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ひまわり畑で笑って

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ひまわり畑で笑って

1 - イタリアンホワイト

♥

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2023年03月01日

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ひまわり畑で笑って


“イタリアンホワイト”


桃赤

青赤




























「あれ….ももちゃん?」


鮮やかな黄色に覆われた視界に、大好きなピンク髪の彼をを探す


「どこ….?」


短い足を必死に動かして空を見上げれば、雲一つない快晴があって、まるで自分だけ取り残されたように怖くなった。


「ももちゃ….」


大きなヒマワリを両手に握りしめ、涙を堪えていると後ろから誰かにぎゅっと抱きつかれる。


「ばぁぁぁぁあっ!!」

「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!」


仰け反って振り返れば、イタズラな顔をした桃ちゃんがこちらを見下ろして満足そうに笑っていた。


「ももちゃんのばか….どこいってたの….?」


頭をグリグリ彼の胸に押し付けると、桃ちゃんは優しく俺の頭を撫でた。


「ごめんってwほんと、あかはおれがいないなきむしなんだから」


「なきむしなんかじゃないもん….」


幼い夏の、淡い記憶。


「ねぇ、あか」

「おおきくなったらけっこんしようね」


絡ませた小指と、君の笑った顔。





あの日、君と馬鹿みたいな約束をした。




















































―――

少し蒸し暑くなっていた6月。


帰りのHRが終わってチャイムがなり、颯爽と部活へ行く者。早々帰って行く者。



「桃くんも一緒に行かない?」


俺は少し縮こまりながら、青髪の友達が桃髪の彼に話しかけるのを見ていた。


「どこいくん?」


教室を出ようとした彼は、少しだるそうにしつつも立ち止まってこちらに駆け寄ってくる。


「カラオケ。ほら、黄くん達も行くし」


ふっと視線をあげると、桃くんとバチッと思いっきり目が合ってしまった。

しかし一瞬にして外される。


「あ〜、俺今日気分じゃないからいいわ」


「はぁ!?」


「また今度誘って」


まるで、”俺が居ない時に”みたいな。

言われた訳じゃないけどそういう事だろうと思って胸が痛む。

踵を返して、長い足を動かし去っていく彼の背中を俺はぼんやりと見つめた。


「ごめん….俺のせいだよね」

「何言ってるの」


俯き謝ると、頭にポンっと手が乗せられた。

見上げれば微笑んで俺の頭を撫でる紫ーくん。


「そうですよ。赤は何も悪くありませんよ」


少し怒った口調で眉を顰める黄くん。


「まぁったく、桃は相変わらず不器用やなぁ」


苦笑いして関西弁を喋る橙くん。


青ちゃんを通して仲良くなった大事な友達。

青ちゃんと黄くんは中学から、紫ーくんと橙くんは高校からずっと一緒だ。


「ありがとうみんな….青ちゃんも、わざわざありがとね」


そして微笑んでまだ不服そうな青ちゃんに手を伸ばすと、ぎゅっと手を握られた。

紫くん達は、俺と桃くんの関係がギグシャグしている事にいつも気にかけてくれている。


「でも….桃くんと赤って幼馴染だったんでしょ?」


黄くんが不思議そうに聞くと、他のみんなも顔を見合せた。


「うん….家が隣で親同士も仲良かったから….幼稚園からずっと一緒で….」


桃くんは俺に優しく笑いかけて手を引いてくれた。

でも、それはもう過去の話。


「嫌われちゃったんだよ….きっと」

皆が悲しそうな顔をする。


馬鹿みたいだ。

自分で言って悲しくなって。












―――


「赤くん。今日も家来るでしょ?」

「えぇ….でも流石に毎日行くのは迷惑じゃないかな」

「ダメ。ほっといたら赤くん何も食べないでしょ」

「いでっ」


青ちゃんに軽くデコピンされたおでこを擦りながら不貞腐れる。


「うちのおかーさんも赤くんが来るの嬉しがってるし。息子が増えたみたいだって」

「へへwじゃあお邪魔しようかな」


カラオケでそんな会話をしていると、橙くんが歌い終わったマイクを置いて不思議そうに聞いた。


「え?前から思ってたんやけどさ、2人ってどういう関係なん?」


「「え?」」


俺は思わず青ちゃんと顔を見合わせる。

すると黄くんが呆れたようにポテトを手に取りながら口を開いた。


「この2人、家が隣通しなんですよ」

「え?だって桃くんと家隣で幼馴染なんでしょ?」


頭の上に沢山のはてなマークを浮かべる橙くんと紫ーくんに俺は慌てて説明する。


「いや、俺中学上がった時に引っ越したんだ。だから前ののお隣さんが桃くんで今のお隣さんが青ちゃんなの」

「へぇ….」


納得したように頷く紫ーくんを横目に橙くんが頭を抱えて唸り出した。


「あ〜なるほどなぁ….」

「ね、何となく分かったでしょ。赤に桃くんが冷たい理由」


黄くんがまたため息をついて今度はナゲットを口に運んだ。


「え?どゆこと?」

「まぁまぁまぁ….」


混乱して身を乗り出す俺を紫ーくんが制して座らせた。


「モテる男は辛いって事だよ赤くん」

「え?え?」


その後どれだけ理由を聞いても皆は答えてくれなかった。














―――


「ねぇ聞いてる青ちゃん?」


皆とカラオケで別れた後、俺は青ちゃんがお母さんから頼まれたおつかいに付き添ってスーパーに寄り、2人レジ袋を抱え少し暗くなった道を歩いていた。


「え?何が?」

「だーかーらっ!桃くんが、」

「….じゃん」

「え?」


青ちゃんが急に立ち止まるので、俺はキョトンと俯く彼を見上げた。


「赤くんには僕がいるからいいじゃん。」

「へ….」


少し怒ったように言う彼に戸惑っていると、青ちゃんはバツが悪そうに俺から目を逸らした。


「….だから、桃くんが居なくたって僕はずっと赤くんの友達ってこと」


あぁ、やっぱりこの人は優しい。

俺はぶっきらぼうに言う青ちゃんがおかしくて笑ってしまった。


「ふふw」

「なんだよ….」

「青ちゃんは俺に初めて話しかけてきてくれた時と変わんなくて優しいなぁって」

「うるせ….」


ぷいっと耳まで顔を赤くてそっぽを向く青ちゃんのもちもちの頬っぺを思わず人差し指でつんつんする。


「わ〜w青ちゃんの頬っぺ雪見だいふくだ!」

「誰が雪見だいふくだよ」

「ふぎゃ、いたいいたいw」


青ちゃんも俺の頬っぺを空いた方の手で掴んできて、ふたり一緒にケラケラ笑う。

そんなことをしていると前から見慣れたピンク髪が歩いてくるのが横目に見えた。


「あれ、桃くんじゃん」


青ちゃんが頬っぺから手を離して言うので、俺は反射的に体を硬直させた。


「今から僕の家で夜ご飯作って食べるんだけど桃くんも来ない?」


青ちゃんがさっきと同様、俺の為に気を使ってくれているのは有難い。

でもやっぱり気まずい。


「….いい。お2人で仲良くどーぞ」


ぶっきらぼうに吐き捨てると彼は俺達の隣をスタスタと通り抜けていく。

あぁ、やっぱり嫌われてるんだな….再確認して唇を噛み締めて泣きそうなる。

すると青ちゃんは俺の肩を引き寄せて顔だけ桃くんのいる後ろに向けた。

そして聞いたこともないような低い声で言い放った。


「….そんな態度なら僕もう我慢しないから」


その瞬間、こちらに背中を向けたまま桃くんが立ち止まった。


「桃く、」


俺が思わず声をかけようとすると、青ちゃんは俺の手を握って来た道を歩き出す。


「あ、青ちゃ….」

「行こ、赤くん」


そんな俺達を、桃くんが振り返って悲しそうに見ていたのにも気づかず___、























“あなたを想い続けます”
























新連載のつもりですw最近ノベルで書く方がだいぶ楽なことに気がついてしまって….

しかも学パロばっかり(((

ずっとこれ前々から考えてたんですけど連載にするかずっと迷ってましたw

ちょっと没なのかもしれないので、好評だったらしっかり連載にしますね(((

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