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#ミニ知識
ただの中太がえっちするだけの話。
たまにはこういう普通のエッチもいいよね。
ヨコハマの夜を飲み込むような静寂の中、ポートマフィアの最上階に近い一室で、中也は目の前の男を冷徹に、そしてひどく熱い眼差しで射抜いていた。 二十二歳の太宰治。かつての相棒であり、今は敵対組織に身を置く男。だが今夜、この部屋にいるのは「探偵社」も「マフィア」も関係のない、ただの剥き出しの二人だけだった。
「……おい、太宰。そんなに震えて、どうしたんだよ。いつもの余裕はどうした?」
中也の声は低く、地鳴りのように太宰の鼓膜を揺らす。中也の大きな掌が、太宰の細い首筋を後ろから掴み、強引に引き寄せた。太宰の喉がひくりと跳ね、包帯の隙間から冷や汗が伝い落ちる。
「……中也、君……っ。少し、乱暴すぎやしないかい……?」
太宰は軽口を叩こうとしたが、その声は微かに震えていた。いつもなら、言葉の罠を仕掛けて中也を翻弄するはずの太宰が、今夜は中也の放つ圧倒的な「雄」としての重圧に、生理的な恐怖と、それを上回る得体の知れない期待に支配されている。
中也は返事をする代わりに、太宰をベッドへと放り投げた。 長い手足がシーツの上で乱れる。太宰が起き上がろうとするよりも早く、中也はその上に跨がり、重力操作など使わずとも重い体温で彼を圧し潰した。
「黙ってろ。今夜は、お前の薄っぺらな理屈なんて聞く気はねぇんだよ」
中也の指が、太宰のシャツのボタンを一つ、また一つと引きちぎるように外していく。露わになった白い肌、幾重にも巻かれた包帯。中也はその呪わしいほどに白い肢体を、獲物を品定めする猛獣のような瞳で見つめた。
中也の手が、太宰の脚を強引に割り、その内側に潜り込む。太宰は短く息を呑み、腰を逃がそうとしたが、中也の剛腕がそれを許さない。中也の指先が、太宰が最も触れられたくない、けれど最も熱を帯びている場所へと容赦なく侵入した。
「あ、っ……! ……は、ぁ……っ」
太宰の瞳が、屈辱と快楽の入り混じった色に染まる。 中也は太宰の耳元に唇を寄せ、熱い吐息とともに囁いた。
「お前、さっきから心臓の音がうるせぇぞ。……そんなに、俺に抱かれるのが怖いか?」
「……怖い? まさか。ただ、……君のやり方が、あまりに野蛮だから……っ」
強がりを言う太宰の唇を、中也は深く、塞ぐように食んだ。 舌を突き入れ、太宰の口内を蹂躙する。酸素を奪われ、熱を流し込まれる行為に、太宰の思考が徐々に混濁していく。中也の愛撫は、決して優しくはなかった。太宰のプライドを挫き、その奥底にある「生」への渇望を引きずり出すような、荒々しくも確かな熱量を持っていた。
中也は準備もそこそこに、自らを太宰の最深部へと沈めた。
「っ……あ、あああああ!!」
太宰の叫びが部屋に響く。 慣れない衝撃に、太宰の身体は硬直した。だが中也は止まらない。太宰の細い腰をしっかりと掴み、逃げ道を塞いだまま、容赦のない速度で突き上げを繰り返した。
「は、ぁ……っ、中也、待って、……これ、……っ!」
太宰の指が、中也の背中に深く爪を立てる。 太宰は、自分が壊されていくのを感じていた。身体の奥を直接叩かれる衝撃が、背骨を伝わって脳髄へと駆け上がる。中也の熱が、自分の内側をドロドロに溶かしていく。
中也は、太宰の顔を覗き込んだ。 そこには、かつての「黒衣の死神」の面影などなかった。涙で滲んだ瞳、紅潮した頬、そして快楽に耐えかねて震える唇。太宰治という男の「余裕」をすべて剥ぎ取ったその姿こそが、中也が求めていたものだった。
「……いい顔だな、太宰。もっと、俺だけを見て鳴けよ」
中也は、太宰の最も敏感な一点を、逃さず、執拗に抉り続けた。 それは、単なる肉体の交わりを超えた「対話」だった。互いの存在をぶつけ合い、魂を削り合うような、暴力的なまでの愛。
太宰の脳内で、何かがぷつりと切れた。 あまりにも過剰な快楽の供給。中也に突き上げられるたび、視界が白く点滅し、思考が霧散する。自分がどこにいるのか、何をされているのか、もはや判別がつかない。ただ、目の前で自分を支配している中也という熱量だけが、世界のすべてになった。
「あ、……あ、ぁ……っ! 中也、中也……っ!!」
太宰の声が、意味をなさない絶叫へと変わる。 それは、脳が快楽に焼き切られる瞬間の鳴き声だった。射精という物理的な解放すら待たず、太宰の意識は絶頂の極みへと叩き落とされる。脳内の神経が異常発火し、全身が激しく痙攣した。
「……脳が、……溶ける……っ、あああああ!!」
中也は、太宰のその劇的な「脳イき」を至近距離で見つめながら、自らもまたその深淵へと身を投じた。太宰の内側が、壊れそうなほど強く自分を締め付ける。その熱に当てられ、中也もまた、雄叫びを上げながら自らを解放した。
白銀の閃光が、二人の意識を奪い去る。 重なり合ったまま、二人は深い、深い闇の底へと堕ちていった。
どれほどの時間が過ぎただろうか。 乱れたシーツの上で、中也は荒い息を整えながら、腕の中に収まった男を見下ろした。
太宰は、完全に事切れたようにぐったりとしていた。瞳は半開きで、焦点はどこにも合っていない。唇からは熱い吐息が漏れ、指先はまだ微かに震えている。
中也は、太宰の額に張り付いた髪を乱暴に、けれどどこか愛おしげにかき上げた。
「……おい。生きてるか、手品野郎」
「……あ、……ぁ……」
太宰は、数回瞬きをして、ようやく中也の顔を捉えた。その瞳には、まだ快楽の残滓が色濃く残っている。
「……中也、君……っ。本気で、私を殺す気だったろう……」
掠れた声で、太宰が毒づく。だが、その言葉にはいつもの棘はなく、ただ心地よい敗北感だけが滲んでいた。
「殺しゃしねぇよ。……ただ、お前のその余裕を、二度と取り戻せねぇようにしてやっただけだ」
中也は不敵に笑い、太宰の首筋に残った赤紫の痕を指でなぞった。 太宰は力なく笑みを返し、中也の胸元に顔を埋める。
脳に焼き付いた、あの破壊的な快楽。 太宰は知っている。もう二度と、自分は中也なしではこの充足感を得られないことを。中也が自分を塗りつぶし、脳の奥深くまで支配してしまったことを。
「……ふふ、……酷い人だね、中也は」
太宰は目を閉じ、中也の体温に身を委ねた。 ヨコハマの夜は、まだ長い。 次に目を覚ますとき、二人は再び敵対する組織の人間として向き合うのかもしれない。だが、この部屋で交わした熱と、脳裏に刻まれたあの衝撃だけは、決して消えることはない。
中也は、腕の中の男をさらに強く抱きしめた。 その腕には、もう誰にも渡さないという、無言の誓いが込められていた。
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