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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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※seungmin side※



僕はいわゆる陽キャだ。

今年入学してきて、友達の名前はほとんど覚えたつもりだ。今は高校生活満喫してるんだけど、 校則なんて知ったこっちゃないし、授業なんかほとんどわかんない。

(寝てるからなんだけどねㅎ)

そのくせ休み時間には友達とガヤガヤ騒いでるし、本を読んで静かにするとか考えられない。

今日も友達と昼休みに僕の席の周りに集まってくだらない話で盛り上がっていた。

意図無く無意識に教室を見渡した。

窓の近くで僕の見渡す目が止まった。

あんな子…いたっけ…?

友:それでさぁ〜ㅎ…って、お〜い、

  スンミナ〜 どこ見てんだ〜

S:ぁっ、ごめん、ぼーってしてた…


友:お前大丈夫か?で、誰見てたの?

  あの子か?あの子か?ㅎ




あーだるい…僕が彼女居ないからって女の子を探してると思ってる?酷い奴らだな…ㅎ

S:ぱーぼㅎちがうよㅎㅎほらあの、窓際で本読んでる子だよ

 


友:あー、あいついつからか忘れたけど急に大人しくなったよな。暗くなったっていうか、勉強熱心になったっていうか…



S:急におとなしくなったって…周りは誰も気にしないのか、?



友:理由聞くと逃げるらしいんだよな…

  マスクつけてる理由もわからんし…



S:ふーん…






不思議な奴なんだな…機会があったら話してみたいけど、






S:っはぁ〜…やっと終わった…



長い一日がやっと終わった


友:まじ担任話長すぎだろ…あ!そうだ!

あそこの店今日寄ってかね?他の奴らも来るらしいし




S:あー…悪いけど、ソ先生に呼ばれたんだよねㅎ




友:え〜、まじかよぉ…何かやらかしたか?



S:なわけㅎ優等生なんでㅎㅎ



友:どの口が言ってんだかㅎㅎ



S:ㅎㅎ 




6限目のボールの片付けって…

自分たちでやれよな。片付けが間に合わなかったのは仕方ないけど、なんでよりによって僕なの?

外をちらっと見ると、オレンジの絵の具をそのまま出したのかって言うくらいきれいに空が染まっていた。暗くなる前に帰ろうと早足で教室に戻った。

教室の扉に手をかけようとしたとき、僕の目にあいつが映った。

扉を開けるのを躊躇してしまうくらい黙々と勉強をしていた。さっきまで参考書を読んでいたのに、今度は難しそうな問題集をルーズリーフに解いていた。まだ一年生なのに凄いな…

その時、あいつが突然立ち上がった。

僕は反射で扉の影に隠れてしまった。

足音が近づいてくる。

ガラッ…

??:っ!?



S:ぁっ…




そいつは目を見開いて肩がビクつくぐらい驚いていた。

そりゃそうだよな、扉の影に誰かが潜んでいたら誰だって驚く。




??:ぁっ…ごめん、なさ…




S:いや、謝らないでよㅎㅎ僕がここにいたのが悪いんだし、ㅎ




僕が謝ったときに前髪の間から薄っすらと見えた目がとてもきれいだった。でも、その下にはきれいな目に似合わない濃いクマがあった。あまり眠れていないのだろうか…

S:あっ、なんか予定があったんでしょ?

ごめんね引き止めちゃって…




??:いや…外の空気を吸いに来ただけだから




それだけ言ってまた自分の机に向かった。

僕は追いかけるようにして教室に入り、そいつの机の前の席に腰を掛けた。

とても不思議そうな顔をしている。

S:ねぇ、名前はなんていうの?

僕はスンミンだよ!中学校のときからスンミナって呼ばれてる!



L:ミンホ…中学校のときは何故かリノって呼ばれてた…




S:リノ…かわいいね、!




L:かわ、いい…?




S:うん!呼びやすいしね!




リノの見えている顔がほんの一部でも、少し赤くなっているのがわかった。

S:なんでいつも勉強してるの?




L:あっ…、えーっと、、




ここで僕は昼休みの友達の話を思い出してハッとした。

S:話したくなかったらいいんだよ!?




L:……お母さんにいい大学に行くように言われて…成績が低いって言われてっ…悲しませないようにって…




S:凄いね…リノ…





L:へっ…、?凄い、?




無意識に口に出していた…

S:凄い…頑張ったんだね…





リノが声も出さずに涙だけ流していた。

S:だ、大丈夫!?ごめんなんか言っちゃった!?




L:ううん…嬉しいッ…ヒクッ…




“頑張ったんだね”この一言でここまで泣くとはすごく追い詰められていたんだなと痛感した。

僕はいつの間にかリノを抱きしめていた。

S:いいよ、たくさん泣いて…




リノは何かの栓が突然外れたかのように泣き崩れた。




S:落ち着いた…?




L:うん、ごめんね…




リノの頭を乗せていた僕の肩は涙でびっしょり濡れている。だが、今はそんなのは気にしていられない。

まだヒック、ヒックと嗚咽しているリノが息苦しそうだった。




S:マスク…取ったほうが楽なんじゃないかな




L:え…あ、うん、


 


リノがマスクを取った瞬間、僕は息を呑んだ。

こんなに彫刻のような顔の人が存在するんだ。

鼻筋はスッと通っていて鼻先はツンと高い。

口は三角形で前歯がちらっと見えてうさぎを連想させるような口だった。

S:きれい…




L:そ、そんなことっ…




首元まで真っ赤にしている。熟したりんごのように真っ赤になったリノは本当に可愛かった。


まだ、校内にいる生徒は………


完全下校の放送が鳴った。




L:あ、もう帰らないと…




S:そうだね、一緒に帰ろ?




L:うんっ!




リノの表情が少し明るくなって安堵した。

駅に着いた。僕とリノは帰る電車が逆方向らしい。改札を通って振り向き僕の方に小さく手を振り、電車のホームへ歩いていくリノはとても儚く見えた。


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