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_ノアのサボり癖の秘密__🥀𓈒 𓏸
「ノア先輩、お疲れ様でした〜」
「はーい!お疲れ様ね!」
イヤホンを着けて鼻歌を歌いながら廊下を渡るノア
窓の外は夕方頃…少し早い時間帯だが、ノアにとってはいつも通りの時間だ
「ノア先輩お疲れ様です。」
後ろから声を掛けられる.
イヤホンをつけてるはずなのにノアは声のする方へ振り向いた
後ろにはレオンが立っている
「レオンくん!お疲れ様!お先に失礼するよ!」
レオンを見るなり笑いながら挨拶をする
しかしレオンの反応は変わらず、そのままノアの元へ歩む
「今日はこのまま帰るので。」
「へぇ〜珍しいな!真面目くんも早く帰りたい時があるのか!」
「はぁ…普段は仕事を終わらせて帰りたいだけです」
しかし特に話は続かず、そのまま下へと着く
会社の出口まで少しの所…閉じていたレオンの口がゆっくり開く
「あの、ノア先輩」
レオンが立ち止まり声をかけると
ノアも立ち止まり、後ろを振り返る
「ん?どうしたんだ?」
「…」
いざ仕事以外の話となると…なかなか口が開けないものだ
レオンはそのまま黙り込んでしまう
そんなレオンの様子を軽く伺いながら、ノアは頭を軽くかくと
「そだ、言い忘れてたけどさ!俺明日明後日、出張で空ける事になったんだ」
「出張…ですか?」
「ダレイが居ないから…代わりに行く事になったんだろうとは思うけどさ〜…って事で、暫くは逢えないぜ?寂しいと思うけどさ」
「分かりました、お気をつけて」
「おう!ありがとさん」
「……」
「……」
「……あの…昼間の件,の事なんですが、ありがとうございました。」
やっと言えた…言うことが出来た
全然いいよと笑顔で答えるノア。
「それにしても珍しかったなぁ〜…レオンくん子供とは無縁だと思ってたけどさ?」
「子供はあまり得意ではありません.」
「ハハッ!そんな感じするわな…でも、優しいんだね、レオンくん」
ノアが視線を戻すと、レオンは俯いていたのだ
何か考えてるような…思い出しているような
切ない何かを感じてるのは目で見てわかる
「え。。ちょっと…どうしたんだ?」
「いえ何も」
シャキッと姿勢を戻し顔つきを戻すと、レオンは何事も無かったように前に進み始めた
「この後2人で少し飲むか?」
ノアが夜ご飯のお誘いを提案する
「いえ、結構です。」
しかし、いつも通りキッパリ断ってしまう
そんなレオンの態度にノアは声を上げた
「まーた先輩のお誘いを断って〜…」
「折角ですが…それにきっと、ダレイ先輩は飲んでいないと思うので」
時計を見た後、ノアにお辞儀をするといつも通り家の方へ真っ直ぐ帰っていく
「……それもそうか、ダレイ…居ないとつまらないよな」
ノアが呟くと、そのまま居酒屋の方へと1人歩いていった
翌日__
ノアが出張の為,特に苦情らしきものは来ない
1人パソコンを操作していると,段々と仕事場がざわつき始めたのだ
「おい!この資料ミスだらけじゃないか!!誰がやったんだ!!」
「ねぇ…事件の目撃情報の詰まったファイル…どこ行っちゃったのか分かる人いる?」
「𓏸𓏸さんの家訪問今日だぞ!!しっかりしろ!!」
今日は事務所中が一日中荒れていた
どうやら普段会社のパソコンで管理されてるファイルが、今日分の更新が無く、予定がグダグダになったらしい…
今何とか正常に保ち、慌て気味ではあるがなんとかやり切っているようだ
「………よし…」
レオンは自分の仕事が終わるとパソコンのファイルをクリックした
このファイルは会社のパソコン共通で見ることができ,自分の仕事以外の予定を調べる時などによく見ている
カチ__
(確かに…更新されていない)
後書きはされているようだが、雑で読みにくい。
なにかのトラブルが原因だろうか…それなら対処しなければならない
レオンはある人に電話をかけた
コールを繋ぐと、すぐに声が聞こえた
「はい、ダレイだ。」
「ダレイ先輩!お疲れ様です。」
「レオンか…お疲れ様珍しいな,掛けてくるなんて」
相手は今お休み中のダレイだ
久しぶりのダレイと普段掛けることの無い電話越しの会話で、レオンに緊張が走る
「じ、実は会社のファイルに誤作動があったみたいで…」
「会社…あの共通で使える予定表のか?」
「はい…なにか原因…心当たりなど、対処出来ることがあるのならば僕が…」
「分からないな…更新忘れたんじゃないか?ノアに聞くといい」
「え…?ノア先輩ですか?」
「知らなかったのか?あのファイルはノアが作って、帰る前に更新してるんだ。しかも凄いのは頼まれてもないのにやったんだよ」
驚いた…初めて聞いた事だったのだ
「…てっきりネット点検で、自動で作られているやつなのかと…」
「それだけじゃない。街の監視カメラの管理,ご近所のトラブル等の問題事は全部ノアがやってるんだ」
「!!」
あの時イヤホンをつけてたり…パソコンをずっと持ち歩いたりしてたのは…
サボりでなく、街の平和のためだったのだ。
「まぁ…仕事しない事は暫しあるが…でもノアにはノアのやり方があるらしいからな」
「……そうだったんですか…」
「はぁ…疲れた」
お風呂から上がり布団に身を投げると疲れがドッ…と出てきた