医師:イ・ミンホさんですが……
医師:外傷が酷く、出血多量で貧血になってしまったことが、倒れた原因だと思われます。
L:それで……無事なんですか……?
医師:はい。バイタルも安定しておりますので、3日ほどで退院できると思いますよ。
医師:ただ、肋骨にヒビが入っているのと、腕の骨が折れていますので、全治は、2ヶ月といったところでしょうか…
S:ありがとうございます…。今、リ…ぁ、ミンホはどこに…?
医師:一般病棟でお休みになられてますよ。ただ、看護師が普通には触れられないほど怯えていらしたので、他の患者様がいらっしゃらない病室にさせて頂いております。
S:すみません、何から何まで…。
医師:いえ、院内では車椅子で移動なさってくださいね。
S:はい。
病院の廊下…
とにかく、リノが無事でよかった…。
そういえば凄く怯えてるって言ってたな。無理もない。もし僕がリノの立場だったら、全人類に威嚇の目を向けてしまうだろう。
たしか、リノの病室は1025室だったよな。
ここか。
病室番号の下には、イ・ミンホと書かれたネームプレートがあった。
コンコンと優しくノックし、ゆっくりと扉を開ける。
医師の言っていた通り、他に患者はおらず、9個あるベッドのうち、一番窓際のベッドにはカーテンが書けられていた。
そこにリノがいる。
あまり刺激にならないようにそっとカーテンを開け、片目だけ顔を出す。
L:ひッ…誰ッ…?
S:僕だよー、スンミン。
L:ぁ、よかった…。いいよ、入って。
一瞬リノの顔に笑顔が宿り、右手でひょいひょいと手招きをされる。
S:リノや〜、大丈夫??
L:スンミナこそ…ㅎ
S:ㅋㅋㅋ
お互いの怪我の状態を見て、笑みが溢れる。
二人とも顔など、色んなところにガーゼやらネットをつけてゾンビのようになっていた。
S:はぁ〜…よかったよぉ…リノが無事で。。
L:ありがと、スンミナ。僕のこと助けてくれて…。
S:ううん、リノが助けを呼んでくれて良かった。もしあのまま僕に助けを求めてくれなかったら、今こうやって話せなかったと思う。
L:うん、そうだよね……。スンミナ大好き。
S:うん、僕も。
ギュッ…
二人とも怪我した箇所が痛くて、いつもみたいにめいいっぱいハグすることはできないけど、またリノの温もりを感じることができて嬉しかった。
L:スンミナ、ぽっぽ…してくれる…?/
S:ん、いいよ。
最近触れられていなかったということもあり、二人のリミッターが外れ、お互い思うがままに舌を絡める。
2人っきりの病室に水音とリップ音が響く。
息が苦しくなったのか、僕のこと胸をポンポンと叩く。
ちゅっ…と音を立て、リノからゆっくりと離れる。
リノの目を見ると涙目になっていた。
S:ぁ、、ごめん、痛かった、?
L:ううん、スンミナの舌がずっと欲しかったからつい…
S:も〜かわいーいー!(ギュッ…
L:いたたッッ…こっち肋折れてるんですけどー!ㅎㅎ
S:おー、そうだった。ミアネ…
L:でも、嬉しい。。
S:そういうとこだってば……/
コンコンッ…
L:ッ…誰…、、
S:ギュッ…大丈夫リノ。何があっても守るから。
看護師さんや医師だったら、ドアを開けたときに声をかけるはず。
病院関係者ではない誰か。
リノを守るように、抱きしめ、気を張る。
カーテンの向こうに誰かいる。
リノく〜ん、大丈夫??
S:ぁ、なんだ…オンマか……。
L:はぁ〜、びっくりした…。
S母:ごめんねびっくりさせちゃって…ㅎ
S母:リノくん、プリン好きだったわよね、?たくさん買ってきたから、入院中に食べてね。
L:ぇ、なんで知って……
S母:前、泊まりに来たときに、おやつにプリン出したら顔がパー⤴って明るくなったからもしかしてって思って!
L:へへっ…ㅎありがとうございます、!
S:てか、オンマ大丈夫だったの?
S母:ピンピンしてるわ👍子供の時武道習ってたからちょちょいのちょいだったわ!ㅎ
L:え、!そうだったんですか…!?
S:普通に僕も初耳なんだけど…
S母:あら、言ってなかったっけ?
S:うん、今聞いたよ。
S母:うっかりしてたわㅎ
S母:でね、リノくんのご両親は捕まったわ。
S母:しばらくは世に出てこれないと思う。あんなことしてたしね。
L:……。
S母:それでね、ご両親がいないからリノくんが一人になっちゃうでしょ?
まだひとり暮らしの費用も稼げないと思うし、児童養護施設に入ったらその施設の近くの学校に転校しないという行けないケースがほとんどらしいの。
S母:リノくんにとっては、すごいストレスだと思うし、スンミナにとっても、せっかくできた親友だから、転校だけはさせたくないって思ったの。
S母:だからね、うちが里親としてリノくんを引き取ろうと思ってるの。
L:え……
S母:今私が無茶苦茶なことを言ってるっていうのは分かってる。でもね、2人の事を考えたらその方法が最善なんじゃないかと思って…
S母:別に今決めなくていいのよ。でも、リノくんが退院したら家に帰らないと行けないから、それまでには考えをまとめておいてほしいな。
L:分かりました…。
看:そろそろ、消灯のお時間です。
S母:すみません、じゃあ、リノくんお大事にね。ゆっくり自分の意思で決めてね。
L:はい、ありがとうございます。
S:バイバイ またお見舞い来るからね!
L:うん、バイバイ!
帰り道…
S:ねぇ、オンマ。武道やってたって本当?
S母:ん〜?嘘!ㅎ
S:ねーえ!信じちゃったじゃん!
S母:ㅎㅎ…。本当は怖かったよ。殺されるんじゃないかって何回も思った。でもね、我が子のためには自分の身を削いででも守りたいものなのよ。
S:……ありがと…、
S母:なによ〜しんみりしちゃって!ㅎ
S:ㅋㅋ…
※leeknow side※
2人が帰って夜中の00:00をまわってもずーっと考えていた。
もともと僕はこのまま養護施設に入る予定だった。
でも、スンミナのオンマが言ってた通り、施設の近くの学校へ転校しなくちゃいけなかった。
環境がガラリと変わることは僕にとってはストレスでしかなかったし、本当に嫌だった。
でも何より、一番嫌だったのはスンミナと一緒にいられなくなることだった。
命をかけてまで僕を守ってくれたのに。
こんな形でお別れをしないといけないのは、本当に辛いと思う。
だから、里親として僕を引き取るという話を聞いたとき、心が救われたような気分だった。
こんなに親身になって僕のことを考えてくれる人は初めてだった。
そこから何十分も何時間も考えた。
全く考えがまとまらない。
スンミナのオンマがプリンを冷蔵庫に入れてくれたのを思い出し、冷蔵庫を開ける。
3個入りの連結されたプリンが2つ入っていた。
一つのカップだけ取るためにフィルムを破こうと逆さに向ける。
すると、付箋が貼ってあり、番号が書かれていた。
その番号は…
コメント
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うわー😭無事でよかったーー! 毎回毎回続きが気になりすぎる!