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⚠最終的には治侑
⚠侑の片思い
⚠当然のように侑が治のことが好き
いつもと同じようなストーリーになりそうなので最初は治くん無自覚にします!
☆
侑視点
「…は?なんやこれ?」
ある日の朝重い目蓋をあげると、なにやら赤い糸が薬指に結んであった。
何かと思って触ろうとすると、それは実態がなく、触ることが出来なかった。
まだぼんやりとしている意識のなか、幻覚でも見えているのではないかと思ったが、そうではないらしい。
長く続いている糸。
いやコレ恋愛漫画でよう見るやつやん。
糸を目でたどってみると、それは片割れへと繋がっていた。
たしか繋がっていた相手が運命の人だったような。
え、てことは…
「はぁぁぁ!?!?」
「朝からうっさぁ、目え覚めてもうたんやけど」
「それどころじゃないねん!!自分の手見てみろや!」
「…なん?なんもないで」
「糸結んであるやろ!」
「はぁ?そんなもんないで。寝ぼけとるん?」
え、まじで見えてないん?
もし見えていたらワンチャンのワンチャン付き合えてたかも、なんて。
少し期待してしまった自分が恥ずかしい。
諦めなきゃいけない恋も未だに引きずったまま。
こんな自分を情けなくも思えてくる。
彼女でも作ったら諦められるだろうか。
でもそんなことで諦められてるのならとうの昔に彼女を作っている。
いっそのこと俺の恋心を2等分して治に分けてやりたい。
こんな馬鹿げたことを考える程、俺は悩まされているのだ。
だって、かっこよすぎるんやもん。
俺より少し低くて落ち着いた声も、紺青色の深い瞳も。
少しゴツゴツしているが、それでいて優しく撫でてくれる手だって好き。
全部、治の全てが好きなのだ。
治の事を狙っている女子にだってこの愛は超えることはできない。
でも現実は厳しい。
こんなにも治のことを想っているのに、その願いは叶うことを知らない。
自分でも現実を見た方がいいと思う。
きっと心のどこかでは治と結ばれることができると思ってしまっているから。
早く諦められたらいいな、なんて何回口にしたか分からないことを今日もまた呟くのだった。
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