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「はぁっ、はぁ、はぁっ」
私は今走っている。
人間界をそして初めて高校生という生き物に追いかけられている。
数時間前
私達は黒い車の迎えに兄と姉達が出送りに来てくれた。
外から見る研究所はとても質素に見えた。
だが、私はそれよりも今から行く学校という場所に好奇心を覚えていた。
兄と姉達に
『 いってらっしゃい』
と言われた。私達は
『 いってきます』
レイは不安になったようだった。
そして私達は目隠しをされ、車に乗った。
私は手探りでレイの手の場所をみつけ、握った。その手を握ったことに気づいたようで、レイは私の手を堅くまるで離れることを知らないかのように手を握り返した。
その後学校につき、目隠しを外され、先生から
「レイ、アイ、寂しくなるだろうが頑張るんだよ。あと2人の苗字は『 天笠』だからね。」
研究所で沢山書いた苗字というもの。私の名前は『 天笠阿音』レイの名前は『 天笠伶音』
先生が双子らしくなるようにと「音」という漢字を合わせてくれた。
『 はい、先生、お元気で』
私達はにこやかに笑えるよう顔を動かした。そして、教室に連れていかれた。
「教室の前で待っててね」
女性に言われて、私達は待っていた。
「えー、今日転校してきた人が二人いる。2人とも入ってきてくれ」
私達の知っている先生以外の男の人間に呼ばれる。
私は緊張という感情を覚えつつもレイの手を握る。
「大丈夫よ、アイ」
「レイ、私は緊張しているみたい」
「良かったわね」
レイが私を気遣ってくれながら、ドアを開けてくれた。
ドアを開けた瞬間、大きく黒い目が沢山こちらを見てきた。そして、大きな拍手と共に私達は出迎えられた。
そして、男性の先生に言われた。
「2人とも自己紹介をしてくれ、じゃあ伶音から」
「はい」
その声と共にレイは返事をし、すーっと息を吸い始めた。
「はじめまして、この度転校してきました。天笠伶音です。仲良くしてください。」
大きな拍手が教室に響き渡る。
その後、レイが黒板に素早く名前を書く。
レイが書き終わったくらいに先生から私の名前が呼ばれる。
「えー、次は阿音」
「はい。はじめまして、伶音の妹の阿音です。よろしくお願いします。」
私の時もレイと同じように名前を黒板に書き、同じように拍手が響き渡る。
その後、私とレイは少し距離の離れたところに席を設定され、ちょっと残念そうな私の顔を見て、レイがクスッと笑っているのを見て、私も少し笑ってしまった。
そして、授業が始まる。
AIの私達からすれば、こんな内容はもう頭の中のデータに入っている。
ちょいちょいと腕を触られた感覚により、私は驚きを感じた。
そうすると隣の席の男子が私に話しかけてきた。
「なぁ、俺、君に一目惚れしちゃったかも」
愚かなことを言ってきたため私はお姉様と約束したあの事を思い出しながら、その男の子のことを冷たくあしらった。