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わたしはこぼれ出る声を抑えることはできない。
「ここだと声が響いて、うん、たまらない……よ」
「も……お、玲伊さん。お願い。そんなこと言わないで」
彼は真っ赤になって俯くわたしを立たせてから、自分も立ちあがった。
「……続きは部屋でしようか。このままだと、のぼせてしまいそうだしね」
そう言う彼の声も、劣情にかすれていた。
そのまま抱き上げられ、バスタオルで包まれ、隣の部屋のベッドに運ばれた。
そこはいつもの寝室ではなく、ゲストルーム。
濃紺のベッドカバーを乱暴にはぐると、彼はすぐにわたしに覆いかぶさってきた。
「ごめん、もっとゆっくり可愛がってあげたいんだけど……だめだ、今すぐ、欲しい……」
その余裕のなさがなぜかとても嬉しくて、はしたないと思いつつ、思いを素直に口にした。
「大丈夫……わたしも早く……玲伊さんが……欲しいから」
「優紀……」
咬むような口づけを施しながら、彼の手はわたしの脚にかかった。
少し前なら、とても考えられなかった。
けれど今は、もうわたしも彼を受け入れる準備がすっかりできていた。
彼の指が狭間をかき分ける。
そして、その直後、一気に貫かれた。
はじめの衝撃が収まると、わたしの心は彼と一つになっている喜びに包まれてゆく。
「はぁっ……」と快感にあえぐ彼の吐息さえ、愛おしくて。
「ああ、ゆう……き……」
「れ……いさ……ん」
彼は腰を使いながら、指先でわたしの敏感な場所を探りはじめる。
二重の快楽に襲われ、わたしの唇から言葉がほとばしる。
「ああ、ああん、や、いゃぁぁっ」
「優紀……一緒に……」
荒い息遣いのなか、彼の声がわたしの耳に届いた。
わたしは素直に快楽の波に身を任せはじめた。
それを感じ取った彼の動きもひときわ激しくなり。
そして……
わたしたちは、はじめて同時に極みに達した。
ベッドで並んで横たわって、激情の波が静まってゆくのに身を任せていたとき、玲伊さんがはっと半身を起こした。
「まずい。優紀の髪、ちゃんと乾かしてなかった。濡れたまま寝るのは厳禁なんだよ」
彼はわたしの手を取ってベッドから起こすと、洗面所へと向かった。