!」
と朝から騒がしいのは
昨日から自分の担当になった新しい先生。
☃「おんりーしっかり寝れた??」
『はい。ぐっすりでした。』
☃「…嘘でしょ。
僕は天才カウンセラーだから
なんでもお見通しだからね!!」
嘘をつこうものなら全部ばれてしまう。
カウンセリングを得意とし
洞察力も鋭い。
昨日あまり寝れなかったのも事実だ。
☃「怖い夢でも見た??
今日は夜ご飯のときに薬持ってくるね!!」
と大きなトレーに乗った
朝ご飯を持ってきてくれた。
『…いただきます。』
と手を合わせ
ご飯を口にはこんでいれば
急に隣で大きな声を出す先生。
☃「あ!!!…忘れとった…。」
だんだん青くなっている先生に
どうしたのか聞いてみれば
☃「医院長に呼ばれてたんだった…。
ぼ、僕行ってくるから
しっかりご飯食べて薬飲んで待ってて!!」
と部屋から出ていった先生を横目に
薬を手に取りゴミ箱に捨てる。
『…どうせ生きられないのに…。』
こんなの飲んだところでどうせ死ぬのだ。
魔法がかかってなければ
今の自分の前では薬は意味をなさない。
飲むだけ無駄なのだ。
☃視点
医院長に呼ばれたことを思い出し
部屋を後にしようとしたところ
部屋から物音がしたため覗いてみる。
そこには薬をゴミ箱に捨てる
おんりーの姿があった。
そして1言
どうせ生きられないのに
と呟いた。
昨日もそうだったが
おんりーは死ぬことに対して
何も感じていない。
たしかに生きることは
厳しいかもしれない。
ただ最後の最後まで
精一杯手を尽くすのが医者の仕事だ。
僕は僕なりの仕事をするだけ。
今僕は何も見ていない。
おんりーの気持ちが
1番大切なのだ。
僕は見て見ぬふりをした。
それは医者として
してはいけないことなのは分かっていた。
おんりーにどんな顔をして
合えばいいのだろうか。
僕は1日おんりーの目を見て
話すことができなかった。
残り5日。
2000♥↑
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