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何もできない?
なにもしなかった。
『…ぁ…あ……』
目の前で大切な仲間が人間たちに撃たれる。
目の前で大切な仲間が人間たちに連れ去られていく。
目の前で。
僕の目の前で。
なんで
なんで僕はなにもできないの?
どうして動けないの??
どうして、人間を見ると足が竦むの…?
吐き気がする。
何もできない自分が嫌いだ
こんなに弱い自分が嫌いだ
自分の身を守ることしかできない自分が
……大っ嫌いだ
なにもできない自分が嫌
この世界が嫌
人間が嫌
独りぼっちが、嫌
嫌嫌嫌嫌嫌!!!!!!!!!!!!!!!
もう嫌だよ
帰ってきてよ、目を…目を覚ましてよぉ…
このままずっと一人は嫌だよ…
…視界が滲む
しゃがみこむ
なんで、なんで泣いているんだろう
僕は泣いちゃだめなのに
泣いちゃ、ダメなのに…っ
拭ってもぬぐっても溢れてくる
かすかに聞こえた「たすけて」に
動きたかった、止めたかった
でもっ、足が動かなかった!!!!
動きたかったのに!!!!!!
どうして!!!!!!
ぁあぁあ”あ”ぁ”ぁ”あ”あ”ぁ”!!!!!
ガシャンッ
…何の音?
どこから…
顔を上げたときに見えたのは、管に繋がれてベッドから崩れ落ちてる仲間の一人。
目を、覚ましたの…?
思わず駆け寄って抱きしめる。
さっき止まったと思った涙がまた溢れて止まらなくなる
…震える手で、優しく抱きしめ返してくれた。
あたたかいな…もう、もう絶対に失いたくないな…
…まだ怖いけど
今度こそ、今度こそ僕も守れるようになりたい。
もう誰も、だれも失わないように
あの2人が帰ってきたときに、ちゃんと言えるように。
…そういえば、北海道はどうしてるんだろう…
…また、会いたいな。