🖤💚バレンタインのはなし

街はバレンタイン一色。あちこちに催事場やバレンタイン限定品のポスター。

🖤「今年は何くれるの？」

💚「まだ決めかねてる。種類が多くて迷うよね」

🖤「確かに」

今日も今日とて特集されているバレンタイン商戦をTVで眺めながら、しっかり乗せられて今年の作戦を立てている。

🖤「昨年のやつ良かったけどなぁ」

💚「あれはもう二度とやらない」

🖤「あの時のイチゴ美味しかったよ？」

💚「思い出すからやめて」

昨年のバレンタインはチョコフォンデュをしながら飲んで、最初はマシュマロやイチゴの食べさせ合いだったのに楽しくなって飲みすぎて、お互い酔った勢いでチョコがけプレイに発展した。

はっちゃけて楽しかったけど、お気に入りのシーツも枕カバーも総替えになった。

何より俺より飲んでた阿部ちゃんが、正気に戻った時めちゃくちゃ落ち込んでた。

正直、乱れた可愛い姿よりその時の真顔の方が忘れられないレベル。

🖤「一応聞いていい？」

💚「しないよ」

🖤「ハイ」

チョコフォンデュ飲みも楽しかったけど、警戒してもうやってくれないだろう。

今度のオフに百貨店でも行くかとスマホでリサーチする俺の膝に阿部ちゃんが頭を乗せてきた。

🖤「早起きには慣れた？」

💚「うん、朝活が捗ってる。でもめめといると安心して眠くなる」

🖤「寝ていいよ」

髪をかき上げるようにして撫でる。

スマホに目を向けながら撫でていると、いつの間にか阿部ちゃんは眠っていた。