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平和な毎日。
『まぁちゃん』にとっては決して平和な毎日ではないのかもしれないけれど、『ヒト』は大変だなぁ~ってしみじみ思うよ。
ボクは、超癒し系ぬいぐるみだけど、基本的にボーッと座ってるだけだし… 忙しかったり、疲れたり、病気になったりする訳じゃないからね。
そんなある日…
『ボク』は 何も出来ない自分に不甲斐なさを感じ、平和な毎日がずっと続く…というのは 夢物語なんだって気づかされる出来事が起こった。
その日、とても天気が悪くて…ものすごい雨が降りだした時、まぁちゃんが仕事から帰ってきた。
電気も付けずにフラフラと部屋に入ってきたまぁちゃんは、そのまま座り込んでしまった。
明らかに様子がおかしい…
どうしたの?
何かあったのかな?
雷がピカッと光ったとき、まぁちゃんの顔が見えた。
…まぁちゃんは泣いていた。
今まで見たことがないくらい…声を押し殺して…泣いていた。
…どれくらい時間がたっただろう…
ようやく 少し落ち着いた まぁちゃんは、静かに立ち上がり ボクを抱きしめてくれた。
『クレオが死んじゃった…』
ボクの頭に、まぁちゃんの涙がポタポタと落ちてきた…
まぁちゃんが実家で可愛がっていた猫のクレオ…
ボクの(まぁちゃんに対する)ライバルのクレオが死んだ…??
ボクは、初めて気づいたんだ。
ボクはぬいぐるみだから 捨てられてしまう事はあるかもしれないけれど……
『死』なんて考えたこともなかった。
クレオとは、もう会えないんだ。
クレオは死んじゃったんだ…
あの柔らかい毛も、長いしっぽも、緑色のキレイな目も…もう無いんだ…
今まで感じたことがない…気持ち。
頭がクラクラする
胸が痛い。苦しい…苦しいよ。
まぁちゃん…
ボクは、考えたこともなかった。
考えたくもなかったんだ。
いつか、まぁちゃんも……。
そんな悲しい現実を…