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この人には、到底敵わないようにも感じていると、


「……私には、やはり敵わないとでも?」


またしても、心の内をたやすく見通されてしまった。


「そんな風に意地悪を言うなら、私にだってあなたを責めることぐらい……」


たまには彼を言い負かしたくもなって、そう口にすると、


「私を、君が…?」


まさかと言うように、こちらをメガネ越しに見つめてきた。


「それぐらい…きっと私だって……」


つい負けず嫌いな気持ちが湧く私に、


「……では、責めてみますか? 私を……」


と、彼がメガネを外した顔をグッと迫らせた。


「まずは、キスをしてみますか?」


言いながらにじり寄られて、腰が後ろに引けると、逃さないとばかりに背中が両腕にグッと抱え込まれた。


「……してみなさい、私に……」


顔のすぐ間近に、睫毛の長い瞳と薄紅い唇があって、目を泳がせることしかできない。


自分から責めるだなんて言ったものの、実際にはどうしたらいいのかわからなかった。


「ほら、こうして……」


唇に、唇で触れられて、


「すればいい……私に」


唇を離さないままで、密やかな声音で囁かれると、甘ったるい吐息がふぅーっと顔に吹きかかった。




「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

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