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羽海汐遠
12,455
れん
21
#クトゥルフ神話TRPG
#聖女
桜井正宗@オートスキル1巻発売
7,229
荒いデコボコな道
小さな石ころが所々に転がっている道をサンは進む。
旅に出て2日経ったある昼間
食べ物は故郷の店主から貰ったパン、ジュース、良質なタンパク質をとれる肉。
そのおよそ半分をサンは食べていた。
森を越え、時には野生の獰猛な生物と出会ったこともあった。自然はいつも私たち人間に恵みをあたえ、牙を剥く。
「……よっと」
サンは森の中にある大きな木を器用に手や足の脚力で登っていった
そこから見える景色
見慣れた自然も確かにある、だがそこにある舗装された道。それを目でたどっていくと、その先に見えたのは”街”だった。
サンは森を抜け、舗装された道を行き、初めて見る故郷以外の街へ入った。
その街の名は「ミルプール」
上品な高級品以外の望むものが全て手に入るとされている街。
それはこの街名物の「夜市」にある。
(オレの故郷よりも人の数が多い……)
自分の故郷との違いに驚きつつも、街を歩いていく。
周りを見渡しながら石の道を歩いていると、突然大きな音が街に響いた
ドドンッ
パンッ
銃声のように聞こえたその音は、上から聞こえた。
サンが音のなる方向へ視線をやると、ひょろひょろと「それ」が下から空に向かって打ち上げられていた。そしてまたさっきのような音が「それ」が破裂して鳴った。
(花火……)
まさに花火だった。
どこかで祭りや催し物をしているのだろう、サンは気になってまだ道も詳しくわからないこの街を駆け回った
しばらく経ち、ある広場へ出た。そこでは花火が打ち上げられており、目の前に「闘技大会」とデカデカと書かれたアーチが建てられていた。
「闘技大会……?」
サンはアーチをくぐり、前へ前へと歩いてゆく。
あたりの人は皆屈強な体つきをしていた。人に魅せるための筋肉ではなく、人を「殺す」ための筋肉をしている人ばかりであった。
他にもナイフ…銃…物騒な刃物を構えている者もいた。
しばらく歩いていると、ある列が目にはいる。
その列はあるテントから連なっていた。
そこが受付であると分かり、最後尾へ並んだ。
次々と人が進んでいき、意外と早く最前列の一個前に着いた。
前の人が横へどけると、この大会の受付が見えた。
「あの、一応聞きたいんですけど、闘技大会ってなんですか?」
受付は鳩が豆鉄砲をくらったような顔でこちらを見ている。
少しの間フリーズした後、口を開いた
『…闘技大会っていうのは…強くてこわい人達が戦う大会なのよ!………えーと、間違えちゃったかな?観戦の受付はあそこでできるよ!』
「間違ってないよ」
サンは曇りのない目をしながらそう答えた
(あ〜〜〜〜……いるのよねこういうバカ、だからガキは嫌いなのよ!)
『話、聞いてた?』
「うん、一字一句しっかりと」
受付の人の顔はだんだんと真っ赤になっていった
病人と見分けがつかないほどに。
『エントリーさせてやれ』
受付の人と同じ服装をした50代くらいの男性がテントの奥から出てきてそう言った。
『で、でもまだ子供ですよ!?あまりに危険じゃあ…』
『お前には「見えない」だろ………まだ子供なのにそれほどの”魔力”、十分出場するに値する』
若い受付の人はポカンとしてさらに目を丸くした
『そのペンでこの紙に名前を書け』
「わかった」
“サン・グクルガーン”
サンはサッサッと紙に書いた
『確認した。大会が始まるのは1ヶ月後。選手は運営が手配したホテルに泊まることになってる。今日から大会が終わるまでそこで過ごしてくれ』
「はい、わかりました」
サンは広場を出るために戻っていく
『……ッ!』
若い受付の人は、サンが使っていたペンを見て驚愕した
『これは……』
『無意識だな、まぁまだ子供だ、加減はこれからだろう』
サンが握っていたペンの部分がへこんでおり、握ったら今にも折れだしそうにもなっていた。
コメント
1件
ああ、なるほど!サン、まっすぐなバカだったか……いや、良い意味でね。受付の人が怖がってるのに「間違ってないよ」って澄ました顔で答えるところ、思わず笑っちゃったよ。それにペンの握り痕、無意識にあれだけの力が出せるって相当なものだ。1ヶ月後の大会で何が起きるのか、設定の伏線も含めてすごく気になる。