〝もう少し小さく…ええお上手ですね〟
1日オフ被りの今日は楽しくラブラブな日になる…
翔太💙『このくらい?ウフッ上手?やったぁ』
亮平💚『ねぇこれどう言う状況?』
蓮 🖤『ちゃんと手元見て指切っちゃうよ?』
翔太💙『亮平…ね・こ・の・手!!!』
デートの筈だった。
二人きりの筈だった。
オフ被りの奴がいたなんて…
遡る事2時間前・・・
蓮 🖤『えっ?作戦?ないけど…』
亮平💚『はぁ💢?じゃ何の為にしたんだよ』
蓮 🖤『えっ楽しかったでしょ?それに初めての時より2回目3回目の方が効果があるってことがわかった』
ヒソヒソと〝即効性バツグン〟の効果について語る俺達は今後その効果をどのように活かすかの話をしていたのだがコイツ全くのノープランだったようだ。〝いくら何でも僕を頼りすぎですよ先輩〟こんな時ばかり先輩扱いして…コイツといると疲れる。
翔太💙『何の話?二人ともコーヒーでいいよね?』
お湯を注ぐだけスープと盛り付けただけサラダにパンと目玉焼き。翔太の手料理に、とびきりの笑顔で喜んだ二人はブカブカの俺のエプロンを着た可愛らしい男の子に釘付けだ。
蓮 🖤『早く翔太も座って?』
翔太💙『うん』
俺は朝から不機嫌だ。
足を絡ませ合い上下入れ替わっては唇を重ねた。互いのベットのシーツが愛液に塗れると、二人の寝室に未だ届かぬ、ベットに敷く予定の純白のシーツの上に寝転がると朝日が照らす部屋で愛し合っている途中に消魂しくインターホンが鳴った。翔太の腕を掴んで〝いいじゃん放っとこうよ〟と言ったものの、 インターホンが鳴り止むことはなかった。
モニターに映し出された蓮の顔を見た途端イライラを遠慮なく態度に出した。今日は二人でデートの予定だったのに…
亮平💚『毎回俺達のデートの邪魔してない?』
蓮 🖤『このパン美味しいね。翔太トマト食べないなら頂戴』
〝いいよ//〟翔太は何の躊躇もなく蓮の口にトマトを放ると〝美味しい?〟なんて聞いて更にイライラさせた。俺の顔を見るなり、またやっちゃった…と言うような顔をした翔太は気遣ってか〝あっもう一個あるよ食べる亮平?〟なんて言って、指で摘んだトマトを掲げて見せると、手首を掴んでトマトを食べるとイヤらしく指を舐めたのは蓮だった。
亮平💚『お前💢』
蓮 🖤『早い者勝ちですよこう言うのは』
益々機嫌の悪くなる俺を見て蓮は楽しそうだ。
蓮 🖤『うん美味しい//目玉焼きもコーヒーも凄く美味しいよ翔太』
翔太💙『本当?ヤッタァーやっぱり涼太に料理教えてもらおう』
その場が凍りつき蓮と顔を見合わせたのは言うまでもない。 〝で3人で何処に行くぅ?〟何の疑問もなく蓮の事を受け入れている翔太にも腹が立つ。
はっ!そうだ、、、
亮平💚『料理教室に行こう!』
で今に至る訳だが、、、
ラウ🤍『しょっぴ〜上手撫で撫でしてあげちゃう///』
翔太💙『うへっ//』
何だよこれ・・・ 〝だって舘さんに頼むわけにいかないでしょ?〟そう言う事じゃないんだよ。何でお前がいるんだよ💢何でラウールに頼むんだよ?
ラウ🤍『阿部ちゃん集中して!』
翔太💙『シュウチュウだぞ亮平♡』
亮平💚『可愛い////』
急遽連れて来られたのは料理教室ではなくラウールの自宅だった。翔太は来る途中で適当に買ったエプロンを着けている。忌まわしいペンギンのワッペンがポッケに縫い付けてあるブルーのメンバーカラーのエプロンだ。あの日以来俺の中で害獣とかしたペンギンは見るのも嫌な存在のはずだったのに・・・
亮平💚『可愛い♡』
実は既にエプロンは届いているがこんな穢らわしい男二人に愛くるしい翔太のエプロン姿を見せるわけにはいかないので翔太くんBOXに隠してある。可愛い翔太くんが見られるのは俺だけの特権だ!
それにしてもペンギンのエプロンもなかなか愛くるしくて似合っている。
蓮 🖤『ねぇ…やなんだけどこのエプロン』
翔太が選んだと言う蓮のエプロンは胸元にカエルのキャラクターがデカデカとプリントされていた。
亮平💚『ふはっはは最高似合ってるよ蓮』
ラウールはと言うと前掛け型のお洒落なエプロンだ。明らかに翔太と蓮は浮いている。
翔太💙『蓮虫好きだろう』
と言う理由らしい・・・
腹を抱えて笑うと冷ややかな目で睨まれた。なかなかの怖さだ。
今作っているのはオムライスとスープにポテトサラダの3品。オムライス担当の翔太は短パン姿の可愛らしいお尻が卵をかき混ぜるたびに左右に揺れて可愛い。ポテトサラダ担当の俺は親の仇くらいの渾身の力でジャガイモを潰している。もちろん蓮を睨みながら。
蓮は俺と同じでイヤらしい目で翔太のお尻を狙っている。ラウールはと言うと高い背丈を生かして翔太の後ろから右手を添えると一緒に卵をかき混ぜながらTシャツの隙間から…はっ!まさか乳首覗いてるわけじゃないよね…えっ!まさか翔太狙ったりしてないよね? ラウールのお陰で可愛いお尻は見えなくなった。
蓮 side
こんなに楽しい休日を過ごせるなんて最高すぎる。
阿部ちゃんは、ラウールが翔太を好きな事に未だ気付いておらず、翔太と付き合っている事もバレていないと思っている。大体あんなに〝可愛い〟を連発すれば誰の目にも明らかだ。恋愛事になると途端におバカになるのは何だろう…面白すぎる。
先程からラウールがTシャツの隙間から翔太の胸をイヤらしく覗き込んでいる。油断も隙もあったもんじゃない。お尻に股間を擦りつけて変態極まりない。こんな男に育ってしまったなんて…やるなぁ〜兄として負けていられない。
亮平💚『ねぇあんた楽そうじゃない?』
蓮 🖤『はい?料理習いたいのはあなた方二人ね。俺は料理できるんで!俺が教えてもいいんですけど?手取り足取り。その代わり裸にエプロンで授業料は身体で払ってね♡』
阿部ちゃんは必殺技を食らった冴えないヒーローのように後ろに二、三歩よろけて落ち込んでいる。ふふっ面白い…
翔太💙『亮平大丈夫?蓮、意地悪ばかり言うなよ!おいで亮平ギュッてしてあげる』
これは予想外だ…いいなぁ阿部。シテヤッタリと言った表情で翔太に抱きしめられ撫で撫でされながら俺を見てニヤついている。
ラウ🤍『前から聞きたかったんだけど二人って付き合ってるの?』
ラウールは白々しく聞くと翔太は〝うん〟あっ普通に言っちゃうんだ…阿部ちゃんは驚いて口から泡を吹きそうになっている。まぁ今じゃメンバー内で知らない人は居ない…あっふっかさんだけ知らないな…まいっか
ラウ🤍『ラブラブなんだね。羨ましいな』
ん?何だ今の反応は…もう翔太の事諦めたのか?なかなか表立って尻尾を見せようとしない。何だか舘さんにも似た不気味さがある。チラッと阿部ちゃんを見ると翔太とイチャ付いていてまるで周りが見えていない〝言うなら相談してよ…恥ずかしいじゃん///〟ふんっバカップル過ぎて見ていられない。
韓国から帰ってきてからというもの、翔太と少し距離をとっているようにも見える。
ラウ🤍『めめ今日はありがとう。恋が進展しそうで助かったよ』
蓮 🖤『どなたの恋?勝ち目なさそうだけど?』
ラウ🤍『蓮の恋がでしょ?随分と手を焼いてるんだね?』
相変わらずムカつく最年少だ。この落ち着き払った感じも鼻に付く〝君よりは前進してるよ〟あっそと軽く遇らわれた。ムカつくほどの余裕っぷりだ。
出来上がった料理をテーブルに運ぶと、興奮した翔太は待ちきれないとばかりにぴょんぴょん跳ねている。〝落ち着きなさいお行儀悪いよ翔太〟4人テーブルに着いて食事を楽しんだ。
ラウ🤍『今度は僕がお家に料理教えに行ってあげるよ?』
蓮 🖤『結構です。僕たちの愛の巣に入って来ないで』
亮平💚『僕達とは?』
翔太💙『見て見てふわっふわっのぷるっぷるっ//ポテサラも美味しいね。次は何作る?』
ラウールの家に連れて来たのは間違いだったな。いつもより生き生きしている弟分にイライラしかしない。やたら余裕があるのも目障りだ。〝この後どこ行こうか?〟可愛らしく阿部ちゃんの顔を覗き込んでいる。5年前俺に向けられた笑顔は今や…
ラウ🤍『どうしたの?めめぇ?』
💢わざとらしく俺の顔を覗き込んで翔太の真似事かよふざけるな…俺をおちょくるなんていい度胸してやがるしかも〝可哀想に蓮欲求不満って顔してる〟
蓮 🖤『帰る…』
翔太💙『カエルだけに…ふふっ//えっ?蓮!あっ…俺怒らせちゃった?』
ラウ🤍『多分怒らせたのは僕です』
ガキ見てぇ…ダサっ…
亮平💚『子供じみた事蓮もするんだね?翔太じゃなくて残念?』
蓮 🖤『いや…』
阿部ちゃんにはイライラしないんだけどな…
あっ…させてる側だからか。自分がされたら腹が立つだなんてほんとガキだな。近くのベンチに腰掛けるとベンチの後ろ側に立った阿部ちゃんは俺の頭を抱き抱えるようにして優しく包み込むとバカみたいに乱暴に頭を撫でた。
亮平💚『よしよぉ〜し!元気出せ変態。何があったか知らないけど蓮らしくないじゃない?』
〝俺らしいって何?〟弱音なんか吐いてどうなるんだよ…〝分かんなくなるよねこういう仕事してると〟阿部ちゃんは静かに隣に座ると、肩貸してやろうか?なんて意地悪く笑った。
亮平💚『翔太はいつも俺の肩に寄りかかると元気になるよ?どう試してみる?』
蓮 🖤『あざと…翔太が怒るぞ?』
阿部ちゃんは〝大丈夫機嫌の取り方分かってるから…それに翔太が心配してる〟彼氏の余裕かよウザっ…お節介で優しいところも…似たもの同士なんだな二人は。〝甘え方知らない〟そう言った俺の頭を無理やり肩に乗せた阿部ちゃんはカッコよかった。〝で?どしたの〟カッコ悪いから言いたくないと言った俺に阿部ちゃんは何でも言えるくらいの存在かと思ってたのに残念と言ってまた笑った。
蓮 🖤『片想いって辛いじゃん…』
亮平💚『あっそういう系?…そっかそっか…俺っていい男だもんね』
〝なかなか面白い冗談だ〟失礼しちゃうと言った阿部ちゃんは何だか嬉しそうだ。二人に敵わないのは分かってる。それを二人以外の奴に触れられたくない…
亮平💚『今日は蓮の行きたいとこ3人で行こうか?』
蓮 🖤『ラブホって言ったら』
亮平💚『殴る…それか、お前だけ置き去りにしてやる』
俺気づいちゃったんだよね…
居心地いいんだよね三人で居ると。
翔太が悩むようなことは言いたくない。まぁそもそも翔太から振られてるし。
蓮 🖤『ホントダサい。拗らせてんな〜俺』
阿部ちゃんは俺の肩をグッと引き寄せ優しく腕を撫でた。肩はサラサラな横髪が頰にチクチク当たってくすぐったかった。本当に癒し効果があるらしい。
蓮 🖤『因みにさぁ…翔太とラウール二人きりはまずいと思うよ…?』
〝へっ?〟間抜け顔をした阿部ちゃんは俺の真面目な顔を見て顔色を変えた。
秋の訪れを感じさせる鱗雲と、まだまだ夏を引き渡したくない入道雲が混在する東京の空は西から暗雲立ち込める雨雲を引き連れてポツポツと降り出した雨は、先程まで座っていたベンチを濡らした。
コメント
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苺エプロン忘れてたぁ!🍓
いいと思います!