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tr視点
どうにか落ちた穴から救出してもらい村に着いた俺たちはそれぞれで動いていた。
「お、パンあった」
家の中のチェストを開け(拝借)させてもらい、外に出て少し先で3人が話をしてるのが見えた。
頂いた物を持ってそこに駆け寄ろうとしていたら、ぐっと後ろに引っ張られ先ほど出た家に逆戻りする。
「っえ…?」
「泥棒する悪い子は誰かな?」
耳元で囁かれぞわりと鳥肌がたった。
慌てて後ろを振り返ると自身の袋越しに見えたのは悪い笑みを浮かべたこの家の住人と思わしき男が立っていた。
どこに隠れていた、と思ったがそんなことよりも嫌な感じがする。
年は俺の少し上だろうか。
見た目はクロノアさん系統ではあるが、如何せん力が強い。
振り解けないほどではないが下手をすればこっちが痛手を負いそうだ。
「人の家に勝手に入る悪い子は誰だろうね?」
「、あ、すみません…」
こっちも悪いことをしたが、ここまでの拘束をされる覚えもない。
「うーん、誠意が見えないな」
と、真意を悟られたかのようにぐいっと腕を引っ張られ傍にあったベッドに引き倒された。
「悪いことをした子にはお仕置きが必要かな」
顔を覆っていた袋を取られ、視界が明るくなり目を細めた。
「あぁ、やっぱり可愛い顔してるねぇ」
上に覆い被さられ身動きが取れない。
こいつ人の押さえ込み方を分かってやっている。
「(手慣れてやがる)」
「や、めろっ!」
だが、俺も押さえ込まれた時の対処法は知っている。
それをしようと体を動かした時だった。
「いいのかな?キミがここで抵抗したら僕はキミを動かせなくしてあの3人のところに行っちゃうよ?」
「はっ⁈」
「黄色髪や紫髪の子は可愛らしい顔立ちだし猫のフードを被った子は綺麗な顔してるしね……どうしようか?」
下卑た笑みだった。
返答次第でどうなるか分かってるんだろうなと
顔が物語っている。
対抗する力を少しだけ緩めた。
警戒だけは怠らないようにして。
「ひ、きょうもの…!」
「まぁ実を言うと僕、キミのことずーっと目をつけてたんだよ?…トラゾーくん」
引き攣る頬を撫でられて、体に力がこもる。
「ひっ…」
「あの袋の下の顔は可愛いんだろうなぁとか、どんな声で啼くのかなとか?」
上着を乱暴に引っ張られてボタンが弾け飛んだ。
下に着ている黒のTシャツを撫でられる。
突然のことに目を見開いて力が緩んでしまった。
容赦のない拘束に、今更になって恐怖心が芽生える。
「ぃやだ…たすけ、て…」
「ふふっ、涙いっぱい溜めて可愛いね」
そして、溢れてきた涙を男が舐めてきた。
「!?」
生理的拒否と反射で体が跳ねる。
今までされたことのない、知らない人間に触られるという不快で気持ちの悪い感覚に体が震え始めた。
「(きもちわるい…!)」
けど、ここで逃げれば他のみんなに危害が加わる。
そんなことあってはならない。
「(…ぺいんとたちより丈夫な体をしてるし、我慢さえすればこういう輩は満足して手を引く)」
熱は出しやすいが、そんなことは今はどうでもいい。
「さて、時間をかけて可愛がってあげたいけどいつ見つかるか分からないから、手短に可愛がってあげるね♡」
その声や表情に男が本気なのだと悟る。
「…!」
もし、叶うのなら…
「(助けて…)」