コメント
12件
男気があるつぼ浦も甘えてくるからつぼ浦もいいよね、!!!
つぼ浦の真っ赤な顔が落ち着くまで余韻に浸りつつ夜風に当たり、まだ宝石店が開いているのを確認して再び向かった。
「刻印、好きな色で彫ってくれるんだって。青とオレンジで良い?」
「おー…お互いの色にすんのは?」
「えっめっちゃ良い!流石つぼ浦。じゃあこっちがオレンジで、こっちが青で。内側に今日の日付とイニシャルを…」
今日中にできるとの事で頼んでいる間に遅めの夕食を済ませて受け取り、家に帰った。
「風呂どうしよっか、シャワーで良い?」
「んー…一緒に、入りたい…///」
「じゃあお湯張るか、甘えたつぼ浦くん可愛いねぇ。」
「うるせー、アオセンだって…」
ソファで寛いでる時も湯船に浸かってる時もベッドでウトウトしている時も、ずっとつぼ浦のほうから手を握り2つのシルバーのリングと青井の顔を交互に、嬉しそうに見ていた。
「つぼ浦っ!!!………夢…はぁーーー…」
嫌にリアルで残酷な夢だった。隣を見ると穏やかな顔で寝ているつぼ浦を見てホッとしたがいつまでも動悸が治まらず、静かにベッドを抜け出して寝室を出た。
「…あーダメだ、しっかりしろ俺…」
つぼ浦の心の奥底、根底にある黒い部分を目の当たりにしてしまった青井。もしまたその時が来たらつぼ浦を守れるだろうか、受け止めきれるだろうか。その不安が夢となって現れた。水を飲みながら考えていると気付けば1時間近く経っている。そろそろ戻るかと立とうとするとドアが開き、つぼ浦が目を擦って大きな欠伸をしながら入ってきた。
「起きちゃった?」
「…寝ないの?」
「ちょっとね、ブランケット持ってきたの?」
「寒いかと思ったから。」
バサッとブランケットを広げ2人を包み、また手を握るつぼ浦。青井の手の冷たさに気付いて自分のもう片方の手も重ねた。
「どうしたんすか。」
「んーん、なんもないよ。なんか目覚めちゃって。」
「ふーん…そんな顔してんのに?」
「え、なにどんな顔?いつもと変わらんくない?」
「いや、すげー深刻っつうか、辛そうな顔してる。」
明るく振る舞っていたつもりでもつぼ浦には通用せずお見通しだった。大丈夫だよ、と頭を撫でてみても真剣な目は変わらない。
「……なんて言うんだろうなー、俺の覚悟が足りなかった。つぼ浦を絶対、死んでも守り抜くっていう覚悟をさ、決めきれてなかった。中途半端でごめん。」
「そんな覚悟なんていらねー、 別に俺は守られるほど弱っちくねーよ。」
「それはそうだけど、プロポーズってやっぱりそれ相応の覚悟というか決意というか、そういうの必要じゃん。」
「そういうもんなのか?ずっと一緒にいたい、だけじゃダメなのか?それだけで俺は良いのに……俺は今覚悟決めた。俺が、アオセンを守る。死んでも守る。だからアオセンは心配すんな。」
「ぇっ…ありがと、つぼ浦のそういう男前な所大好き。俺女々しくて面倒臭いかもだけど、よろしくお願いします。」
「俺がずっと守るし世界一幸せにするって言ったからな!これは絶対だ、男に二言は無ぇ。」
「やっぱり勝てないな、つぼ浦は芯があって強くてかっこ良い。」
青井の元気が戻って安心するとまた指輪をうっとりと、恍惚とした表情で見つめる。そんなつぼ浦の目を細めた顔を見ると青井の悩みはいつの間にかどこかに飛んでいった。