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るあ💙
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#カラスバ
小鳥遊
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コメント
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うわあああ…読み終わったけど言葉が出ないよ…🥀 まず4人の掛け合いがすごく温かくて、サルビアの発明失敗とか全員でツゲのヒーロー夢いじるところ、めっちゃ笑ったのに…。そこからの津波と神の襲来、一瞬で全部奪われていくのが辛すぎる…。 ゼルと指切りしたシーンがもう…涙止まらなかった。「星の隠れる夜」の予言が本当に来ちゃって、しかもゼルが庇って枯れていく描写、心えぐられた… でも最後のルディアの決意、すごく好き。大剣で海を割るバトルは熱かったし、「絶対諦めない」ってひとりで旅立つ姿、応援したくなる。続き、待ってます🌙
⦕𝕾𝕿𝕬𝕽𝕿⦖
𝕯𝕰𝖄 𝕱𝕴𝕽𝕾𝕿
*1日目*
*神 は星の中で芽生え、*
*時と空間、そして始まりをつくられた。*
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*2日目*
*神 は4つの大陸を作り、4つの地方とした。*
𝕯𝕰𝖄 𝕿𝕳𝕴𝕽𝕯
*3日目*
*神 はこの世に理を定められた。*
*たちまち大地に植物が芽生え、海が生まれ、雲ができた。*
𝕯𝕰𝖄 𝕱𝕺𝖀𝕽𝕿𝕳
*4日目*
*神 は理を司るものをつくられた。*
𝕯𝕰𝖄 𝕱𝕴𝕱𝕿𝕳
*5日目*
*神 は生命をつくられた。*
𝕯𝕰𝖄 𝕾𝖎𝖃𝕿𝕳
*6日目*
*神 は人間をつくられた。*
𝕯𝕰𝖄 𝕾𝕰𝖁𝕰𝕹𝕿𝕳
*7日目*
*神 は終わりをつくられた。*
────世界の誕生を終え
神 は深い眠りにつかれた────
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⁺ ✫𓈒 ݁ ₊ ☆ ₊ ⊹ ₊ ⟡ ⋆ ✮ ꙳ 𓈒 ݁ ₊ ꙳
⁺ ⚝ ꙳ 𓈒 ݁ ₊ ✭⁺ ⋆˚ ✩ ⁺ ₊ ⛥ ✯
⛧ ⊹܀˙ ⁺ ⛤ ⛦ ₊ ✫⁺ ⋆ ✭ ₊
⁺ ⋆˚ ✯ ꙳ 𓈒 ݁ ₊ ꙳ ⛧ ꙳
⟣ ザ✧ファーストスターライト ⟢
── The First Star Light ──
܀ ⊹܀˙ ꙳ ⛦ ⊹ ₊
⁺ ✯ ⁺⛥ ⁺ ⋆˚ ⛧ ⁺ ⛦ ✫ ꙳ ⁺⛥
✮ ⁺ ⚝ ₊ ⛤ .𖥔 ݁ ˖ ⛦ . ݁₊ ✶. ݁ ⁺ ⋆˚ ⊹⛥˙
⁺ ꙳ ⊹܀˙ ⊹ ⁺ ˚⊹₊ ⋆ ⁺ ⛧ ⋆
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教師「……ということで、え〜……」
「ルディアさん。『ポケモン』と『象徴』には、生物学的になんの違いがあるでしょう?ひとつ答えるだけでも良いですよ〜。」
ルディア「んう!?」
「(め……めちゃくちゃ寝てた!やば……)」
その時、白髪のドリルツインに綺麗な水色の瞳の少女ルディアは、
隣の幼馴染から耳打ちを受ける……
……
ルディア「ハイッ!!象徴は食事が要りません!!」
教師「まぁ正解です。飲み食いしないポケモンもいると思いますが……」
「身体の構造が生物と違く、寿命はほぼ無限という違いが主ですよ〜」
「神の化身だとか、天使に近いイメージだとわかりやすいですね〜」
ルディア「(く〜!ルディア間一髪)」
教師「はい!これにて今日の授業は全て終了です!支度をして、安全に下校してください〜。」
「では今日一日、お疲れ様でした〜」
…
廊下を隣の席の少女、ツゲと歩く…
ルディア「ツゲ!授業中、教えてくれてほんとありがとう!あれがなかったら終わってたよ!」
ツゲ「気にするな。友は助け合うものだ」
ツゲ──紺色のロングヘアーと同じ色の瞳の少女。大人びた声と風格が特徴的。
特技はペン回し。運動と物理学が得意。
その時に後ろから飛びつかれる…
ルディア「わ!」
一瞬びっくりしたが、全身で飛びつかれたのに自分の首くらいまでしかない感触のおかげで、声を聞くより先に誰だか分かった…
サルビア「ルディアァ〜!オレは見逃さなかったぞ?お前、寝てたんだろ!」
サルビア──後ろの席の生意気な少女。トゲトゲな髪&ツインテールと、黄色い髪色と目が特徴的。
コンプレックスは背の低さ。機械いじりが得意。
ルディア「う…うるさいなぁ」
サルビア「図星だろ?」
ルディア「別にいいじゃん!人は寝たい時に寝ちゃダメだって言うんですか〜?」
ツゲ「…授業中に寝るのが宜しくない行為な事は分かっているだろう。」
ルディア「ちょっと!さっきは助けてくれたのに!」
ツゲ「それはそれ、これはこれだ。」
ルディア「ん〜……!」
不服そうに頬を膨らませる。
サルビア「んなことよりさ、すげえ発明品ができたんだぜ!今までのとは比べもんになんねー超・超・超ヤベーのだ!」
ツゲ「そういうセリフを今まで何回聞いたかな。」
サルビア「うるせー、この後『ラボ』な!ロベはオレが呼んどく。」
ロベリア──隣のクラスの、紫髪で背の高いミステリアス……風な男。父親から礼儀作法を叩き込まれている。
嫌いなものはトマト。花を育てるのが得意。
ルディア「あの辛気臭くて埃っぽいラボさあ、良い加減見栄えをよくしてみたら?」
サルビア「うっせーな!ガラクタで出来たラボでも発明はできんだよ。」
「それに、天才発明家は場所を選ばないしな!」
ツゲ「(……そんなこともないんじゃないか?)」
サルビア「じゃ、ラボまで競争な!」
ルディア「あっ!?待てー!」
ツゲ「あっこら!廊下では走るな……!」
狭く粗雑な「ラボ」の中で、四人が環状に向き合って座談している。
ロベリア「いやあ、遅れちゃいました。」
ツゲ「何をしていたんだ?」
ロベリア「花々とキマワリに歌を聞かせていたら……もうこんな時間」
ツゲ「優雅な午後だ……」
ルディア「何を聞かせてたの?」
ロベリア「ヒップホップです」
ルディア「今度混ぜてよ!」
ロベリア「良いですね。次はパンクロックにしましょう」
そして、サルビアのみがよっこらせと立ち上がる。
サルビア「おうおう、雑談は終わりだお前ら。今回の発明品はこれだぜ!」
テーブルの引き出しからバネのようなものを取り出す。
サルビア「耐重バネ機構!」
3人は全く反応を見せず、皆この状況に慣れているようだ。
ルディア「真面目な名前だね。」
サルビア「面白え名前とかは無いんだよ。こういうのは」
「このバネは素でかなり耐久性が強い上に……電気を入れれば持ち上げる力が加わる」
「テーブル丸ごと乗せても耐えられるぜ!」
ルディア「おおっ!こりゃすごい!」
ツゲ「…」
ロベリア「…」
サルビア「実際に置いてみる!」
「こう重いものが上に乗っても……」
テーブルを乗せると、横にバキッと逝く。
「は?」
ルディア「あ」
ロベリア「ふっ…ふふ…」
サルビア「まだ!まだ焦んな。この程度の損傷、オレにとっちゃ…」
と言って近くのテーブルに発明品を置き、工具箱から器具を取り出す。
修理に取り掛かろうとするが…
もうガタが来ていたみたいで、「耐重バネ機構」はボロボロと崩れ去ってしまう。
ツゲ「」
サルビア「あ…」
サルビアは目に涙を浮かべている。本当に悔しそうだ。
ルディア「それで?『すげえ発明品』ってのはいつ出てくるの?」
ロベリア「まあまあまあまあ……」
ツゲ「今回も失敗だったな…」
サルビア「うるせえやい!!!てめーら発明のはの字も知らねえくせに!」
ツゲ「案ずるな、もう慣れた。」
サルビア「ったく、どいつもこいつも…!」
ロベリア「良いんですよ、サルビア。『天才発明家に失敗はつきもの』ですもんねえ?」
サルビアがよく言っていたセリフを意地悪そうに言った。
サルビア「黙りやがれ……!」
「チクショ〜!もっと改良が必要だな……」
サルビアは部品を一旦バラして、箱に保管する。
サルビア「あーあ、弟子を取れるくらい最高な発明家になれりゃあなあ。」
ルディア「…そういえばサルビアは発明家志望だけど、みんなの夢って何なの?」
ツゲ「夢?」
みなが考える。
ロベリア「私は花屋を継ぎたいですねぇ。まぁお父様が『ユートピアは不滅』とうるさいですし、継ぎたいと言うよりかは、継がなければならないんですがね…」
ツゲ「私は特に思いつかないな。なるようになればいいし、将来は適当なところで働いてるかもな。器用さを活かせる仕事だといいが…」
サルビア「嘘つけ、ヒーローだろ。」
ツゲ「…?」
ルディア「え?」
ロベリア「?」
サルビア「忘れてねえぞ〜ツゲ、3年前マンガに影響されて『正義のヒーローになりたい』ってほざいてたのを!」
ツゲ「…………」
ルディア「あー、言ってたかも…?」
ツゲ「…昔の話だろう」
恥ずかしそうにそっぽを向く。
4人は皆幼馴染。非常に昔から互いのことを知っているのだ。
ルディア「3年前って、そんなに昔かな…」
ロベリア「しかしそれを掘り返すとは、サルビアも容赦ないですね。」
サルビア「いっつも俺にちょっかいかけてる罰だ。お前らも他人事顔すんじゃねーぞ」
非常に楽しそうな表情だ。
ルディア「あー、こわいこわい。」
こっちも。
サルビア「挑発か?てめえの恥ずかしエピソードはなんかあったかな〜」
ルディア「探さないでよ!」
ツゲ「ルディアの夢はなんだ?」
ルディア「私?私も思いつかないんだよね〜」
「でも目標ならあるよ。この4人でずっと一緒にいること〜」
ツゲ「なんだ、私と同じだな。」
サルビア「……フン」
ロベリア「やだもう!面と向かって言われると照れますねえ〜〜」
サルビア「キモいな」
ロベリア「酷くないですか?」
そうして会話を続けていると、かなりの時間が経っていた……
ロベリア「ハハハ…おっと、私はポケモンや花の世話をしないといけないので、退散させてもらいます」
突然の帰宅宣言に3人はびっくりした様子を見せ、ツゲは時計に目を向ける。
ツゲ「…もうこんな時間か。」
言葉を聞いて、サルビア達も時計を見る。
サルビア「あ?…嘘だろ、もう18時半!」
「出てけ出てけ!もうサルビアラボは店閉まりだ!」
ロベリア「んもうそっけないですねえ!家政婦になるのでもうちょっと居させてくれません?」
サルビア「うだうだ言ってんじゃねー!蹴るぞ!」
ツゲ「じゃ、ここで解散だな。ルディアはどうする?」
「うちに泊まるか?今日はバウムクーヘンがあるぞ」
ルディア「これは魅力的!でもな〜」
「ゼルは今日クレープを作ってくれるって言ってた。ゼルの家に行くよ!」
ツゲ「そうか……負けたな。クレープには」
ロベリア「ルディア。ツゲの家に泊まる頻度を増やしてみたらどうです?寂しがってますよ」
ツゲ「寂し…!?」
ルディア「やっぱそうか〜。そんなにしゅんとしなくても明日は泊まるよ!」
ツゲ「はぁ…………そうか、ありがとな。」
サルビア「あっそうそう!お前、今日も寄り道するんだろ?」
ルディア「ゔ……なんでそのこと知ってんの?」
サルビア「ロベから教えられたんだよ。」
ルディア「口が軽い!」
ツゲ「(寄り道?)」ヒソヒソ……
ロベリア「(ある種の冒険のことですよ。セイザ森林の奥に行ったり、夜の学校に潜入したり)」
ツゲ「私は聞いてないぞ、そんなこと!危険じゃないか!」
ロベリア「わ。急に大きい声出さないでください」
ルディア「ま、まあ……学生ってやんちゃするもんでしょ」
ツゲ「危険を伴うならダメだ。君に何かあったら……私が耐えきれない」
ルディア「う……分かったよ!二度としない」
ツゲ「誓えるか?」
ルディア「誓います!」
ツゲ「いいだろう。」
サルビア「ちぇ……ついていってやろうとしたのに。」
ロベリア「やめといた方がいいですよ〜。私がルディアと学校へ『寄り道』した時は、教師から正座で20分間の説教を喰らいました」
サルビア「何やらかしたんだよ……」
ルディア「私はもう行くね〜。」
「あ、そうだ!」
ラボの玄関まで行ったところで後ろに振り向く。
ルディア「サルビア、早くお父さん見つかるといいね」
神妙な面持ちで今まで言われなかったことを言われ、サルビアはかなり動揺した様子を見せる。
そのまま数秒経ってから返事をした…
サルビア「…うっせ。」
日は沈みかけ、みんな帰路に着く頃。
寄り道をしないと誓ったルディアであったが、
ひときわ大きい丘の上にある、とある家に入る……
ルディア「ふふひひ……やんちゃっ子だもんね〜」
「今日はゼルがいつも通してくれない村の蔵の奥にまで入っちゃうよ!」
ゼル ⦕ルディア。⦖
ルディア「ひゃっ!!」
ゼル ⦕最近の貴女は……どんどん悪戯っ子になってきましたね。私も頭を抱えます⦖
ルディア「え……へへ……やんちゃしない子は逆にひねくれてくよ」
ゼル ⦕そうなのですかね……⦖
⦕ともかく、もう悪戯は辞めなさい⦖
ルディア「はあい……」
ゼル。セイザタウンの村長であり、年をとらず永遠に美しい。
植物を操る力を持っており、村民からは生神女とも呼ばれている。
鹿のような角が生えており、クリーム色の長髪がすごく神秘的に見える。
そして、ルディアにとっての親のようなものだ。
ルディア「今日はクレープ作ってくれるんでしょ?」
ゼル ⦕もうできていますよ。貴女が帰ってくる気がしたので⦖
ルディア「わあ〜〜い!!ゼル神ぃ〜〜」
二人でホイップがたんまりと乗ったクレープを食べる。
ゼル ⦕美味しいですか?⦖
ルディア「すっごく美味しい!!!」
ゼル ⦕……良かったです⦖
もぐもぐ。もぐもぐ……
ゼル ⦕クリームが口についています⦖
ルディア「あっ、ほんとだ」
ゼルがルディアの口を、布で優しく拭き取る。
ルディア「……自分で拭けるのに」
ゼル ⦕決してお子様扱いではないのですよ。⦖
ルディア「そうなの?まあいいけど……」
ゼル ⦕……ルディア……貴女は随分大きくなりましたね⦖
⦕子供の頃とは見間違える……⦖
ルディア「……」
「ゼルっていつも私のことばっかり……ゼルのことは話してくれないの?」
ゼル ⦕私ですか?⦖
ルディア「例えばさ……ゼルって何年生きてるの?」
「歳を取らないって言ってたけど、一体どのくらいなのかな〜って。」
ゼル ⦕隠す理由もありませんね。私は世界歴と同じ年齢です⦖
ルディア「……………………」
「1999歳!?!??!!?!?!??!」
ゼル ⦕ええ。⦖
ルディア「あっそお……へ〜……そんな時からなんだ……生きるタイムカプセルじゃん」
「最初の頃のゼルって今とは全然違ったの?」
ゼル ⦕家を持つことがありませんでした。森の中で生きる生活……人間と関わることも無かったです⦖
ルディア「寂しい生活だった感じ?」
ゼル ⦕そうかもしれませんね。楽しみもありませんでしたから⦖
ルディア「へ〜……良いこと聞いちゃったな」
「じゃ、今の方が絶対楽しい生活だよね。何せ私がいるし!」
ゼル ⦕……そうですね。⦖
ルディア「……ゼルからしたら80年や90年なんて一瞬かな」
「私が死ぬのも……あっという間?」
ゼル ⦕……………それは……⦖
ルディア「へへ……いつか私が居なくなっても、覚えといてよね」
「ゼルのこと世界一好きなのは、私だから!」
ゼル ⦕…………⦖
⦕……ありがとうございます⦖
色々なことを話し合っていると、夜が更けてきた。
ゼル ⦕もう遅いです。寝ましょう⦖
ルディア「えー!まだ9時半だよ?」
ゼル ⦕9時半です。寝ましょう。早く寝るほど身体に善いですよ⦖
ルディア「老人の就寝時刻ですかっつの!枕投げしようよ、枕投げ!」
ベッドの上に立って枕を持ち上げる。
ゼル ⦕枕投げ……?⦖
ルディア「枕を投げ合うの。勝敗とかは別にない」
ゼル ⦕良いですよ。やりましょう⦖
ルディア「良いんだ!?」
ゼル ⦕貴女がやりたいと言うのであれば、私は止めませんから⦖
ルディア「困ったな………冗談のつもりだったんだけど」
「って油断してると〜!?」
ルディアは枕を投げるが……
キャッチされ、反撃を顔に受ける。
「へぶ!」
ゼル ⦕一旦、私の勝ちで宜しいですか?⦖
ルディア「勝敗はないって言ったのに……」
ゼル ⦕枕を投げた時点で、すでに勝負は始まりましたから。⦖
⦕勝負を挑む、ペンを握る、ピアノに指を添える……そういった『何かの始まり』というのは、大きな意味合いを持ちますよ⦖
ルディア「へえ……あんまよくわかんないや」
「やめだね!睡眠の始まり〜〜」
ベッドにぽさっと倒れる。
ゼルもそっとベッドに入る。
ゼル ⦕子守唄は要りますか?⦖
ルディア「要らない……」
ゼル ⦕左様ですか⦖
ルディア「………」
ゼル ⦕………⦖
ルディア「…やっぱ要る」
ゼル ⦕了解しました⦖
全身のあらゆる細胞が、この命は諦めろと嘆いた。
太陽が天地を闇に覆い、月が血に塗れて呪いを口ずさむ。
天の星が地上に墜ち、地上の万物を焼き尽くす。
生命が逃げ惑い、やがてはしごの無い奈落に堕ちていく。
その闇の口は限りなく開き、群衆も悲鳴もなだれ込む。
そして、ついには自分も…………
…
ゼル ⦕ルディア⦖
ルディア「はっ!」
一瞬にして目を開け、上半身を飛び起こす。
横には、こちらを見つめるゼルが居た。
ゼル ⦕大丈夫ですか?酷いうなされ方だった⦖
ルディア「あは………ちょっと……悪夢だった」
ゼル ⦕どんな夢でした?⦖
ルディア「世界の……終わりみたいな」
「海が襲ってきて、全部流されちゃうんだよ」
「はあ……しょせん夢は夢だけどさ、ちょっと怖い気持ちになっちゃったな」
ゼルは静かに、肩合わせに座る。
ゼル ⦕…………あなたはいつも勘がいいですね。その夢も前触れかもしれません⦖
ルディア「ええ……?まだ分かんないじゃん!夢見ただけだよ」
ゼル ⦕あり得る事。この町にはずっと隠してきた……予言があるのです。⦖
ルディア「予言……」
ゼル ⦕……その時はいつか来ます⦖
⦕星の隠れる夜……セイザタウンは滅びる⦖
ルディア「!?」
ベッドから飛び離れ、勢いで小机が倒れる。
「なんで!?!?誰が滅ぼすって言うの!!」
ゼル ⦕神です⦖
ルディア「…!?……」
ゼル ⦕神に勝つ者は居ない……赤子が大の人間に敵わぬように⦖
⦕ですが……神とポケモンの間の存在……数多く居る『象徴』の力を借りれば、立ち向かえる⦖
⦕……私は世界中の象徴へコンタクトを取るため……近いうち、旅に出かけます⦖
ルディア「……そうなんだ」
「(もしかして……ずっと知ってたの?)」
「(セイザタウンが滅ぶなんてこと……ずっと前から)」
「(そんなことなら……もっと前から伝えてくれれば良かったのに)」
「(……それか……私たち村の人のことを想って……言い出せなかったの?)」
「(思えば……ちょっと前から旅に行くためのものを揃えてたし、皆には自分で身を守る術をしつこく言い聞かせてた)」
「(……もしかしたら……ずっと一人で抱えて……)」
「……あの……私!」
ゼル ⦕旅について来たいのでしょう?⦖
ルディア「……!」
ゼル ⦕こんなことを聞いて、貴女は黙々と待ちませんからね⦖
ルディア「……えへ」
「でも危ない所に行っても……私戦えないよ」
ゼル ⦕そうですが、貴女にはずっと渡したかったものがあるのです……⦖
⦕蔵の最奥に何があるか……ずっと気になっていましたよね?⦖
ルディア「あっうん!すごく!」
ゼル ⦕来なさい。いつか貴女が持つと思った⦖
土器や美品、記念品の入った蔵を通り抜けていく。
空気はほこりっぽく、木の匂いがする……
……そして、奥の扉が開く。
そこには、台座の上に横に乗せられていた……白く、金が入った、神々しいものが。
ゼル ⦕私が手がけた、星注ぐ神器……名を『一番星の大剣』⦖
ルディアの手に、大剣が乗せられる……
⦕貴女の輝かしい未来と希望を信じ、これを託します⦖
ルディア「…………」
ゼル ⦕どうですか?持った印象は……何か感じますか?⦖
ルディア「すごく……馴染む気がする」
「……でも……」
「私、やっぱり戦わないよ」
大剣をそっと下ろす。
ゼル ⦕……⦖
ルディア「このゼルがくれた大剣で……誰かを傷つけたくないし」
「私勇気はあるけど、死ぬ勇気なんてないし」
「戦わない平和を失えば……何か別のものも失っていく気がする」
「……せめて平和な人として、ゼルの支えになりたいの」
「戦うこと以外だったら……なんでもするからさ」
「ワガママだけど……いいでしょ?」
ゼル ⦕良いでしょう。経験のない貴女に戦いをさせるのも酷⦖
⦕危険には触れず……私との旅を見守りましょう⦖
ルディア「……うん」
「絶対、ぜ〜ったい旅はするからね!?危険だから〜とか言って私を置いてかないでね!」
ゼル ⦕そんな事はしませんよ。⦖
ルディア「じゃあ……約束だよ!?指切り!」
「予言なんて知らないよ!セイザタウンを守ろ!」
「あたし達、一緒だからね!」
ゼル ⦕………ええ⦖
小指が、重なる……
日が暮れる。
天の雫が底を打ち、ひとつひとつが流れていく。
…
ロベリア「ずいぶんと雨が強い……これは客が途絶えますね」
「4月4日……せっかく休日なのに、語呂合わせが悪いからですかねぇ」
「父様は海辺に行ってしまわれましたし……」
…
自然の恵みというのは神による賜りであり、慈悲である。
それは人知れず、そして不条理に牙を向くものだ。
…
サルビア「クソ……風が強いな。ラボが揺れて手元が狂いやがる」
「今日の発明は中止だな……このオンボロラボめ」
機械いじりをやめ、椅子を降りる。
「……にしてもやたら揺れやがる」
そして………視界の端で、コップが落ちて割れる。
もちろんその近くに、物理的に動いていたものは何もない。
サルビア「………?」
⦓………ゴ……ゴウ⦔
地面が巨獣の唸り声を上げる……
その音は、セイザタウンの皆が聴いた。
サルビア「!?………こ……この揺れは………風じゃねえ」
…
外に出て、上を見る……
ツゲ「な……なんなんだ」
「あの禍々しい雰囲気は!!」
赤黒い生物……かも分からないものが、オーラを放って飛んでいる……
見ているだけで、足が生命を守ろうとする。
…
ルディアが不安に溢れた顔をしながら、窓に顔を乗り出す。
深刻な顔のゼルと一緒に、飛行しているソレを見る。
ゼル ⦕……まさか⦖
ルディア「………っっ……!何が起きるか……分からない」
「でも……わかる」
「大地が……叫んでる……」
𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂
⦓𝖂𝕺𝕽𝕷𝕯 𝕰𝖁𝕯 २०००⦔
È̴͈͈ͪͩ͢͡ͅNͬ҉̷̢͖̗̖ͫ̀D͒͏̨̨͕̩̭̉͗Ẽ͏̷̡̤͍̳̟̒̽ͤ̀̌͝N̴̩̝ͭ͂́̚D̛̜͕̘͋̀́ͪ̎͠E̵̮̗̖̞̾͆͆͐͘͝͞N̸̰̦̯̈͂͆̽͟͡͏̦D̡̡̪̳̠ͦͬͨ̆͟͝ͅẼ͏̷̡̤͍̳̟̒̽ͤ̀̌͝N̴̶̩̝͚̣ͭ͂́͋͋̚͢͝D̛̜͕̘͋̀́ͪ̎͠Ẽ͏̷̡̤͍̳̟̒̽ͤ̀̌͝N̴̩̝ͭ͂́D̛̛̜͕̘͋̀́ͪ̎͠Ẽ͏̡̤͍̳̒̽ͤ͝È̴͈͈ͪͩ͢͡ͅNͬ҉̷̢͖̗̖ͫ̀D͒͏̨̨͕̩̭̉͗N̴̶̩̝͚̣͉ͭ͂́͋͋̚͢͝D̛̛̜͕̘̦͋̀́ͪ̎̾͠͏̼È̴͈͈ͪͩ͢͡ͅNͬ҉̷̢͖̗̖ͫ̀D͒͏̨̨͕̩̭̉͗Ẽ͏̷̡̤͍̳̟̘̒̽ͤ̀̌͝N̴̶̩̝͚̣͉ͭ͂́͋͋̚͢͝D̛̛̜͕̘̦͋̀́ͪ̎̾͠͏̼⦔
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𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂。.𝄂
ガラゴラゴロゴロゴロ……
グラリ!!!
ルディア「ゼル!!家がゴロゴロバキガラガラ
ガラガラリ!ガンガンゼル ⦕落ち着きなさい!私がゴン
グラグラグラグラ
ゴォオォォォン!!!
…
地震。
それは神の咆哮。
立っている者は全て同じ方向に倒れ、やがて人々は皆うずくまる。
揺れる中、人々は身を守ることしかできない。
目に映るものは全て異常を発し、積み上げてきたものを無に帰すように家が崩れる。
瓦礫のぶつかり皿の割れる音に、もはや誰のか分からない悲鳴が紛れ……
……どこで誰が死んでいるかも、分からない。
…
ツゲ「地面に……長老様の根が張っている」
「(咄嗟に村の地面を草で覆い……被害を抑えてくれたのか)」
…
ロベリア「……花屋が……!!」
「(継ぐと……約束したのですがね)」
…
植物の蔓がルディアとゼルを覆い、守る。
ルディア「はあ……はあ!」
「あ……ありがとう」
ゼル ⦕……こんなに……早かったなんて⦖
⦕あり得ない……まだ時間があった筈……!⦖
⦕村へ行きます!貴女はここで待機していてください!!⦖
珍しく走り、家の外へ出ていく。
ルディア「えっ!?」
「………!」
「ま……待ってろ……なんてこと」
「できるわけない!!」
壁に立てかけていた『一番星の大剣』を手に取り、走る。
「私……この街が大好きなの」
「誰かがいなくなるのは……嫌!!」
…
ゼル ⦕………愚者め⦖
⦕与えられた使命を……忘れたというのか⦖
赤と黒のオーラを纏ったソレへ……話しかける。
さっきは巨大な鳥のように飛んでいたが……
今は仮面をした人間の姿で、地面に立っている。
腕を組み、よそ見もしながら、ふらりふらりとゼルを見る。
南西からの向かい風。
𝔊𝔒𝔇 ⦓使命……?限りなく遂行しているぞ⦔
⦓終わりを齎す……今この瞬間も⦔
ゼルは桃色の光線を放つが、軽々しく躱される。
𝔊𝔒𝔇 ⦓見たところ……力を振り絞っているな⦔
⦓もっと早くに旅に出れば良かったものを……育てるべき存在でも居たのか?⦔
ゼル ⦕居ましたよ。決して貴方には奪われない⦖
𝔊𝔒𝔇 ⦓ほほおう……では足掻きを見せてみろ⦔
⦓花は枯れ、人は死ぬ⦔
⦓何事にも……終わりはある……⦔
…
ルディア「ゼル……と……あの何かが……あそこで戦ってる」
「行かないと……早く!」
だが……海の方向から……
ルディア「!?」
「……つ……津波!!!!」
それは神の涙。
じきにセイザタウンを覆い尽くすだろう。
とっさに家に隠れるが、
どうせさっきの地震で傷ついた家だ。
棒が折れるように、壁はルディアに倒れ掛かる……
ダン!!!
……………
サルビア「はは………耐重バネ機構……完成版だ」
「っくそ……足がダメになりやがった」
倒れた壁をバネが支え、ルディアとサルビアを守る……
ルディア「サルビア……?」
サルビア「歩けねえ……てめーだけで逃げろよ」
ルディア「……!!」
「そんなこと……言わないでよ!!絶対に
サルビア「良いから行け!!!!てめーが行くんだろ!!!」
ルディア「っっっ………!!!」
走って、丘の上に行く。
サルビア「…………ッヘ……」
バネは耐えきれなくなり、壁が倒れる………
ルディアは走るが、上がってくる波の勢いは止まらない。
足から腰まで、どんどん水が。
なす術なく、流されかけるが……
ルディアの腹にツタが巻きつき、投げられる。
ルディア「!!……ロ……」
植木鉢に入ったキマワリを抱えた者が、こちらを見ていた……
ロベリア「またいつか……一緒にピアノでも弾きましょう」
「生きてください……ルディア」
キマワリもロベリアも、津波に流されていく……
ルディア「ロベリアーーーッ!!!!」
「っっ………」
「なんで………こうなるの」
ルディアは空を舞って、着地地点では……
……ツゲがジャンプしてルディアをキャッチし、走り出す。
ルディア「ツゲ……!」
ツゲ「もうこの村には何も残らないかもしれないが……せめて君だけでも生き残ってくれたら、私は喜ぶ」
ルディア「(あたしから……サルビアを奪わないで)」
「(あたしから……ロベリアを奪わないで)」
「(あたしから……ツゲを奪わないで!!!)」
𝔊𝔒𝔇 ⦓それで?お前が何か企んでる間……何が出来る様になったかな?⦔
⦓あの人間を守れることは……できるだろうか?⦔
ゼル ⦕あの人間……?⦖
⦕……ルディア……!?何故ここへ!!⦖
𝔊𝔒𝔇 ⦓相当……大事な者と見た!⦔
…
ツゲ「……?……!」
「危ないッ!!!」
黒いビームが放たれる。
うまく避けたおかげで誰にも当たらなかったが……
ツゲはルディアを前に投げた。そうしないと当たっていた。
ツゲ自身は、投げた反動で後ろに倒れるだけだ。
ルディア「ツゲ………?」
ツゲ「立ち止まるな………ひたすら上へ」
最後に微笑む。
「どこかでもう一度、笑おう」
海に呑まれる……
ルディア「………!!!」
「ツゲ!!!!!!!」
涙でろくに前も見えないまま、丘の上へ走る……
「やめて……」
「もう何も奪わないで!!!!」
⟣ █████████████ ⟢
⟣ 始章二節 ⟢
▶ ルディアはセイザタウンにて生まれ育ち、3人の幼馴染を持った。
➤ それは、英雄に等しかった。
➤ ある時セイザを█████の災いが襲い、ルディアから全てを奪った。
➤ 悲しみの渦に呑まれながらも、神の元へ駆け抜けた。
𝔊𝔒𝔇 ⦓へぇ……やはりあの人間、何かある。あの大剣はなんだろうか⦔
地面から巨大な植物が生えソレを襲うが、これもまた避けられる。
その後分岐して蔓となり打ちつけにかかるが……ソレの腕に触れただけで、蔓は枯れて消えてしまう。
ゼル ⦕よそ見とは良い身分ですね……貴方の前にいるのは宿敵だと言うのに⦖
𝔊𝔒𝔇 ⦓別に問題ないのでね……力を失った老耄程度⦔
そして、ルディアは丘の上に到達する。
ルディア「ゼル!!」
ゼル ⦕逃げてください!!貴女がなんとかできる問題では……⦖
𝔊𝔒𝔇 ⦓そもそも お前を相手する必要も……⦔
⦓さらさら無い⦔
その腕を振り上げると、爪が太く長く黒く、熊の爪のようになり……
ルディアに向かって切り掛かる。
ルディア「!!」
剣を構えるが……
ゼル ⦕(不味い!!その大剣でも今の此奴には勝てない!)⦖
⦕(触れるだけで万物を終わらせる存在……!)⦖
⦕(『神』には勝てない!!)⦖
植物の壁でルディアを守ろうとしても……
魔の爪にあたるたびに枯れるばかり。とても力にはならない。
𝔊𝔒𝔇 ⦓(そんな小礫じゃ大事な大事な人間を守れないな?)⦔
⦓(さあ……覚悟を決めろ……!)⦔
ゼル ⦕……!!!⦖
飛び込み……
……ソレとルディアの間に入り、庇う。
そして、ゼルは上前半身を引き裂かれ……
傷口から、身体が枯れてゆく。
虚な顔で、倒れていく……
ルディア「…………は」
「ゼ…………………ル………?」
ドサッ。
ゼルは地面に転がり、ルディアはへたっと尻をついて座り込む。
ルディア「な……なんで」
「ゼ……ゼル」
「どうして……あたしなんかのために」
ゼル ⦕もう……分かったでしょう……逃げて……下さい⦖
⦕約束………守れず……………⦖
⦕ご…………め⦖
ルディア「……………………ゼル………?」
声が震える。
「大丈夫だよね………?きっと治るよね?」
「ごめん………勝手に来ちゃったのは悪かったよ」
「今までのイタズラも……迷惑も……全部謝るよ」
「だから、ねえ、返事して……………!!」
「もう……もうやめて……!」
「ゼルぅぅ!!!!いやだ!!!!!!!!」
「ああ……ああ……!!ああああああああああああああ!!!!!!!」
「ゼル!!!!!!!!!!!!!!」
𝔊𝔒𝔇 ⦓命みな、終わる時は儚いもの。受け入れろ…………人間⦔
⦓他人の終わりも………自分の終わりも⦔
ゆっくり近づいて、花を刈るようにルディアに触れようとするが……
圧倒的な威圧。
人間の執念を一身に詰めたような迫真の怒りの表情に………少し狼狽え、距離を取る。
前から津波が、丘の上までやってくる……
ルディア「もう………あたしから……………」
「何も奪うな!!!!!!!!!!!」
𝔊𝔒𝔇 ⦓…………!?その大剣!!⦔
➤ そして最後には、ゼルの存在も失った。
➤ 怒りを身のままにしたルディアは、大剣を振り上げると……
➤ それは星の斬撃を産み、流れ来る30尺の海を……
➤ ………割った。
➤ これがルディア・███████████の、最初の偉業である────
⟣ 始章二節 ⟢
ルディア「はあ……はあ」
ギロリ。
血の透け出るような猛獣な目で……ソレを覗く。
𝔊𝔒𝔇 ⦓……な……成程⦔
⦓分かった。余は素直に退こう⦔
⦓今はお前だけだろう……余を逃げさせる人間なんて言うのもな⦔
⦓………次に会えれば……名前を聞く。人間よ……⦔
ルディア「…………待て……逃げるな」
「逃げるな!!奪っておいて!!!!」
「無責任に!!!!奪っておいて!!!!!!」
パキ……パキン!
攻撃も間に合わず、空間が割れて、ソレは去っていった。
何も残らず、去っていった。
海は元通りに引いてゆく。
……もう誰もいなくなった、セイザタウンを残して。
ルディア「……う」
「………う………うぅ〜〜〜っっ…………うああ…………っ」
「ああ…………う…………うううっっ」
「うゔぁ〜〜〜ああぁぁ………どうしてっっ…………」
「何も…………守れなかったっ………!!」
「何………も………」
「うああああーーーーーーーっ……………!!!!!」
その時、微かに音がした。
ゼルの身体から……
光が出ていることに気づく。
ルディア「…………ゼル………?」
見てみると………
ゼルの胸の中から………『芽』が生えている。
光り輝く『芽』だ。
ルディア「…………!」
「………きっと………」
「ゼルは………きっとまだ助けられる」
…
ゼルの身体を、柵に囲まれたロベリアの庭に置く。
ルディア「ここなら野生のポケモンも来れないし、日も当たるよね」
「………芽があるなら………絶対に芽生える」
「きっと、きっと何か………ゼルを元通りにする方法がある」
「………」
ゼルの言葉を思い出す。
【⦕ですが……神とポケモンの間の存在……数多く居る『象徴』の力を借りれば、立ち向かえる⦖】
ルディア「……象徴………」
「力を借りよう……誰かがゼルを助けられるかもしれない」
「二人で旅する約束……守れなかったけど」
「あたしが旅をするんだ……ゼルを助けるために……!」
「……もう一度、約束しよ」
ゼルの身体の小指に、自分の小指を重ねる。
「ゼルが居なきゃ……あたし、子供の時からどうなっててもおかしくなかった」
「……育ててくれて……守ってくれて、ありがとう」
「絶対……恩返しするから」
「絶対……!諦めないからね!!!」
⟣ 始章三節 ⟢
▶ ルディアはゼルが助かる方法があると信じて、一人きりで旅に出た。
➤ 星の降る夜に、ゼルから遺された一番星の大剣を携えて。
➤ 1999年の春。
➤ ここが伝説の始まり。
➤ 世界にルディアの名を刻む、始まり。
➤ それはまるで、夜空を真っ先に照らす、一番星────
⟣ ザ✧ファーストスターライト ⟢
── The First Star Light ──