夏になるとテレビではホラー特集などが放送される 今は梅雨だけど編集部では怖い話やゾッとする映像などの話で盛り上がっている
基本的に幽霊は信じないけど霊媒師などの職種がある以上幽霊は実際にいるのではないかと最近思うようになった
「前川くん、私が新しく作るテレビ番組を心霊スポットや怪奇現象系にしてみようと思う だから協力して欲しい」
僕の仕事はレポーター 要するに怪奇現象が起こると言われているところに現地取材してこいと言われて今電車でそこに向かっている
場所は〇〇県〇〇〇市の山の中 そこにはどうやら廃校になった小学校があるらしい ネットで調べてみたらそこまで有名ではなく、そこ周辺で遊んでいた9歳の男の子達が急に親に抱きついて「コワイモノミタ コワイモノミタ」と言う…って書いてあったけど霊媒師さんが来てもなんともないって言ってたらしいし…もう取り壊してあるかもしれない なんせ山の中だからあまり人は見かけないし…まるでシュレディンガーの猫状態みたいだな…
「ええっと…確かTVディレクターから送られてきた画像が…あ、これだ」
この絵は確かそのコワイモノを見た少年が描いた絵だよな か…顔?の隣にあるのは手か?蜘蛛みたいだな…血とか垂れてて目は流血してるし… 人間だったら助けを求めていたかもしれないし、幽霊だったらただ単に気味悪いし 人間だったらまず〇体があるだろうな…考えるだけで吐き気がするな…もうこの絵を見るのはやめよう…
山の中に着いた 腕時計は午前2時を指している スマホのライトだけの光の量じゃさすがに足りないな、懐中電灯でも持ってくれば良かった…
「うっ…なんか臭い…まさか〇体か?」
アンモニアのような鼻にツンとくる香りではなく、生ゴミの腐敗臭のようだ なんとか悪臭に耐えながら暗い森の中を進んでいく そうしていたらいつの間にか着いていた。〇〇〇市の山の中という情報だけだったけど案外着くもんだなーと呑気なことを考えてしまう
「これが廃校か…こりゃあ随分と気味が悪いなんか…普通に蜘蛛の巣とかあるし、建物の周りのツタもすんごい量だ んで目的のええっとなんだっけ?コワイモノ?はでてくるんかなー」
とりあえず写真でも撮ろうと思いカメラを構える できれば早くこの気味の悪い場所から抜け出したい…でもこの中に入らないと怒られるんだよなー… 入りたく無い気持ちと入らなきゃと言う湧いてくる使命感と戦っていると
ポツン
一雫、僕のカメラに水滴が落ちてきた そう思った途端またポツポツと雫が落ちてくる 確か天気予報はずっと晴れだったはず…
「クソっ なんでこうゆう日に限って降るんだよ とりあえず雨宿りできるところを探さないと…」
雨宿りできる場所 あそこにしかない…コレは神からの使命なのかまたはイタズラかわからないけど僕に入らないと言う選択肢はなかった
ギィィィィィィィ ドン
扉は重く、もう何10年と使ってないことがわかる 前に調べた記事ではこの小学校が廃校になったのは確か2008年と書いてあったはず…今は2024年だから結構前だな…校内を見てみるとそこにはゴミが溜まっていた 匂いの正体はこれか…あれ?最近発売された菓子パンがある こっちには食べかけの食パンの耳まで…嫌な想像が頭の隅に浮かんでくる まさか、な…ははは…
菓子パンや他のゴミの消費期限を恐る恐る見てみる そこには消費期限 24 7,17と表示されていた 僕は恐怖で足が動かなかった もしかしたら、ここに住んでいる人がいるかもしれない…ここからでないと…まずい
「うっ…開かない なんで!」
重たい扉だったからか足の力が抜けてる今は開けることができそうにない ついてないを通り越してもはやもう人がいるのではないかと思ってしまう そう思っていた矢先
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
僕か開けようとしている反対側からものすごい勢いで扉を叩く音が聞こえてきた 本当に人がいるのか?こんな夜なのに? 僕の憶測は当たっていたのか?それもとディレクターが様子を見に来てくれたのか…わからない
ピロン
スマホの通知が鳴った ディレクターからだ【様子はどうですか?ラップ音とかあったら録音してくれるとありがたいです。】いつもと同じ、少し堅苦しい感じが僕の心を落ち着かせてくれた 通知音が鳴った瞬間に扉を叩く音は聞こえなくなった それに足の力も戻ってきている
ギィィィィィィィ ガチャン
扉を開いて、とりあえずその場から少しでも距離を取れるように逃げて逃げて逃げまくった 山を下りて スマホを開き時間を確認すると午前5時45分と記されていた
「もうこんな時間…てことはもうそろそろ…」
確か6時頃にディレクターが迎えに来てくれると言っていた 早く来ないかな…
「あ…それよりも録音止めないと…」
万が一 奇妙な事が起きてパニックになって録音ができない状態になった時の事を考慮して山に入る前からの一部始終ずっと録音していたのだ
「………聞いてみようかな…いや、ここで聞くのはやめておこう」
しばらくすると、ディレクターが来てくれた 僕は車に乗ってあったことを事細かに話した
「録音、帰ったら聞かせてくれない?稀にあるんだよ 前川くんが聞こえてないだけで、録音では変な声が聞こえてたりだとか」
「そんなことあるんですね」
「あぁ …えっと…言っちゃ悪いかもしれないが車に乗った時から凄い悪臭がするんだけど…」
「え?あぁ…すみません…」
どうやら校舎の中にあったゴミの匂いが僕の服に着いたのだろう…困ったな…悪臭に気づけない程にあの時は気が動転していたのか…匂いに慣れてしまって今はなんとも思ってないけど、やっぱり入ってない人からすれば本当に臭い匂いだよな…
「その服、捨てた方がいいよ」
「え…?なんでですか?」
「もしかしたら、悪臭自体がそこにいた幽霊の元かもしれないし…。あとその匂いは多分洗濯しても取れない」
「そう…ですか」
悪臭が霊の元…か… 記事には悪臭の事はの載っていなかったけど…まぁいいか
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帰った後に着ていた服を捨て、録音を編集部の人達約ディレクターと聞いてみた そうしたらやっぱり雑音が少し混じっており、上ら辺?からゴンゴンという音も少し聞こえていた 放送日は再来週らしい
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あれから2週間が経ち廃墟の学校は無事放送された 夏に入りかけだったこともあり、視聴率は高かったとディレクターが話していた
またその後日、この市内に住んでいた小学6年生の女の子2人が下校中、何者かによって拉致された しかし、次の日には帰ってきており、その少女も奴を見たと言っていた少年と同じで「コワイモノミタコワイモノミタコワイモノミタコワイモノミタコワイモノミタ」と呟くと言う謎まみれの事件が起きた 少女達に見た目を聞いても、覚えていないとしか言わないらしい…
もしかしたらその廃墟となにか関係があるかもしれない 警察に連絡しようと思ったら、ディレクターからまた連絡が来た
【次はトンネルの取材をお願いしますm(_ _)m どうゆうところかは、このサイトを開いて見てください】
「……警察に連絡できる程の手がかりもないし、今は仕事に集中しよう」
トンネルの詳細が記載されているサイトを開く 今度は××県の××××町か…今度は懐中電灯を持っていこう
コメント
3件
菓子パン美味しかったです、はい
えげつないほどにおいしい話だ