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─新学期─
「ついに4月だけど、転校生来るね。」
「どんな顔なんだろう?でも地味なんでしょ。」
「まあ、そうね。地味で眼鏡なら───」
「あまり、期待しない」
─教室─
「おはよう!」
「おはよう!」
「もうすぐで来るんじゃない?転校生」
「名字は、「冨樫(とがし)」さんよ。」
「変わった名字ね。」
「冨樫優太(とがしゆうた)か…」
「なんだか、面白そう」
─入学式─
「次に、転校生紹介をします。」
「冨樫優太(とがしゆうた)さんです。」
教頭先生が言った。
「よろしくお願いします。」
優太が言った。
「本当に地味…!理乃が言っていたようにウザそうにはないわ」
「でしょう?」
─教室─
「どこに住んでるの?」
「バスケ、得意なの?」
「好きな食べ物は?」
「ウザいって聞いたけど、本当?」
優太は、たくさん質問された。
少し困った顔をしているが、1つずつ質問に答えている。
だいぶ優太は、この環境に慣れていきました。
みんなは最初、優太にウザいという印象をもっていましたが、その印象はもう考えられませんでした。
「優太、眼鏡外してみてよ〜」
「優太が眼鏡外したところ、見たことないよな!」
「眼鏡外してみて!」
「俺がしてあげる!」
男子生徒は、優太の眼鏡を外そうとしましたがその瞬間────
優太は力強く男子生徒の手を押しつけた。
「やめてくれる?」
「俺、眼鏡外したくないんだけど」
「本当迷惑。」
「それより痛い!早く離して!」
「優太、弱そうに見えてすごく強い…!」
「なんだコイツ…!」
それからはみんな、優太にしつこく言わなくなりました。