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「……生存確率は、五分五分か」
mfくんの呟いた言葉に、俺は心臓が止まるかと思った。
文献に記されていた「人間に戻る方法」。それは、吸血鬼にとって最大の毒であり天敵である『真なる聖域の銀水』を体内に取り込むこと。吸血鬼の呪われた血を焼き尽くし、無理やり人間へと作り変える禁忌の術だ。
けれど、読み進めるうちに俺の指先は冷たくなっていった。
「……これ、失敗したら……mfくんだけじゃなくて、俺も……」
そこには、吸血鬼に血を吸われ、互いの血液が循環する「婚約者」となった者も、運命を共にすると記されていた。血を分け合い、枷で繋がれた俺たちは、一蓮托生。mfくんが失敗して命を落とせば、俺もそのまま死ぬことになる。
「dn、やめよう。君の命まで懸けさせるわけにはいかない。僕は……吸血鬼のままでいい」
mfくんが苦しげに本を閉じようとする。でも、俺はそれを力一杯押さえた。
「嫌だ……! 行こう、mfくん」
「でも、dn! 失敗したら君まで死ぬんだぞ!?」
「俺が死ぬことなんて怖くない! そんなことより……!」
俺はmfくんの胸ぐらを掴むようにして叫んだ。
「mfくんが目の前で消えて、俺だけが生き残るなんて、そんなの耐えられるわけないだろ! それに、もし失敗して死ぬとしても、mfくんと一緒なら怖くない。……でも、それよりも何よりも、俺はmfくんがいなくなるのが一番怖いんだよ!」
自分の命なんてどうでもいい。ただ、この優しい瞳が、温かい手が、永遠に失われてしまうかもしれない可能性が、俺を狂わせるほど怖かった。
「……dn」
mfくんは目を見開いた後、ゆっくりと俺を抱きしめた。吸血鬼の体温が熱く伝わってくる。
「……わかった。行こう。君を死なせたりしない。五分五分の賭けなんて言わせないよ。百パーセント成功させてみせる」
「……うん。絶対だよ」
目的地は、人里離れた北の果てにある、今は廃墟と化した聖なる神殿。
俺たちは再び、屋敷の扉を開けた。
一泊二日の楽しい旅とは違う。これは、俺たちが「人間」として愛し合うための、命を懸けた旅路だ。
「準備はいい? dn」
「当たり前だろ。……行こう、mfくん」
俺はmfくんの手を強く握りしめた。
この血が、いつか呪いではなく、ただの温かい人間の血として二人の間を流れる日を信じて、俺たちは雪降る夜の中へと踏み出した。
NEXT1000
短くてごめんなさい…そして展開めっちゃ急だし、文章前回も誤字だらけでごめんなさい💦
ほんと‥春まではこんな感じですがよろしくお願いします!
コメントいただけるとリアル生活のモチベも上がるので良ければ一言でも書いていただけると嬉しいです!!
コメント
4件
必死さが伝わってくる、、! 確率があまりにも少ない😭巻き添えの可能性っていうか 必ずしもハッピーエンドじゃないよっていうのが好き、、! お互いが好きだからこそできる喧嘩なんだな、、 無事に成功して欲しい!
二人とも心からぶつかり合ってるのが伝わってきて…!! どっちの気持ちも分かる、けど今回はdnさんの気持ちを応援せざるを得ないですね…!命を失う可能性よりも、独りになってしまうかもしれない方が怖いよね、って切なくなりました… 本気でmfくんを説得するdnが格好良くて、大好きです!! 無事に人間になれますように…!!
五分五分なんて完全に賭けですね… 成功して二人とも人間として幸せになって欲しいです! お互いに互いの幸せを第一に考えているからこそ強く当たってしまうんだな… ホントに二人の幸せを願います!!