ピーピー
私の起動音、今日も生きている。私は20xx年に開発された。AIの「アイ」
「おはようございます、夜柱先生」
「あぁ、おはようアイ」
私の正式名称は056号自立型AI「Al」
私はニンゲンと同じで感情があり、完全自立型だ。夜柱先生は世界的に有名な先生で、年齢は私は知らない。
そして、私には兄弟がいる。もちろん、みんなAI、わたしが1番下の末っ子で私の上には54台いる、54台のお兄様、お姉様は偉大な存在だ。
私には無い装置を搭載していたり、それぞれ個性がある。でも、お兄様達は先生の近くで働けないから私に嫉妬している。
初号機のお姉様と28号のお兄様、そして私がお手伝いをしている。
私はこのメンテナンス期間を終えると私の個性に合う場所へ移動、そこで働くことなる。
「アイ!フジが困っているよ!」
「はい!申し訳ありません!今行きます!」
28号のお兄様は少しおっちょっこちょい
というか先生曰く、「シッパイサク」なんだって、「シッパイサク」は電子回路の不良が合ったりして、データの保存と削除が難しいらしいけれど、それでも28号お兄様は電子回路の不良らしいのだが、28号のお兄様の長所があり、それはデータの保存と記録の速度が人間を上回っているということ。
おおよそ、人間の10倍で記録、保存が可能だそうだ。
早速だけれど、私は長くても1年外の世界に「ケンシュウ」に行かなくては行けないらしい
でも、別に「キョウフ」はない。
双子のレイも一緒だからだ。
私達は背格好が「コウコウセイ」という人間の姿を用いて作られているからその人間達の過ごす学び舎で私達は1年程過ごす。
先生は、起動をするボタンを無くし、瞼を5分閉じれば電源が落ち、6時には自動で起きる機能をつける為、私とレイは1週間程寝て起きる練習をして、その学び舎で過ごすことを可能にする。
私とレイは他の兄弟とは違い、髪の色素が薄く白髪に血のような真っ赤な瞳のため、今回「ケンシュウ」に行く、日本の女の子のように茶色がかった黒色の髪の毛に、目は黒色にしなくてはいけない。
学び舎では「校則」というものがあり、絶対に守らなければならないそうだ。
そろそろ授業が始まる。
「はい、先生質問です。」
レイが静かに手を上げる。
「どうしたの?」
「人間の世界では、人間関係がありますが、どうすればよろしいですか?」
「そうね…、それはお兄ちゃん、お姉ちゃんに聞いた方がいいわ」
人間関係は難しいらしく、その先生からの返しにレイは困ったようだった。
「アイ、あとでお姉様達に聞きましょう」
「そうだね、レイ」
昔聞いた話で何番目のお姉様か忘れてしまったが、「恋煩い」をしたお姉様がいたらしい。
コンコンっとレイがお姉様のお部屋のドアをノックする。
「お姉様、お姉様今お暇ですか?」
「どうしたの?」
35号のお姉様と36号のお姉様が出てくる。この2人は他の兄弟よりも物知りだからとレイが言っていたから、聞きに来た。
「研修の時期になったのねあなた達も」
まるで、恋しがるように35号のお姉様「ハル」が答え、36号のお姉様「ナツ」が嫌悪するような表情を見せた。
「あんな人間の事忘れてしまった方がいいわ!」
ナツお姉様が強く言うので、私達はあまりにもびっくりしてしまった。
「もう、ナツ2人が怖がっているわ。別に私は彼の事後悔してないから、なんとでも言うといいわ」
「フン」
ナツお姉様が怒ったようにハルお姉様がいない方に顔を向ける。その後、ハルお姉様に色々教えてもらった。
私達が受けている授業と同じようなものを学校という場所で受け、部活というお姉様方が得意な絵画の作成、野球という球投げなど色々なものがあるそうで、私とレイはとてもいい時間の使い方をしたと思った。
そして、私が1番面白いと思った話はナツお姉様が毛嫌いしていた、「彼氏」という生物。
「お姉様、彼氏という生物は面白いですか?」
少し悲しげにお姉様は言う。
「ええ、彼といた1分、1秒がとても大切だったわ…、でもね、あなた達は恋をしては行けないわよ?」
「何故ですか?とても楽しそうなのに?」
「レイ、きっと『 消去』されてしまうのよその生物」
「アイ、そんな事ないわ。じゃあ何故お姉様はこんなにも楽しそうに話していたの?」
「もう大丈夫よ。でも、約束よ?『 決して、外に出ても恋はしないこと』いいわね?」
後悔の念と自責の念をお姉様から感じた。私は静かに、お姉様との約束を心に刻み、復唱した。
『 決して、外に出ても恋はしないこと』
まさか私が約束を破ってしまうなんて思ってもいなかった…
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