「さもさん!」
「わぁ!?と、凸さん急に飛び付かないでよ…」
「ごめん、ごめん」
「も〜…」
そうして、二人並んで歩き出す。
さもさんこと、さぁーもんは俺の幼馴染だ。幼稚園から、小学校、中学校と同じで、いつも一緒にいる。今日入学する高校だってそう。さもさんは、頭がいいからもっといい高校に行けたはずなのに…
「凸さん?」
「あっ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた」
「…もしかして、俺がもっと良い高校に行けたはずなのに〜って考えてた?」
「えっ!?はっ?」
なんで心読まれてんの!?
「えっ、あ、うん…」
「別に気にしなくて良いよ!だって、そんな変わんないし、俺凸さんと一緒に学校に行ける方がいいし!」
「そ、そっか///」
やっべ、なんか変な反応しちゃったかも。でも、さもさん、たまに不意打ちしてくるんだよ…
会話が止まったまま、歩き続ける。そして、踏切の前で足を止める。ちょうど電車が通るところだった。電車が通り過ぎた後、踏切を渡る。
「あっ!べるさん!ななっし〜!うたいさん!」
「おはっし〜」
「あっ、凸おじとさもさんじゃん!」
「お前はいつまでそのネタ引っ張るんだよ…」
中学生のころ出席番号の番のところを才で読まれて以来、べるちゃんが俺のことをおじさんと呼んでくるのだ。
「うたいさん起きてる?」
「寝てる…」
「も〜ちゃんと歩きなさい!」
「凸さんには言われたくない〜」
「wwww」
「ほら!あれ!」
いつのまにか学校に着いていた。
「やっぱでかいよなぁ学校。」
「ほんとそれ。とりあえず、体育館行こ。クラス発表あるし。」
「そうだな」
この時なまだ穏やかな風が吹いていた。
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