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むず痒いような気恥ずかしさも多少はあるものの、
嬉しさと感謝の気持ちがそれを覆い包み、やがて微笑みに変わっていく。
〇〇「・・・・・・うん、色々とありがとう・・・アラスター」
アラスター「・・・えぇ。今日の事は、おお~きな貸しということにしておきますよ」
〇〇「ふふ、それは返すのに苦労しそうだね」
コーヒーを飲み干し、安心したのか少しの眠気が襲ってくる。
それに感づいたのか、ティーカップを置いたアラスターが立ち上がった。
アラスター「貴女は少し休んでいたらいい。・・・私も少し出かけの用がありますので」
アラスター「―――良い夢を。〇〇」
ぽん、と頭に大きな手が置かれる。
その落ち着く声に促されるように、瞼が重くなっていく。
その手に導かれてベッドへ身体を横たえると、アラスターは背を向けてドアの方へと歩いて行った。
〇〇「・・・・・・ありが、とう・・・」
声が届いたかは分からない。
瞼が完全に閉じる前に彼の背中へそう呟き、私は意識を手放した。
【アラスターside】
ぱたり、と背中で静かにドアが閉まる。
アラスター「やれやれ・・・感心しませんねぇ」
今日の一連の出来事を思い返し、その忌々しさに吐き気を催しそうだ。
監視カメラからの視線、俺が気づかないはずもない。
刺客の襲ってくるタイミング、我々の攻防を舐め回すように監視する視線。
十中八九、その主の目星はついている。
“ありがとう” と去り際に聞こえた声と、初めて見たあの傷ついた姿が頭をよぎる。
――――ああ、不愉快だ
アラスター「後悔させてやるさ・・・俺の領域を土足で踏み荒らしたことを・・・」
脳裏に浮かぶ、かつては見慣れていた悪魔の姿。
――仕掛けてきたのはお前の方だ。ともあれば、その安い挑発に乗ってやろう。
ステッキを握る手に力を込め、再び街中へと繰り出した。