テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
最近、会社の空気マジでやべえ。
俺(王子谷)は、相棒のポンコツ営業車のハンドルを握りながら、深くため息をついた。
経営改革を口実にした、白石蓮常務の振る舞いはパワハラだ。フロアをモデルウォークみたいに歩いては、成績の振るわない連中を怒鳴りつけて公開処刑。挙句、指導を装って白石さんの肩や背中をベタベタ触る。白石さんは怒りに震えているが、相手は常務。部長も課長も見て見ぬふり……。
さらにシステム部には「蓮沼」とかいうコンサルが現れ、春川先輩の新システム移行計画を「ゴミ」と一蹴。ほとんどの社員が、イケメン常務と爆乳コンサルに完全にバグらされていた。
(あの二人、昔100キロ超えてた俺を「豚」呼ばわりしていじめてた奴らと同じ、悪意の匂いがするっす。弱者を食い物にすることしか考えてねえ、下劣な捕食者の匂いっすよ)
***
そんなある日、俺は経理部から妙な問い合わせを受けた。
「コンサル費用が相場の3倍。至急確認してほしい」
稟議書に記載された法外な金額。そして、その下段には白石常務の承認印が、まるで勝利宣言のように押されていた。戻ってきた営業部長にコピーを差し出したが、部長は一度も俺と目を合わせようとはしなかった。
「……その件は、もう決まったことだから」
落ち着かない俺は、外回りの合間に、コンサル会社の所在地、港区一等地の住所へと車を走らせた。辿り着いたビルの裏側に回った俺の目に飛び込んできたのは──株式会社 スズカコンサルティング 私書箱204号。
「一皮剥げば、中身は空っぽのゴミっすか……」
俺は迷わずスマホを構えて、その「証拠」を写真に収め、即座に春川先輩へLINEした。
『緊急招集。ヤバいもん見つけたっす。昼休み、食堂の奥の席で』
#ワンナイトラブ