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あ
16
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「いるま……ッ!」
旧校舎の空き教室の重い扉が、凄まじい音を立てて跳ね開けられた。
そこに立っていたのは、息を激しく切らせたなつ(暇72)、そしてLAN、すち、こさめ、みことの5人だった。
「お前ら……なんで……」
床にへたり込み、涙で顔を濡らしていた俺は、驚愕で息を呑んだ。
俺の首元と太ももには、一軍の奴らに無理やり付けられた、黒い革のチョーカーがしっかりと巻き付いている。はだけた制服の隙間からそれが見えた瞬間、なつたちの目が怒りで激しく燃え上がった。
「おいおい、何だよ陰キャども。勝手に入ってくんなよ」
陸がチッと舌打ちをして机から下りる。蓮、拓海、大和も、突然の乱入者に不快そうな表情を浮かべた。
「なつ……来るな、帰れよ! 頼むから……っ!」
俺は必死に声を絞り出した。今ここにみんながいたら、蓮の親の権力で全員本当に退学にされてしまう。
「黙ってろ、いるま!」
なつが、これまで聞いたこともないような怒号で俺の言葉を遮った。
LANが一歩前に出て、冷徹極まりない、だけど心の底から怒りに震える声で蓮を睨みつける。
「話は全部、なつから聞いた。いるまを人質にして、俺たちを退学にさせるって脅してたんだって?」
蓮は一瞬だけ眉をひそめたが、すぐにフッと鼻で笑い、ポケットからスマホを取り出した。
「あはは、バレちゃった? でもさぁ、だったら何? 今すぐ俺の親父に連絡して、お前ら全員学校にいられないようにしてやろうか? 俺を怒らせたらどうなるか、この馬鹿な犬から聞いてねぇの?」
蓮が俺の首元のチョーカーをぐいっと引っ張る。
「んぐっ……!」と俺が苦しそうに声を漏らした瞬間、すちとこさめとみことが、一軍の奴らですら一歩後ずさりするほどの殺気を放った。
「……やれるもんなら、やってみろよ」
すちが、低く冷え切った声で蓮の言葉を切り捨てた。
「は?」と蓮が呆気に取られた顔をする。
「お前の父親が理事長と繋がってる証拠も、お前らが親の権力を盾に生徒を脅迫してた音声も、なつが全部録音して俺たちに共有してくれたんだわ。それ、今ウチの親経由で教育委員会と弁護士に回してるところ」
こさめが、いつもの可愛いトーンを完全に消し去った、冷酷な目で大和と陸を射抜く。
「お前らの親の会社、理事長との癒着が公になったらどうなるか……分かっててそんな偉そうな口叩いてんの?」
「な、んだと……っ!?」
大和と拓海の顔から、一瞬で血の気が引いていく。蓮の手にするスマホが、微かに震え始めた。
「いるま」
LANが俺の前に歩み寄り、床に膝をついて、優しく俺の肩を抱き寄せた。
「一人で全部背負い込ませて、本当にごめん。もう大丈夫だから。……俺たちのために、よく耐えてくれたね」
「LAN……、みんな……っ、」
張り詰めていた心の糸が、完全に切れた。
俺はLANの胸に顔を埋め、子供のように声を上げて泣いた。
なつが俺の首元と太もものチョーカーを、怒りに震える手で乱暴に、だけど俺を傷つけないように優しく外して床に投げ捨てる。
「おい、テメェら。覚悟しとけよ」
なつが一軍の4人を冷たく見下ろした。
「俺たちの宝物に触った代償、きっちり身体と人生で払ってもらうからな」
シクフォニの強い絆の前に、一軍の4人は言い返す言葉もなく、ただ恐怖に顔を歪ませて立ち尽くすしかなかった。俺を暗闇から救い出してくれたのは、俺が命を懸けて守ろうとした、大好きな仲間たちだった。
コメント
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いや、もう……本当に良かった……! なつたちが駆けつけた瞬間、鳥肌が止まらなかったよ。録音という切り札も、一人で全部背負おうとしていたいるまを「宝物」って言い切るなつの台詞も、全部刺さった。暗い展開が続いてたからこそ、仲間の力で救われるラストがめちゃくちゃ泣ける。ゆいさん、この救いの持ってきかた、本当に尊いです……!